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A氏
:そうすると「 坂の上の雲
」が 明治36年から37年前後
で、「 警視庁草紙
」が明治5年頃から、西南戦争が始まる 明治10年前後までの話
が中心となるね。
要するに、 西郷隆盛
が死んで 武士の反乱
が治まり、 明治政府がようやく独立するのが明治10年
。
その後、 日清戦争
で日本はようやくアジアに認められ、 日露戦争
で列強の仲間に入るという、 約
10年単位の駆け足の時代
だね。
私
:作者が掘り出した 中心人物
も、「 坂の上の雲
」は 児玉源太郎
だが、「 警視庁草紙」
では、 川路利良
大警視
だね。
西
氏は、 司馬遼太郎は明治のポジ
を描いているのであれば、 山田風太郎はネガ
を描いているという。
この両者の対比は両極端だが、、たしかに明治を知るには、 両面を知る必要
があるから、 両者の著書は補完
するものだね。
A氏 :司馬遼太郎に対し、山田風太郎が描くのは、いわゆる裏面史かね。
私 : 薩摩出身の大警視川路 が、 井上馨 と対立しながら、各地の武士の新政府の反乱を陰で誘発させ、これを鎮圧するというのが、風太郎の筋書きだね。
A氏
:たしかに 廃刀令
など、 旧武士の新政府に対する不満
は日本中にあったんだね。
明治9年
に 熊本の 神風連の乱
、 福岡の 秋月の乱
、 山口の 萩の乱
と続くね。
そして鎮圧される。
そして、同じ手口で 川路
は最後に 薩摩の反乱
( 西南戦争
)を誘発させる。
西郷は川路にとっては恩人
であるが、 見事な背信
であると風太郎は指摘する。
日本のフーシュ
だという。
A氏
: ジョゼフ・フーシュ
だね。
フランス革命
のときは、 テロリスト
として頭角をあらわし、ルイ16世はじめ多くの貴族をギロチンにかけたが、一転して ナポレオンの時代
となると、その 警視総監
になる。
そのナポレオンが失脚すると、 ルイ18世のもとで警視総監
となるんだね。
私 :その 川路 は結核だったらしく、フランスに視察に行くが、 明治12年 、帰りの船中で吐血して、帰国後、数日で 46歳で亡くなる。
ところで、この本で西南戦争後の 明治初期の2大事件
として、 大久保利通の暗殺
と 藤田組贋札事件
をあげているね。
偽札が大量に出回ったのは、西南戦争がはじめ待った頃からで、特に関西が多かった。
今の金額にすると 数十億円
くらいだったらしい。
精巧な偽札なのでドイツからではないかと 輸出業
の「 藤田組
」が疑われ、 明治12年
に 藤田伝三郎
が逮捕される。
しかし、後に真犯人が内部告発で分かり、 無罪釈放
となるという事件だね。
これも新しい政府の中での政権争いを象徴しているようだね。
この後、日清・日露の戦争の時代になるわけだね。