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A氏
ISO9001
には、 継続的改善
と言うのがあるね。
しかし、それは 製品の継続的改善
でないと君は言っていたと思うが、本当かね?
私
: ISO9001
の 最後の項目
は「 8.改善
」で、その最初の項目が「 8.1 継続的改善
」だね。
そこに「 品質マネジメントシステムの有効性の改善
」とあるんだ。
マネジメントシステム
についての要求で 製品
についてのものではないね。
A氏 :それでは、 品質マネジメントシステムを改善 してどんどん 向上 させていくということかね。
私
:それもちょっと違うんだね。
それは「 有効性
effectiveness
」の意味が 用語の定義
で決まっているからだ。
ISO9000
という 用語定義集
がある。
これは ISO9001
と混同しないようにね。
最後が 0
か 1
があるかの違いだけからね。
この 用語集
によると「 有効性
」とは「 計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度
」とあるんだ。
A氏
:最初に計画したものがあり、それが 結果的に達成
された程度ということかね。
達成されれば、 100点満点でこれが最高点
となるね。
私
:その通り。
120点
、 130点
という 改善向上を要求した内容でない
ことになる。
100点を目標に継続的に改善する
という意味になる。
A氏 :日本語的に誤解しやすいね。
私
: ISO9001規格
は数字モデル規格でなく、 言語モデル規格
だから、言語は正確に理解しないと意味が無いね。
だから、 用語集
があるんだよ。
この「 有効性 」の誤解例は「 内部監査の有効性 」にもあるね。
君のいた会社では ISO9001 をとったから 内部監査 をしているだろう?
A氏
: 年2回
やっているね。
俺が会社にまだいた頃、俺の部門に 内部監査員
が来て、俺も質問されたよ。
マニュアル
通りに業務をやっているかをチェックしていたよ。
そして 監査シート
に結果を記入していたが、たしか、 改善点も指摘
するようになっていたね。
私
:実は、内部監査には 改善要求
がないんだね。
内部監査の要求をしている規格文に、「 有効性
」が登場するからだね。
ISO9001
には内部監査の目的のところに「 品質マネジメントシステムが 効果的
に実施され、維持されているか
」監査せよという文章があるね。
A氏 :「 効果的に 」と言ったら、 改善 が含まれるのではないの?
私
: ISO9001の原文
は英語だから、「 効果的に
」という元の英文を見ると effectively
とある。
「 有効性
」という定義に従うと「 効果的に
」でなく正確には「 有効的に
」だね。
A氏
:なるほど。
さっきの「8.1 継続的改善
」と同じだね。
「 100点満点をとるように
」だね。
すると、 内部監査
は「 計画したルール通りに実施されているか
」を監査することで、 改善提案を必須
とはしていないね
。
私
:監査員は言わば 検事
だね。
検事が「 正義漢
」ぶって「 世の中を改善しよう
」として、力んで犯罪摘発のストーリーを作ろうとするから、こないだの 郵便不正事件
のような検察ミスの原因
となるんだね。
特捜
の失敗はそこにあったんだろうね。
A氏 : ルールを守る ということと、 ルールを変えて改善する ことは、きちんと けじめ をつけないと、 ルール そのものが守れなくなるおそれがあるということか。
私
:それに、会社に「 ISO9001の改善は、書類を増やすことだ
」と思っている ムード
があると、 内部監査員の改善提案
は「 チェックシートをもっと作れ
」など、 コスト無視の書類増大
になるだけだね。
会社に必要な コスト意識を持った「知的体力」のある人材
が育たない結果になるね。