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私
: 20011年
に、 オリンパス
の 過去十数年にわたる
巨額の損失隠し
が発覚し、日本における 企業統治
(コーポレート・ガバナンス)の不備についての問題も含めて世界中で大々的に報道されたね。
それは、この本の著者が スクープ
したのがきっかけとなっている。
この本は最初、新聞の書評で知り、図書館を検索したが、図書館が購入してなかった。 後で購入を知り、予約したらかなり予約が殺到し、ようやく俺の番になったよ。
この事件がクローズアップするきっかけは 著者の知人の著者への密かな内部告発 だが、知人の身を案じ、内部告発とわからないようにして、著者が情報収集を行う。
2011年6月
頃、取材をまとめた著者が最初、問題にしたのは、オリンパスの信じられない不正を掲載する 雑誌の選択
だった。
問題が問題だけに「 お上品な媒体では追いきれないだろう
」と経済誌や大新聞でなく、 月刊誌「ファクタ」
を選んだ。
A氏
:「 ファクタ
」は政治経済の総合誌で、発行部数は 2万部
と小ぶりで書店売りはないが関係者にはよく知られている雑誌だね。
批 判対象に聖域を設けない辛口の編集方針
らしいね。
私
:掲載前に、疑惑の内容を書いて、「 ファクタ
」から オリンパス
の広報に質問状を出し、疑惑の張本人である 菊川剛
会長のインタビュー
を求めた。
広報部の回答はゼロ。
会長の取材は拒否された。
A氏 :いよいよ戦闘開始だね。
私
: 菊川会長
の 役員報酬
は、 2009年3月期
に オリンパス
が赤字なのに 1億8千万円
だった。
こうして、衝撃的な内容が 2011年8月号
の「 ファクタ
」に掲載される。
かなり 辛口の記事
なので、 オリンパス
から抗議文が来て、法廷の争いになるかも知れないのであらかじめ、 弁護士
と相談する。
弁護士
は、内容を聞いて「 特別背任
の疑いが濃い」と言ったという。
A氏 :他の雑誌はどうだったの?
私
:著者は、話題を広げようと「 週刊東洋経済
」や「 アエラ
」にも企画書を送ったが、 無視
される。
その他の雑誌も 無視
される。
A氏 :マスコミは真実を見る目がないね。
私 : オリンパス側 も無 視 の戦略に出た。
問題が大きくなったのは、その年の 4月
に オリンパスの社長
に就任した ウッドフォード
氏が、「 ファクタ
」の記事を読んだことだね。
もし、日本人社長なら、 無視
したかもしれないが、彼はすぐに行動を開始。
8月
に 菊川会長
と 財務担当の 森久志
副社長
とランチで追求するが、逃げられる。
さらに「 ファクタ
」 10月号
では、怪しげな 資金の流出先
をテーマにする。
これを読んで驚いた ウッドフォード社長
は、 菊川会長・森副社長
を問い詰める。
結局、 菊川会長
は折れ、 CEO
を ウッドフォード社長
に譲るが、 ウッドフォード社長
の追及は 菊川会長の退任
まで求める
A氏
:それからは有名な話になるね。
10月
に 菊川会長
は緊急取締役会を開催し、全員の賛成で ウッドフォード社長を解任
する。
菊川会長の反撃
だね。
私
:火の手があがったのは ロンドン
だね。
ウッドフォード氏
は、イギリスの有名紙のインタビューに答えて、 オリンパス問題は海外で先に急展開する
。
株価
も 10月
の ウッドフォード解任
後、 3日間で2500円から半値
となり、 11月
は 424円
となる。
後は、 日本のマスコミ
も遅ればせながら騒ぎ出し、後は誰もが知る有名な事件になるね。
A氏 :ところで、この本の題名の「 サムライと愚か者 」というのはどういう意味だね。
私
:これは ウッドフォード氏
が著者に「 どうして日本人はサムライと愚か者がこうも極端に分かれてしまうのか
」と問うた言葉からとったという。
悪を徹底的に暴いた著者が サムライ
、不正隠しをした オリンパスの経営者が 愚か者
だね。
ウッドフォード氏
は、英国では、 ナイト
の 爵位
を授けられているというが、 ナイトはイギリスのサムライ
だ。
日英、2人のサムライ
が、 オリンパスの経営者の不正
を明らかにし、正したことになる。