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【送料無料】冬の旅 [ 辻原登 ]
私
: 辻原登
氏の小説は、すでに 2006年
の 大佛次郎賞
の「 花はさくら木
」とその後の「 許されざる者
」 上
・ 下
を読んでいて、この「 冬の旅
」は3作目だね。
350頁
を超える長編だ。
これは主人公 緒方隆雄
の転落とそれをめぐる人物の物語だね。
前にこのブログでとりあげた「 東京難民
」と筋が似ているね。
もっとも「 冬の旅
」の舞台は大阪を中心とする関西だね。
本では話が前後するので、緒方隆雄の足あとを 年代順 にまとめてみた。
小説には明確に隆雄の 生年月日
を書いていないが、推定するに 1950年
頃だね。
一人っ子らしい。
父
はある大手メーカーの経理マン。
隆雄
が 中学1年
の時に 女をつくって家出
。
以来、行方知らず。
母親
は 保険の外交員
として働く。
隆雄は関西の県立高校を出て専門学校に行く。
しかし、面接まで行くが就職はできなかった。
A氏 :すでに片親では就職には不利だね。
私
:次にコンピュータの専門学校に行く。
途中で広報誌作成のコースに変更。
ところが、アルバイト先の 食堂チェーン店
に気に入られ、ここに 正社員
として就職し、 寮生活
で順調に過ごす。
しかし、給与は安く、3年で店長補になったが給与は 20万
にならなかった。
ところが、その頃、変なことで ホモ
と誤解され、これが上司、職場に嫌われる。
退職勧奨され、やむを得ず辞職。
23歳
で失業する。
寮
を出て、 ワンルームマンション
を借りた。
A氏 :運が悪いのかね。
私
: ハローワーク
に通い、 1993年
、 新興宗教団体
の広報の仕事にありつく。
教祖は老人だった。
3ヶ月後には 正社員
となり給与は 20万
になる。
入社 2年目
の 1995年1月17日
、 阪神淡路大震災
が起きる。
教団は、救助隊を神戸に派遣する。
隆雄
も加わる。
A氏
:救援に最初に駆けつけたのは 山口組
で、ついで オーム真理教のような宗教団体
だというね。
オーム真理教
はこの2ヶ月後、 地下鉄サリン事件
を起こすね。
陸上自衛隊
は、翌 1月18日
午前6時に救助活動を開始する。
私
:小説では震災の生々しさを伝えているね。
この救援活動で、隆雄は 看護師
の ゆかり
と知り合う。
ゆかり
は家族を震災で失う。
震災後、 ゆかり と偶然、大阪で再会し、それから交際が始まり、やがて 結婚 する。
A氏 :ようやく普通の生活ができるようになったね。
私
: 子ども
はすぐにつくらないということで、結婚して 1年半
たったとき、妻の ゆかり
が自分の持ち物を持って忽然と姿を消す。
後を追う手がかりも残っていなかった。
実は まゆみ は震災による借金を返すために高級クラブでコールガールのような存在になっていたんだね。
A氏 :不幸な結婚だったね。
私
:そんなとき、隆雄の教団に対する架空請求など、 経理の不正
が見つかる。
彼は 30歳を目前
に解雇される。
A氏 :これは自己責任だね。
私 :また、 ハローワーク通い となる。
この後の彼の行動は明日にしよう。