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私 :帝国憲法草案作成にかかわった 金子堅太郎 氏 はハーバード大学卒の法律専門家だ。
彼は憲法はその国の 歴史法学の方法論 に基いて作るべきだと考えていた。
金子氏は「 国体
」という文字は 日本特有の政治的名称
であって欧米にはない。
欧米にあるのは 共和政体
または 君主政体
という「 政体」概念
だ。
A
氏
:日本にも欧米と同じ「 政体
」という文字はあるね。
私 :たしかに、 天皇親政の下での郡県制 、 幕府政治の下での封建制 というのがあり、これらは「 政体 」だ。
「 政体 」は時勢によって変わるがが、 万世一系の天皇が政治を統御する ということにおいて、日本の「 国体 」は変わらない。
幕府政治 ・ 将軍政治 は 天皇から政治を委託された委託政治 である
源頼朝以来
600
年間
、日本の政治は将軍が行って、 皇室は衰弱の時代はあったが、天皇の大権は少しも侵されていない
。
A
氏
:幕府政治といえども日本の「 国体
」に背くものではないということか。
私 :金子氏はだから 憲法政治 になっても日本の「 国体 」は変わらないという。
この点で 伊藤博文 がドイツ法学者の唱える 「政体」の変更を「国体」の変更と混同 していると批判した。
万世一系の皇統をもって皇位を永久に継承されるという 意味での「 国体 」は 日本の政治的原則 であって、永久に変更すべきでないと金子氏は主張した。
後に伊藤もこれにしたがったという。
A
氏
:これにより帝国憲法の起草者たちは、 憲法政治とわが国の伝統(国柄)とが両立する
ということに大きな自信をもったわけだね。
私 :ところで明日は、 国家の機軸 という問題にふれよう。
欧米では宗教、特に キリスト教が機軸 になっているが、 帝国憲法の起草者 たちはこれにどう対応したかだね。