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私 : リーマン・ショックの金融危機 であれだけ世界経済に破壊的な影響を与えた ウォール街 が逆襲を始めたようだね。
従来、 ウォール街の政治献金 は、 共和党、民主党ほぼ半分 だったが、 2010 年 に オバマ大統領 が 金融危機の発生に銀行家 の一部がひと役買った と示唆したことに、 金融界の大物たちが激怒 した。彼らはもちろん、 金融規制強化法 ( ドッド・フランク法 )にも怒った。彼らのビジネスがいくらか制限されるものだったからだ。
A 氏 : ウォール街の献金先 が変わるのだね。
私 : 12 年の米大統領選 で、 ウォール街 は 共和党のロムニー候補を圧倒的に支持 し、 今年もまた 共和党 に多大な投資 をした。投資への最初の配当は、すでに形になっている。 米連邦議会は先週、来年 9 月までの予算案を可決 。そこには、 金融規制強化法の1条項を後退させる内容が含まれていた 。
この 後退 は重大ではあるが、改革に決定的な打撃を与えるものではない。だが弁解の余地は、まったくない。それはつまり、悪いやつらに報酬を与えるものである。
金融改革の目的 の一つは、 銀行が預金者のお金を使って大きなリスクを取ることができないようにすること だった。なぜなら銀行預金には保険制度がある。もしも銀行が自由にばくちを打てるなら、「 どっちに転んでも必ず銀行が勝ち、納税者が負け」という土俵 で勝負できることになって、「 モラルハザード 」を引き起こす。 金融規制強化法 は、このような「 モラルハザード 」 を様々な形で制限しようとした。
A 氏 : 政府が保証する資金でウォール街にばくちをさせることには誰も反対であるはずだね。
私 : 金融規制強化法の1条項を後退させる内容 が含まれていたというわけだが、案の定、 予算案に盛り込まれた規制緩和 の文言は、米シティグループ がそっくりそのまま執筆したもの だった。
繰り返すが、先週の出来事それ自体は決定的なものではなかった。しかし、金融改革のすべてではなくとも多くを 後退させる戦いの、最初の小競り合い ではあった。来たるべき戦いで誰がどの立ち位置につくかを知りたければ、 お金の流れ を追えばいい。 ウォール街が主に共和党 に献金している のは、理由があるのだ。
経済を破綻(はたん)させた人々が、またぞろ同じことをするチャンスを探している。しかも彼らには 強力な味方 がいる。 ウォール街 の夢をかなえるために可能な、あらゆることをやってくれる味方がいると クルーグマン氏 は指摘している。
まだ、先は不透明だね。