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今週の日曜書評 で興味を持ったのは、下記の 2点 。
1. 『明治大正史』(上・下) 中村隆英〈著〉、原朗・阿部武司〈編〉・ 評・保阪正康(ノンフィクション作家)
著者 は総じて 明治草創期の元勲たちに好意的 だが、とくに 伊藤博文 には「 やらなければいけないとなったら、無理にでもそういう政策をちゃんと実行するところがあった 」と評価しているという。
立憲主義は西園寺公望や原敬に引き継がれたとの見方 が貴重。
さらに 日本の近代化 は 他のアジア諸国 とは異なり、 日本は攘夷を捨てて開国を決める や、「 (欧米のように)なろう、学ぼうという姿勢をとる 」という。
日本のリーダーたちが揃って西欧化を目指すところにこの国の強さと弱さが露呈 しているという。
明治天皇 が他の天皇と異なり、なぜ 大帝 と言われるのか、その分析もユニークという。 。 御前会議でも表だった発言はしないで権威や貫禄を保つ、沈黙こそが有力な武器 であった。
それを意識しつつ 臣下の者 は懸命に職務をこなす、「 結果として、明治時代は大きな間違いが起こらずに済んだ 」と指摘。
上下2巻の大著 なので、書評を読むだけにとどめる。
2. 『世界の権力者が寵愛した銀行』 エルヴェ・ファルチャーニほか〈著〉・ 評・諸富徹(京都大学 教授・経済学)
「 事実は小説より奇なり 」とは、まさに 本書 のことを指すのかと 評者 は言う。
これは、 世界最大級の銀行HSBC から、 約13万人分の機密顧客リスト を引き出した 元行員の物語 だ。
各国政府によるHSBCへの訴追 、 巨額罰金 へとつながり、 スイスの銀行の守秘性に大打撃を与えた という。
銀行の中 を、巨額の「 汚れた金 」が通って タックスヘイブン へ向かう。
EU法令すら脱税を合法化し、銀行はそれを活用したサービスで儲けていた のだ。
目も当てられない この惨状 を知り、 著者は銀行と対決する途を選ぶ 。
彼 は HSBCの機密データ引き出しに成功 したが、 フランスの捜査当局 が動き出すと、なんと サルコジ大統領が出てきて潰した。
命を狙われスイス政府からも情報漏洩 罪で追われた著者 は、 スペイン に逃れ、 投獄 された末、 自由を勝ち取る 。
大統領選でサルコジが敗れオランドに代わる と、 捜査は再び進展 。
彼の持ち出したファイル は HSBCによる脱税幇助の決定的証拠 となり、 巨額の脱税回収を可能にした という。
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