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私 : 悪い方へ悪い方へと回り続ける歯車 を だれも止められない気分 が世界に広がる。
現代の世界の 閉塞状況 の 読み解き に挑んだ フランスの知識人、エマニュエル・トッド 氏に インタビュー した記事だ。
A 氏 : 前半の見出し は「 薄れる宗教的信仰 」「 壊される国家 」「 夢失われた社会 」で、 後半 は「 自由や平等、偽るのはやめ、真の危機を見よ 」とあるね。
私 : 中東のシーア派とスンニ派の戦争 は 新たな宗教戦争 でなく、 イスラム圏でも宗教的信仰は薄れつつあり 、 人々がその代わりになるものを探している中で起きている という。
「 イスラム国」(IS )も イスラムではなく、彼らはニヒリスト で、 あらゆる価値の否定、死の美化、破壊の意思で、宗教的な信仰が解体する中で起きているニヒリズムの現象 だという。
中東 で起きているのは、 家族制度により、国家より縁戚関係の方が重みを持つアラブ圏 で 国家を築いていく難しさ と、 米国などの新自由主義経済に起因する国家への中東の敵対的な考え方の相互作用の結果 とみる。
A 氏 : 昨年1月のテロ直後 に 数百万のフランス人がデモ に繰り出し、 抵抗の決意表明として内外で称賛された が、 デモに繰り出した人の割合が高かった階層は中間層 で、 それは第2次大戦中のビシー対独協力政権を支持した地域、階層でもある と、 トッド 氏は 指摘して非難の的 になった。
氏 は「 リベラルな価値の表明というが、実際はイスラムの預言者 ムハンマドを『コケにすべし』と呼びかけるデモでもあった 」という。
私 : 宗教的信仰 だけではない。
未来への夢 も含み、 人々がみんなで信じていて、各人の存在にも意味を与える、そんな展望が社会になくなった という。
そのあげく 先進国で支配的になったのは経済的合理性。
利益率でものを考えるような世界 で、 経済は手段の合理性 をもたらしても、 何がよい生き方かを定義しない 。
A 氏 : フランス では 移民の差別 をしておいて、 自由や平等などを叫んで、偽る のはやめようというわけか。
私 : この段階 で取り組まなければならないのは、 虚偽からの脱却 。
お互いに うそ をつく人々、自分が何をしようとしているかについて うそをつく社会 。
自分を依然として自由、平等、友愛の国と嘘をいう社会 。
これは知的な危機だ と トッド 氏は指摘する。
この点、 ピケティ 氏の 「 政教分離と不平等 フランスの壮大な『偽善』 」 と似た見方だね。
トッド 氏は言う「 フランスはおかしくなっている。ドイツ人ほどきまじめではないことが救いか 」と。