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私 : 「 国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない 」と、 森元総理の壮行会での発言 が問題になっている。
そこで、 スポーツと国家、個人のかかわりを、改めて考えたい として、この「 耕論 」で 3人の識者の意見 を聞いている。
A 氏 : 元サッカー日本代表主将、ガンバ大阪ユース監督の 宮本恒靖 氏は、 初めて国際試合に出たのは 高校2年になる春で、17歳以下の日本代表 に選ばれた。
サッカーの国際試合 では、 キックオフ前に両チームの国歌 が流れるが、 その初めての代表戦のとき、宮本氏は歌わなかった 。
歌いたくなかったということではなく、理由は特になくて、慣れていないことが大きかったような気がする という。
その後、 A代表 にも選ばれ、 何十試合と国際試合を経験していくなかで、歌うようになった という。
私 : 国歌が流れるのは、国際試合ならではのこと で、そう考えると 代表のユニホームを着られる喜び、誇り、そういうことを感じる瞬間 なので、 自然と声が出るようになった という。
ただ、 胸の中の思いは選手それぞれ だし、 どう表現するかも人によるもの で、 黙って目を閉じて、国歌を聞く選手もいる し、その瞬間にどう振る舞うかは、意思の自由。
心を一つにするため にみんなで歌うという方法もあるかもしれないが、 ルールを決める必要はないと思うと宮本 氏は言う。
代表にいたとき、 協会や監督から言われたことはないし、自分が主将のとき、決まりを作ろうとも思わなかった という。
選手としては、使命や期待に応えるのはプレーで、いかにチームや個人としてしっかり力を出すか、代表の役割もそこに尽きる と思うという。
A 氏 : プロ野球解説者、元参院議員の江本孟紀 氏は、 スポーツ選手は君が代 を歌うべきだと思う という。
国際試合であれば、なおさら。相手の国への敬意を示す意味でも、自分の国の国歌に対して知らん顔というのはおかしいことだ という。
民主党の参院議員だった1999年 、 国旗・国歌法案に賛成し、党内には反対の議員も多かったが、国旗・国歌特別委員会でも、賛成の主張をした という。
国際的にスポーツ活動できるのは 税金で助成 してもらったり、税制上の優遇を受けた学 校などのスポーツ施設 を使ったりしたからのはずで、 もう少し社会や政治とのかかわりに心を寄せて、国に関心を持ってほしいものだ という。
A 氏 : 武蔵野美術大学教授の志田陽子 氏は、「 五輪憲章」を基礎 にコメントしているね。
憲章 は 第6条 で「 オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない 」と明記し、 競技者個人を参加主体としている点に着目 している。
国別のメダル獲得数がマスコミで報道されている が、 同憲章では、国際オリンピック委員会 と組織委員会が国別のランキングを作成することを禁止しているという 。
国ではなく、選手とチームが主体 。
私 : ナチスドイツ に顕著に見られたように、 国民感情を都合よく操作するために、権力者が芸術とスポーツを利用し、個人より国家を重視 していた。
「 五輪憲章 」は、 こうした反省の上に立っている のだとして、 森元首相の「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」との発言 は、大変残念なことで、 オリンピックの精神から、権力が個人の心の中に入り込むことがあってはならない し、 国歌を歌うか歌わないかは、選手に任されるべきだ という。
スポーツや文化活動にはお金もかかる し、 民主的な決定に基づいて国が公的にサポートするのはすばらしいことだ が、しかし、その場合も、 国はあくまでも応援団に徹するべきだ という。
マスコミ は、 国別メダル獲得数を大きくとりあげるよりも、個別の競技内容の戦いにおけるチームや選手個人の努力の結果に焦点を合わせるべき だろうね。