つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

PR

×

Calendar

2011.07.23
XML
カテゴリ: 海外文学
主人公は光源氏と同じで架空の人物。どうしようもない女誑しの無神論者で、修道女をかき口説いて結婚したかと思うや、旅に出るとか口実をつけて新婦を置いて逃げ出し、逃げ出した先で田舎娘二人を同時に誘惑し、恥をかかされた妻の兄弟から追われ、最期は天罰覿面よろしく雷に打たれて死ぬ。そんな男が描かれています。

岩波の表紙には、貧者に施しを与えるとか、襲われている男を助けるとか、もう少しいいところも書いてあります。前者については読んでいただければわかりますが、既成のキリスト教道徳的価値観への反逆という意味で、非常に興味深いところがあります。受け狙いのやっつけ仕事で先行作品をつぎはぎしたテキストであることが一読してよくわかるにもかかわらず、作品に一貫して流れるこの反逆精神によって、ドン・ジュアンの像は永遠のものとなっています。

後者については、助けた男が実は妻の兄だったことがわかり、その後のドタバタ喜劇へとつながっていきます。ドタバタ喜劇。そうです。最期にお約束のように主人公が死ぬのですから本来は悲劇であるべきにもかかわらず、全体を流れる基調は明らかに喜劇です。ここで重要な役割を担うのが主人公の召使、スガナレル。放蕩貴族とスガナレルのやりとりは、まるでドン・キホーテとサンチョ・パンサの戯画のよう。もともとドン・ジュアンはスペインの伝説上の人物ですから、丁度いいかもしれません。

そうそう。
この戯曲の喜劇性を決定的にしているのも、主人が死んだ後のこの召使の台詞であります。文庫にして百頁足らずの短い戯曲ですから、お暇な折にどうぞお読みくださいませ。


《河出書房》モリエール 鈴木力衛/井村順一他訳世界文学全集3-6 モリエール タルチュフ/ドン・ジュアン/怒りっぽい恋人他 …グリーン版 【中古】afb






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.07.24 17:45:09
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: