「運命の日」



2003年11月21日。
私がいつものようにパパの帰りを待ちながらPCをしていると
明け方4時頃、突然インターホンが鳴った。
時間が時間なので、恐る恐る出てみると2人の制服を着た男性が言いました。

「警察の者です。ご主人が事故に遭われたので急いでこの番号に連絡して下さい」

パパは運送会社で夜間のトラックの運転手をしていた。
驚いて同居している義母を起こし、小さなメモに書かれた番号に電話する。

「奥さん一人で警察まで来れますか?」

と言われたが車の運転ができないので、タクシーで行くと告げると
パトカーで迎えに来てくれるとの事。
電話でパパの容態を聞いても

「とにかく大きな事故ですから」

と全く教えてくれなかった。
不安で胸が押し潰されそうになりながらも…
とにかく、財布と健康保険証だけ握り締めて迎えを待つ。
異様な雰囲気に寝ていた子供達も起きてしまう。
義母に子供達を預けて、やっと到着した警察の車に乗り込んだ。

車中でも気になるのは主人の事ばかり。ここで容態を聞いても

「担当者に言われて迎えに来ただけなので知りません」

とやはり教えてくれない。
途中、事故で道路が通行止めになっていたので不安の余り

「まさか、この事故に主人が関係あるんですか!?」

と聞くがやはり教えて貰えなかった。
その道路を通る事ができれば警察まですぐそこなのだが、
通行止めになっていたので回り道をする様子。
1分1秒でも早くパパの元に行きたい気持ちでいっぱいだった。
片道30分程度の距離なのに何時間にも感じられた。



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