桜餅の館

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2006年08月27日
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カテゴリ: ファイア村
ガーリィ(困り) ガーリィ「今日も元気にレッツラゴーw……と行きたいんだけど、……今日は2人とも来そうにないやっ(汗 …訳は下にありますので察して下さいませ…(何」


 それは昨日の深夜のコト、ドンすけの家の前に、村のバトルチームのレギュラーメンバーとガーリィが集まっていた。
「──私の言っているコトは至極当然の筈だ」
 ボルタ(モココ♀)はドンすけを見据えてそう言い放った時、その場はしんと静まり返った。
「…つまり、…ドンすけの順位を5位にまで落とせと?」
「その通り」
 ボルタが目を逸らさずに頷くと、ウィン(ウィンディ♂・キャプテン)は目を瞑った。──成る程、こいつは本気だ…。
 村のバトルチームのレギュラーは5人。毎年秋に行われる村対抗のバトル大会──通称『ポケカップ』の代表に選ばれるのだ。現在彼らの村であるファイア村での順位は、トップにキャプテンのウィン、次にドンすけ、そしてボルタ、ミスト(ラプラス♂)、ホーンという順番だった。
 …が、最近ドンすけの調子が芳しくなかった。どうにもこうにも勝てなくなってしまったのだ。それを理由にNo.3であるボルタが動いたのだ。
「…けっ、けどっ、何でっ?何でそんなコト平気で言えるのっ?」
 ホーンは慌ててドンすけを見るが、疲れ切っているのか顔に覇気が無い。
「ホーン、チームバトルは遊びではない。実力が無いのに上に居座られてもこっちとしても困る。…それにまだレギュラーを狙ってる奴らが居るんだからな?いつ自分がベンチメンバーに落ちるかなんて分かったものじゃない」
 嫌な空気が流れる。何よりボルタがずっとドンすけの順位に納得してなく、今回のタイミングでそれが爆発していたのだ。…出来る事ならこの場から立ち去りたかった。
「…今はまだ本調子じゃないんだよっ、…まだ2ヶ月先でしょっ?そんなに焦るコトなんて無いよ!」
「………ホーン…」
 ホーンも負けてはいない、一歩も引かずに面と向かってボルタに言い放つ。当事者のドンすけは唯見ているコトしか出来なかった。
「2ヶ月なぞあっという間だ、…そんなコトを言う余裕が、お前にもあるのか?」
「僕に…?」
「お前だって去年レギュラーに持ち上がったばかりだ、…またベンチに戻る可能性だって十分あるんだぞ?」
「……っ」 何も言い返せない。第一、去年までチームにすら入っていなかったホーンには何も言えまい。
「…ドンすけ、お前は何も言い返さないのか?」
「………俺には……何も言えねぇ……」 肩を押さえたまま力なくドンすけが呟く。
 すかさずホーンは叫んだ。 「…どうして?『俺は大丈夫だ、別に弱くなった訳じゃない』って言えば済む話じゃないの?ねぇっ?!」
「………」
 今にも掴み掛からんとする彼に、ドンすけは答えなかった。
「…?!何で何も言わないのっ、ねぇっ?!」
 スッとウィンが間に入りホーンを制した。 「…よせ、それ以上は──…」
「………だって………!」 彼の心はやり切れない気持ちでいっぱいだった。信じられなかった。尊敬してたのに。義理の兄弟だってコト以上に、一人の目標として尊敬してたのに──…。そう思うと涙が溢れてくる。
「──ドンすけの…馬鹿っ!!」
 ホーンはそう叫ぶと隣の自分の家へと飛び込んでいった。
「あっ、待ってよホーンっ!」 慌ててガーリィが追いかけていく。
 そんな光景を尻目にドンすけは俯いてしまった。 「………」
「……ボルタ、……納得しないのは分かるがこれではホーンまで──…」 心配そうにミストが言った。
「私の言ったコトが嘘とでも?…大体、本来実力制だったのがいつから崩れてしまったのか私には疑問なのだが」
「ボルタ」 ウィンが目を光らせる。
「…別にホーンに実力が無いとは言っていない。むしろ今一番頑張っているのはあいつだろう?…誰の目にも明らかだ」
「…確かに」 ミストが頷く。
「…しかしドンすけ、…お前はどうだ?いつの間にか自己鍛錬を怠ったのではないのか?…カフェとやらにばかり行って──」
「──そいつは違ぇ、…ボルタ」 「俺は遊びに行ってるんじゃねぇ、…自己鍛錬だって怠ったつもりはねぇし、…第一今の不調はそれが原因なんかじゃない」
「──それを否定する証拠は?」 ボルタはドンすけを睨み付けた。
「………ねぇ」 ドンすけは悔しそうに唇を噛みしめる。
「だろう?」
「──けど此処以上に強い連中とも戦ってきた、特殊能力のある奴らとも──」
「問答無用だ!」 ボルタが面と向かって言った。ドンすけだけでなく、ウィンやミストまでもが一瞬たじろぐ。 「──それなら何故だ?最近の敗戦の原因は?そんなに強い連中と戦っているのなら尚更おかしいだろう?」
「……、……だからそれは──」
 しかしボルタはドンすけの言葉に耳を傾けさえしなかった。 「言い訳など結構。……どの道実力制だ、その規則に則ってお前を格下げする!」
 ──その声だけが夜空に響いていた。




ガーリィ(困り) ガーリィ「……てか本当にボルタ恐っ…;。o0(…あれでも♀…?)(ぁ(汗汗汗」





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最終更新日  2006年08月29日 06時15分20秒
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