日々のあれこれ
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母 91歳 2年前までは一人でお風呂に入って、髪の毛も体も全部一人で洗う事ができました。ある日、湯舟に浸かったまま居眠りしてしまい、溺れ死に寸前のところで家族に発見されて、幸い一命を取り留めました。 あの日以来、絶対に一人ではお風呂に入らないように、家で入る時は必ず私と一緒に入るようにしてきました。それもだんだん大変になってきて、近頃は週3回のデイサービスだけが唯一のお風呂タイムでした。 溺れる前の母は、デイサービスでお風呂を済ませても、夜には必ず家で入っていたので、回数にすると、週に10回はお風呂を楽しんでいました。生まれながらのお風呂大好き人間でした。 そんな母ですが、5月23日未明、家の中でひっくり返り左大腿骨を骨折してしまいました。朝 私が起きて来るまで、母は一階の母の部屋で我慢していたようです。何時頃 何処で どのように転倒したのかも分かりません。母の痴呆は、一人でお風呂に入らなくなった日から急激に進んでしまいました。 転倒した時に何故直ぐに呼ばなかったのか と問うと、起こしたら迷惑をかけるので明るくなるまで待っていた と答えました。 ゴミ箱に捨ててあった紙オムツはおしっこで随分重くなっていて、発見した時の母は下着をつけていませんでした。ずぶぬれのオムツを脱いでゴミ箱に投げ入れたまでは良かったのですが、骨折しているので身動きがとれず、オムツが入っている押入れまで手が伸びなかったようです。 ベッドの下で手も足も顔も冷たくなって震えていました。 救急車で病院へ運ばれ、5日後に手術をしました。今まで何度この光景を見たことか・・・ 入院をすると必ずやってくるのがボケです。これまでは何日かすると、徐々に元に戻っていた母ですが、今回の入院はそうは行きませんでした。90歳を過ぎてからの骨折、入院、手術。頭も体もそう簡単には順応してくれません。足を骨折したことも、救急車で運ばれたことも、手術したことも、病院のベッドで寝ていることも、母には理解できていない。全てが夢の中の出来事のように、今の母には全く現実味がないこと。 頭はボケたままで話もチグハグですが、どうにか復活しました。 病院を6月末に退院して、そのまま即、介護老人保健施設に入所しました。何度も何度も説明しましたが、母はその時家に帰れると思っていました。施設に預けることは今の私達にとっては仕方のないことと納得しつつも、やはり後ろめたい気持ちはありました。 週に2回、洗濯物の交換に通っています。今日も交換に行ってきました。廊下で私の姿を見るなり、あの勝気な母が声を殺すように泣き出しました。 母の泣く姿を今まで見たことがなかったので、 瞬時に母の寂しさが伝わってきて、私も泣いてしまいました。 いつもは10分ほどで帰るのですが、今日は40分ほどお喋りしてきました。古い携帯電話で、母が一生懸命喋る姿を30分ほど動画に撮りました。30分の間に母は何度涙ぐんだことでしょう。その度になだめたり励ましたり。 一人娘の私を目の前にして、 「アンタは私の娘やったか?」 と首をかしげる母。「そうえ、私はお婆ちゃんの一人娘え。」 と私。このやり取りが母にとって余程情けなかったのでしょう。母は両手で顔をかくして泣きました。ボケと正気の狭間で母は一人もがいているようでした。 もう91歳。お婆ちゃんだけがボケてるのと違うえ、ここにいる人 みんな一緒。年がいったら仕方ないねん、泣いたらあかんえ。 母の冷たくなった手を握ったり、腫れてパンパンになった足をさすったりして母を元気づけました。 こんなに後ろ髪引かれる日になろうとは思いもしませんでした。 家に帰って一人で母の動画を見ながら、声を出して泣きました。
2015.07.07
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