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2004年04月12日
早く解決してほしい
(2)
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まだ解放されない。
僕の友人たちもデモをしたり、署名をしたり、さまざまなことを
しています。ほんとに頭が下がります。
「スローイズビューティフル」の著者であり、僕もはいっている
ナマケモノ倶楽部の世話人の辻信一さんがこんなことを書いていました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まず、人質の解放のために祈ったり、行動したりしている皆さん
に敬意を表します。
とにかく今大事なことは、こんなふうにイラクを含むアラブ、
ネットワークを駆使して、ぼくたちの思いをどしどし伝えること
だと思います。
きくちゆみさんや星川淳さんなど国際的なピースムーブメントと
つながっている方々にも相談してできることは一緒にやりましょう。
メッセージを9LOVEとして出したいです。
いろいろ考えてみたけど「9」以上のメッセージはないのではな
いか。憲法9条のアラビア語版に英語版をつけて、アラブの人々
みんなに届けたい。これがぼくたち日本人の真意だ、と。
ぼくたちは自衛隊派遣に反対だ。
自衛隊をすぐにでも帰すべきだと思っているし、そのためにでき
ることをやっていくつもりだ。
の集団だって。
ぼくたちはこういう政府を倒して「9」な国をつくりたい、今度の
選挙では自衛隊派遣に賛成したり、9条をやめてもっとちゃんと
した軍隊をつくっておおっぴらに派兵できるようにしたいと思っ
ている政治家を落選させたい。
援であり、「国際貢献」だと、信じている、と。
人質にとられた3人についていろいろ読みましたが、どうや
ら9LOVERのようですね。
彼らのイラク行きの真意をなんとかできるだけ伝えたいもので
すね。今伝えられているように彼らが自衛隊撤退を願っている
人々なら、その点では犯人の思いとも一致しているわけですから。
犯人やその背後にいる人たち、その周囲にいる人たちに「9」を
知らせたい。囚われた3人を含む多くの日本人の真意が「9」に
こそあって、イラクの自衛隊という存在の中にはないということ。
しかし、彼ら3人を英雄扱いするのにはぼくは反対です。
彼らの行動に敬意をもちますが、しかし、それは日本も含め世界
中で様々な社会活動や環境活動などに参加して、それぞれができ
ることをやっている人に敬意をもつのと同じ意味においてです。
イラクに行くことが、ケニアにいったり、コロンビアに行って活
動するより優れているわけではありません。
石原慎太郎が「本人たちも覚悟はできているだろう」という趣旨
のことを言ったそうです。まあ、彼の言いそうなことで、そこに
は政治家や軍人特有のゾッとするような冷ややかさを感じます。
しかし、にも拘らず、彼の言っていることは間違っていない。
彼ら3人はやっぱり覚悟して行ったのだと思うのです。
彼らはある日突然平和な新潟の海岸で拉致された人たちとは違う
だろう。単なる被害者ではないのです。それは殺された外務省
の人々が単なる被害者ではないのと、同じではないが、通じてい
ます。それはまた、ぼくたちひとりひとりにもますます「覚悟」
が問われるようになっていることをも意味している。
自衛隊を送ったのは政府ですが、そんな政府をいただき、支え続
けているのは国民ですから、ぼくたちもまた、「覚悟はできてい
るだろう」と、何かの時には、政治家や軍人に言われることにな
るでしょう。 そんな未来は実はもうすぐそこに来ている。
だからこそ、彼らがどんな思いで、何をしにイラクに行ったのか
ということを伝えることが大事だと思います。彼らが今表現でき
ない分まで、表現してあげたい。とはいっても彼らはぼくたちの
代表というわけでもないし、彼らをぼくたちが代弁することもで
きないわけだけど。しかし、せめて彼らが抱いているだろう、
たぶんぼくなどよりも真摯で強烈な思いにつながるようにして、
イラクには行けないけど米軍や自衛隊の撤退を願っている、
9LOVERとしてのぼくたちの思いを少しでも多く届けることはできる。
ぼくの学生たちもかなり動揺していて、政府への要請メールなど
を書いたり、活発に動いています。
それに水を差したくはないのですが、やっぱり自分が違和感を感
じることがある時はそういうことを言っておくのも大事だと思います。
例えばある人のアピールの中に、
>今回の拘束・脅迫という行為は、憎むべきものであるが、
>これを引き起こした責任は日本政府にある。
>拘束された3人の生命の責任はすべて日本政府にある。
というくだりがありました。とても気持ちはよくわかります。
しかし、本当にそうでしょうか。
責任はすべて日本政府にあるのでしょうか。
こう言われれば、政府は、そして石原慎太郎は、「政府はむしろ
行かないように言っているのに勝手に行ったんでしょ」と言うだ
けです。責任はすべて政府にあり、という言い方は、ぼくは3人
の人々の思いの深さや行動力にふさわしくない、いやむしろ3人
に対する侮辱にもなりかねないと思う。
ぼくはそう想像するのですが、彼らは政府なんかに当てにしな
いで、政府とは別に、自分のやり方で、自分の信念に基づいて
行動を始めようと考えたのではないか。
別の言い方をすれば、政府に責任などとれるわけがないのです。
あんな軽薄な日本の首相は、多分今彼がやっていることの結果に
ついて1%も責任をとりはしないでしょう。
ぼくは最近自分の家のすぐ近くで道路工事のために山がひとつ
消滅して、気が滅入っています。こういう暴力の責任をいったい
誰がとるのか。責任がどこにもないようなシステムなんです。
環境破壊や戦争で政府が責任をとったことがありますか。
それはぼくたちがそういうシステムの一部となってそれを支えて
いるということでもあり、ぼくたち国民が政府が当然取るべき
責任さえとらせてこなかったということでもあります。
それは、まあ、ぼくらの責任です。
戦争をする権利を政府から奪ったのが憲法9条ですね。
その権利を今まさに日本国民は放棄しようとしているんですから。
ぼくたちはぼくたち自身にまずあきれるべきです。人質になった
3人は、自分なりに責任を引き受けるつもりだったんじゃないか、
とぼくは想像します。単に災難に巻き込まれたわけではないん
です。無論、イラクに行くことだけが責任ある生き方だとぼくは
思わない。この巨大なシステムの中に生きながら、ひとりひとり
が責任のとれなさを自覚し、その痛みにうたれながら、しかし、
自分なりのしかたで責任を引き受けて生きる。ぼくの友人で水俣
の漁師の緒方正人さんの言い方を借りればそうなります。
そういう生き方を志すものとして彼ら3人とつながりたい。
政府を当てにしないで行動した人たちを救うために、ぼくたちも
やはりなるべく政府に頼らないでできることをしたいと思います。
戦争は膨大な無責任です。全く責任がとれないばかりか、とれな
いことを正当化し、合法化しさえする。だからこそ戦争はしちゃ
いけないんだと思う。正義,不正義ということばがたくさん使わ
れるアピールも違和感を感じます。ブッシュが多用するような
そんなことばはなるべく使いたくない。
正直に言いましょう。
ぼくはアメリカを始めとする世界の権力がこの一年そこそこのう
ちにでっちあげた「イラク・ストーリー」そのものになるべく関
わりたくない。参加したくない。そしてそこに巻き込まれてまる
でそれが中心に世界が動いているかのようなCNNをはじめとし
た主流メディアに翻弄されたくない。
また、そう思って「ナマケ」ている人たちを、活発にピースパレ
ードに出たりして活動している人を支持するのと同じくらいぼく
は支持したい。例えば山奥にいてこの「3日間」のことを知らな
いで過ごす人もたくさんいるわけです。人生とはもともとそんな
ふうだったはず。
今だって、え、イラクで戦争やってたの?イラクってどこ?みた
いな反応をする人は第三世界には結構いるものです。
そういうスローなあり方がむずかしくなって来ている。
インターネットで世界の権力をチェックしやすくなったという議
論もできるし、今回もインターネットのおかげで向こうの人にメ
ッセージを届けられるとも言えるけど、その一方では、権力の側
でも一層効率的に世界を自らの土俵にのせることができるように
なっているのも事実。
ぼくは例えばこの2年近く家でテレビを見ないようにしています。
この4月19日から25日までの一週間も、カナダのNGOの呼
びかけを受けて、テレビを見ないですごす「消テレ」、「ノー
TV」週間を呼びかけています。
どんなことが起こってもおかしくない情勢ですよね。
特にイラクでは。想像力がなかなかついていかない。
例えば自衛隊員が殺された、というニュースが朝刊の一面にのっ
ている朝は、ぼくは何を思うのか。皆さんはどうですか。正直言
うとぼくは多分、馬鹿野郎、殺されたくなきゃいかなきゃいい
だろ、と思うでしょう。冷やかだと思う。それっきりもうしばら
く新聞も見たくないだろうな。その死をめぐるありとあらゆる物
語が語られるでしょうから。家族も出てくるでしょう。昔の同級
生とか。英雄に仕立てようといろんな仕掛けが動くでしょう。
ある意味では、このうんざりするようなストーリーの山はすでに
現在進行中のストーリーの中に織り込み済みなんです。
その自衛隊員の死をめぐっての大騒ぎに向かって、実はもうぼく
たちはあらかじめ生かされている。その「熱さ」の中にいる。
その熱さからぼくは逃げていたい。そういうぼくは卑怯でしょ
うか。卑怯でもいいんです。加川良の歌の文句でいえば「女々
しく」ても、「女の腐ったのでも」いいんです。「青くなってし
り込みを」すればいい。
こういう大変な時ですが、いや、そうだからこそ、テレビのプラ
グを抜いてみませんか。浪費をあおるコマーシャルをボイコット
してみませんか。浪費の経済と戦争とは同じ根っこをもってい
ます。イラクでどんなに大変なことが起こっている時にも、今晩
、どこで誰とどんな食事をするのか、がぼくたちひとりひとりに
問われていると思うんです。お百姓さんたちは種まきを忘れませ
んよね。世界に何が起こっていても。
現実逃避、ということばがあります。
まあ、ぼくも最低限の情報を得て、世界の動きをぼくなりに把握
しようとは思っています。しかし、現実は新聞に載っていること
に尽きない。そんな当たり前のことがともすると忘れられている
のではないか。つまり食事をしたり、雑談をしたり、畑の手入れ
をしたり、といった現実を置き去りにしている人のことは現実逃
避とは言いませんよね。テレビのついている時間の方が、テレビ
のない時間より、「現実的」だと、ぼくたちは思い込まされてい
ないでしょうか。
テレビを消して、スローな時間をとり戻す勇気が、今、何より必
要なのではないか、とぼくには思えます。今ここの平和をつくる
ことを抜きにした平和活動は空しいでしょう。
今度の事件を通じて一層、「9」の意味が鮮明になってきたと感
じています。ひとりひとりがいたるところで、自分なりの「9」
を展開していく。米軍の兵士にも、アメリカに住む人々にも、
米軍に対するレジスタンスの闘士たちにも「9」を届けてゆこう。
「9」の種を、ゆっくりとしかし着実に、近く、遠く蒔いていき
ましょう。
3人の解放を祈り、それに向けてできることをしながら、しかし
ぼくたちの「9」は、まるでそれとは無関係のように過去から
未来へと淡々と、ゆっくりと続いている。
そんなふうであればいいと思っています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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最終更新日 2004年04月12日 19時56分34秒
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