ミステリの部屋

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2005年12月30日

学ばない探偵たちの学園：東川篤哉

(6)

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：日本ミステリ

この方の作品なので、コミカルなものだということは予想できましたが、登場人物一覧表から普通ではないという、期待に背かぬギャグ連発の学園物でした。
私には学園物、特に先輩後輩物というところがツボです。

転校生の赤坂通は非公認サークル・探偵部に入部させられた。
彼らの目前で起きた密室殺人。
被害者は、芸能クラスのアイドル目当てで侵入した盗撮カメラマン。
事件後には、妙な名前の刑事コンビが現れ、美術教師が勝手な推理を披露し、音楽教師が謎の言葉を残す。
我らが探偵部と顧問教師は犯人にたどり着くのか

最初の密室は「だんしがしんだいでしんだ」事件です。
保健室の寝台で男子が死んでおり、出入り口には鞄錠がかけられていましたが、窓は開け放たれていました。
そして窓の外は雨でぬかるんでおり、足跡がない、ということで密室成立。

探偵部部長の密室講義から犯人を導き出そうとするところは、かなりおかしな展開だと言えます。

この作品に登場するトリックは思いもつかないものですが、運も味方につけなければ無理だというところが気にいらない人もいるでしょう。
ただ、十分ユニークだし、色んなところにちゃんと伏線が貼ってあるところも、私は評価したいと思います。
現実にはありえないでしょうが……。

馬鹿馬鹿しさを素直に笑うことができれば、こっちのものです。