ミステリの部屋

ミステリの部屋

2006年05月22日
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カテゴリ: 日本ミステリ
鮎川哲也さんは、「本格推理」などのアンソロジストというイメージが強く、国内を代表する本格作家の一人なのに、その作品は余り読んだことがありませんでした。

鮎川さんの作品に登場する探偵には、星影龍三、鬼貫警部がいますが、もう一つのシリーズであるこの作品の探偵には名前がありません。

その探偵は銀座・三番館のバーテンです。


落ち着いた雰囲気の、いい店だ。
少し早い時間に行くと、達磨大師然としたバーテンがひとりグラスを磨いている。
常連の私立探偵は、依頼された仕事を持て余すたび、雑学の大家であるこのバーテンに知恵を借りに来る。
どんな事件も、たちどころに解き明かしてくれるのだから!
本格ミステリの巨匠が生んだ安楽椅子探偵、ここに登場。


【目次】 春の驟雨/新ファントム・レディ/竜王氏の不吉な旅/白い手黒い手/太鼓叩きはなぜ笑う


この作品にはパターンがあることを発見しました。

、ある人物が事件に巻き込まれる。

、私立探偵の「わたし」のところに、巻き込まれた人物の無罪を証明するための調査の依頼が来る。

、「わたし」が謎に突き当たり、調査に行き詰る。

、銀座にある会員制バー「三番館」で、バーテンに事件のことを話す。




こういうパターンだと油断していると、予想しない展開に驚くこともあるので、読み手をあきさせません。

時代背景はやや昔ですが、アイデアが豊富で、充実した面白さです。論理に徹した本格ミステリをじっくり楽しむことができました。

中でも「竜王氏の不吉な旅」はラストの一行の切れ味が素晴らしく、印象に残りました。




太鼓叩きはなぜ笑う :鮎川 哲也  楽天ブックスでは品切れです。



2003年にこういう本が出されたようです。
竜王氏の不吉な旅 竜王氏の不吉な旅 :鮎川 哲也
【目次】
春の驟雨/新ファントム・レディ/竜王氏の不吉な旅/白い手黒い手/太鼓叩きはなぜ笑う/中国屏風/割れた電球/菊香る/屍衣を着たドンホァン






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最終更新日  2006年05月23日 00時11分28秒
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