ミステリの部屋

< 新しい記事

新着記事一覧(全1108件)

過去の記事 >

2010年02月22日

映画「パレード」を観てきました

(8)

テーマ：映画館で観た映画(8594)

カテゴリ：たまには映画でも

息子に誘われ、行定勲監督の映画「パレード」を観てきました。
原作は吉田修一さんの同名小説です。

原作も読んだことがないし、ほとんど予備知識もないまま観に行きました。

都会のかたすみで、ルームシェアをして暮らす４人の男女。
彼らは2DKの2部屋を男部屋、女部屋として、干渉しすぎず気楽に暮らしています。

そこに、ストレートに物を言う男娼のサトルが加わり、少しずつ波紋が広がるように、それぞれの歪みが見えてきます。

何をしているのか様子が怪しい隣の住人のことや、近所で頻発する連続暴行事件のことなど、気がかりなこともあります……。

現代の若者の群像劇ですが、主役の５人の自然な演技のおかげで、とてもリアルに感じられました。

先輩の彼女が好きになってしまう大学生、良介……小出恵介

人気俳優との恋愛に依存するフリーター、琴美……貫地谷しほり

おかまバーに通う、深酒気味の自称イラストレーター、未来……香里奈

映画配給会社勤務の健康オタクでジョギングを欠かさない、直輝……藤原竜也

４人のところに転がり込む正体不明の若き男娼、サトル……林遣都

ネタバレになるので、これ以上ストーリーは書きませんが、緩やかに進んでいた話は、衝撃的な最期を迎えます。

ラストシーンにはゾッとしました。怖い話です。
けれども、しばらくすると、悲しく空しい気持ちになりました。

一番おかしいはずの人が一番まともに見えたから。

あまり関係ないのですが、合わせようと無理し続けて、仮面が剥がれて破たんした自分の友人関係のことを思い出しました。