学校で教えて欲しかった、こんな英文法!

学校で教えて欲しかった、こんな英文法!

2009年12月01日
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カテゴリ: 時制
Day 60 スマイル質問にお答えします。

質問:

Mom: Naomi told me that she wants you to help her with her homework sometime today.
Dad: I know,I'm going to do it this afternoon.


ある演習をやっているときに上記のような英文が目に入ったのですが、ママの she wantsの wants はこのままでいいのですか?なんか辞書をみても何を見てもそこが過去形になっているのになぜ? 主動詞toldが過去形ならthat節内の動詞wantsは過去か過去完了になるのでは?


答:

ずばり、wantsはそのままでも 問題ありません スマイル
ここでは時制の一致を行うかどうかは 話し手の判断 です。


英語の文は主節と従属節の両方から成り立っていることがあります。このうち従属節とは、従属接続詞(when, because, althoughなど)、that節、または関係詞などに導かれ、それ自身に「主語+動詞」を含むものを言います。[イタリック体で示した部分が従属節です]


I knew that the bridge was safe .


They ran faster than we did .
(彼らは私たちよりも走るのが速かった)

She told her secret to me because she trusted me . 
(私を信頼していたので、秘密を話してくれた)


学校文法で習う「時制の一致」とは、上記例文のように、主節の動詞が過去のときには、従属節の動詞は原則として過去または過去完了にしなければならないという英語の基本ルールです。


しかし、時制は時間とは違って客観的・物理的な概念ではなく、あくまでも伝えようとしている事柄を話し手が時間軸のどこに位置づけるのか(現在より前なのか、後なのか)で決まるものです。


次のCGELからの例文を見てみましょう。

(1) Jill said that the payment was due on Tuesday.
Jill said that the payment is due on Tuesday.

(支払日は火曜日とジルは言った)


話し手の発話時に Tuesday (火曜日)がもう 過ぎていれば 、過去形 was Tuesday (火曜日)に なっていなければ 、現在形 is で表すのがふつうです。


したがって、次のような文になると時制の一致の原則が自動的に行われます。


Jill said that the payment was due yesterday.
(支払日は昨日だったとジルは言った) [ yesterday は発話時において既に過ぎている過去]


時制を一致させるか、させないかは話し手の判断に任されます。次の例文で検証してみましょう。


(3) Jill said that she has too much work to do.
(4) Jill said that she had too much work to do.

(やらなくてはならない仕事が多すぎるとジルは言った)


(3) は話し手が現在に視点を置いて、「ジルが今も仕事が多くて忙しい」とthat節の内容が 発話時においても成立している と考えているので has を用い、時制の一致をさせません。


(4) は話し手が said の表す 過去の時点に視点を置いている ので、この文を述べた時点においても「ジルは仕事が多くて忙しい」のかどうかは話し手の意識にないことを表します。このような場合には時制の一致が行われます。


そして、(3)の文に対して、 Does Jill still have much work to do?  (ジルはまだすべき仕事がたくさんありますか?) と聞き返せば不自然に聞こえますが、(4) の文に対しては自然な質問になりますね。


ではこのことを念頭に置いて、今回の問題を考えてみましょう。


Mom: Naomi told me that she wants you to help her with her homework sometime today.
Dad: I know,I'm going to do it this afternoon.


今回の質問文では、ママが現在に視点を置いて、「ナオミが今も宿題を手伝って欲しい」とthat節の内容が 発話時においても成立している と考えているので wants を用い、 時制の一致をさせていない のです。


さらにパパの「今日の午後、手伝うよ」という文脈からも、この発話時に「ナオミが今も宿題を手伝って欲しい」と思っていることが伺えますね。


もちろん時制の一致をさせても間違いにはなりません。あくまでも話し手の判断です。学校文法で習う「時制の一致」はあくまでも英語の基本ルールであって、 絶対ルールではありません


最後に、よく学校文法や参考書などに「不変の真理や一般的な事実は時制の一致を受けない」と説明していますが、これも必ずしも正しいとは限りません。


前述したように、時制を一致させるか、させないかは話し手の判断に任されます。


次の地動説「地球は太陽の周りを回転する」は不変の真理ですが、あくまでも話し手の意識によって時制の一致は行われます。


話し手が approved の表す過去の時点に視点を置けば、


Galileo approved that the earth went around the sun.


となり、時制の一致が行われますが、


話し手の中で「地球は太陽の周りを回転する」事実の視点を現在に置けば、


Galileo approved that the earth goes around the sun.


となり、時制の一致をさせません。


どうでしょうか、「時制の一致」に関するルール、スッキリしましたか?これから英文を読んだときに時制の一致がなされていなくとも理解できますねウィンク


後は「習うより慣れよ」、より多くの英文に触れ、「わかる⇒面白い⇒もっとわかる⇒できる」という循環を作っていきましょうね。

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最終更新日  2018年07月18日 02時22分07秒
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