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久しぶりに時代小説を読んだ。木挽町のあだ討ち [ 永井 紗耶子 ]永井さんは初読の作家。この作品は直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞している。芝居になりそうなくらい劇的だった木挽町の仇討ち。やり遂げた菊之助が故郷に帰りしばらくした頃、青年武士が芝居小屋周辺で仇討ちの目撃者を探していた。彼は菊之助の手紙を持っており、目撃者から仇討ちの真実を探ろうとするが…目撃者を探している彼は何者なのか?見事な仇討ちの裏には一体どんな真実が隠されているのか?目撃者たちは、芝居小屋で働く人達だがその来歴は様々で時代が抱えているやりきれなさを多分に含んでいて、作品に深みをもたらしていたと思う。面白かった。
2024.06.23
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私の父は、水彩画の教室に叔父と一緒に通っている。写生会などもするらしいが、基本的には写真を見ながら絵を描く。前に、富士山を描きたいと言うので、写真集をプレゼントした。富士山 [ 山下茂樹 ]この本は父に好評だった。先日、「また写真集を探している」と言う話をしていた。本屋にも行ったが、気に入ったものはなかったようだ。いい写真が素人の画材に適しているとは限らないのだと思う。図書館には、芸術的には素晴らしい写真集がいろいろあるが、父向きのものは見つけられなかったと言っていた。絶景を求めているわけでもないし。画材として出ている写真集は、描き方の説明もあったりするのだが、そういうものは違うと。父の好みは難しい…父の日も近いので、本腰をいれて、写真集を探してみた。自然色の輝き・心に残る風景 祖父江勝彦写真集/祖父江勝彦【3000円以上送料無料】父は風景が好きなので、風景写真集にした。昨日届いて、私が見た感じでは父の希望に合うと思うのだが。さて、気に入ってもらえるだろうか?
2024.05.15
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小市民シリーズの最新刊が出た。冬期限定ボンボンショコラ事件 (創元推理文庫) [ 米澤穂信 ]2004年刊の「春期限定いちごタルト事件」から始まって、「夏期限定トロピカルパフェ事件」、「秋期限定栗きんとん事件」そして、2020年の「巴里マカロンの謎」ときて、やっと冬期限定が出版された。春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫) [ 米澤穂信 ]その間に米澤穂信氏は直木賞作家にもなったので、この新作への期待は大きかった。私は、小市民シリーズのファンとは言えないが、今回の新作はとても面白く読んだ。先の4作を読んでいて、ずっともやもやしていたのは、主人公で高校生の小鳩くんと小山内さんが小市民でいようと互恵関係に至った経緯がわからないこと。それが今作でやっと明らかにされた。今回はいきなり小鳩くんがひき逃げされる。それも2人が出会った過去のひき逃げ事件の現場で。過去の事件と現在の事件が交錯して物語は進んでいくのだが、ページをめくる指が止まらない。最後まで、一気読みだった。小鳩くんを次善と呼ぶ小山内さんの過去に興味は尽きないが、小説としてはきれいな着地点に落ち着いたと思う。さて、7月からテレビ朝日系でTVアニメが放送開始と聞いている。「氷菓」もいい仕上がりのアニメだったし、同じ米澤作品の新作アニメはどんな描きかたになるのか楽しみだ。送料無料 氷菓 HYOUKA(11枚セット)第1話~第22話 最終【全巻セット アニメ 中古 DVD】レンタル落ち
2024.04.30
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電子書籍が出ていたので、買って読んだ。成瀬は信じた道をいく【電子書籍】[ 宮島未奈 ]成瀬は信じた道をいく [ 宮島 未奈 ]前作は幼なじみの友人の視点があったが、今作は成瀬に巻き込まれた人達(?)の視点で書かれていて、面白かった。成瀬の父の視点もある。小学生がゼゼカラ(成瀬が幼なじみと組んだお笑いコンビ)を発表のテーマに選んで調べ始めるが、同じグループに成瀬の良さは伝わらない。成瀬は実際変な人だし、小学生には理解しにくいかもしれない。でも、個人的には成瀬みたいな子が日本に増えるといいなと思う。京都大学生になったのに地元のスーパーでバイトをしていたり、観光大使になったり…アクティブだが、成瀬の場合、将来のためという視点ではないのがいいところ。とりあえずは、地元愛がどんどん範囲を広げている感じだ。さて、この話、続くのかな?
2024.03.23
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太田愛さんの作品は読んだことがない。書評を読んで、興味を持って、図書館で予約して、やっと順番が回ってきた。未明の砦 [ 太田 愛 ]現代の闇に迫った内容。非正規、派遣、正社員。同じ仕事をしていても立場が違うと見える景色が違う。でも、果たしてそうだろうか?全く接点のない様々な事情を抱えた工場勤務の4人の非正規雇用の男達が、同僚の死を目の当たりにして、労働組合を作ろうとする。会社は、政治家や警察官僚を使って、なんと、彼らを共謀罪で指名手配しようと画策する。これが通る世の中なら、恐ろしいとしか言いようがない。いったいどうなってしまうのか、一気読みだった。後味は悪くない。甘い結末かもしれない。でも、こういう希望は必要なのだと思った。さて、今日は念願のLRTに乗りに行く。諸事情により餃子はあきらめた。とはいえ、楽しんでこようと思う。
2024.03.14
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いいタイトルだなとまず思った。こういう突き抜けた感じが今の子ども達にはないような気がする。成瀬は天下を取りにいく [ 宮島 未奈 ]成瀬は中学2年の女の子。滋賀県大津市在住。夏休みは閉店する西武に毎日通いローカルテレビに映ることに決めている。目標を決めて、即実行。それが、成瀬で、どこにも忖度はない。この若さで郷土愛もある。なんとも清々しい小説だった。本屋大賞にもノミネートされている本作だが、最近続編も出た。成瀬は信じた道をいく [ 宮島 未奈 ]これは読まなくてはならないな。大学生になった成瀬を見てみたい。そして、成瀬には本人の希望通り二百歳まで生きてもらいたいと思う。
2024.03.04
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3日の日は、蔦屋書店で娘の付き合いだった。時間はやはり5時間くらい。娘は1冊読むのにそのくらいかかる。変な家2 ~11の間取り図~ [ 雨穴 ]因みに娘が読んでいた本はこれだ。私はこの本は読まないなと思いつつ、暇だったので、3冊読んだ。可燃物 [ 米澤 穂信 ]こちら空港警察 [ 中山 七里 ]お探し物は図書室まで (ポプラ文庫 日本文学 461) [ 青山 美智子 ]一番気に入ったのは、最後の「お探し物は図書室まで」だった。数年前の本屋大賞2位の作品だが、文庫本化されていたので読んでみた。ハートウォーミングな短編集で、お正月にはふさわしい感じがした。話は変わるが、空気が乾燥しているせいか、喉をやられて風邪気味だ。熱はないのだが、声ががらがらで仕事にさしつかえている。ツルハの薬剤師さんに相談したら、麦門冬湯をすすめられた。□【第2類医薬品】ツムラ漢方 麦門冬湯エキス顆粒(20包)【ツムラ漢方】【29】パブロンと併用できるか聞いたら、「だめです。」とのこと。素直に麦門冬湯だけ飲むことにした。今日で2日目だが、声はなおってきたので、効いているのかもしれない。さて、抽選の福袋は電話がないので、ハズレたようだ。それにしても、数種類の抽選を1つの箱に入れさせていたのだが、全部出して仕分けてから抽選するのだろうか?始めから、それぞれの箱に入れさせて、引いてもらったほうが、公正な気がするのだが…
2024.01.05
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やっと、ここまできたというのが正直な感想。これは経費で落ちません! 11 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫) [ 青木 祐子 ]主人公の森若さんは社内で起こる問題を消極的な態度で見事に解決してきたが、本人の恋愛についても同じような感じだった。いつ山田太陽との事が会社の人間にバレるのか、というか、ここまで隠さなくてもといいんじゃないかなと思いつつ、11巻まできてしまったのは、ある意味凄いと思う。周囲は好意的なのに、森若さん的にはなんだかめんどくさいことになっているのだが。とにかく一区切りな気がする。経理部の後輩が、山田太陽が森若さんの彼氏と知り、大変ショックを受けていたのが印象的だった。森若さんとおつきあいする人は、きっと職場にいるような人では納得できなかったんだろうなとは思う。まあ、結婚生活にまつわるあれこれをうやむやにしない森若さん。ちゃんと対応した山田太陽はえらかったと思うので、職場結婚でもなんとかなりそうではある。NHKドラマ10 これは経費で落ちません! オリジナル・サウンドトラック [ 安田寿之 ]それにしても、NHKのドラマがとてもよかったので、続編を作ってくれないかなと思う今日この頃だ。
2023.11.23
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椹野道流(ふしのみちる)さんは好きな作家の1人だ。法医学者と二足のわらじで、著書も守備範囲が広い。そんな著者の旅エッセイが知らぬ間に本になっていた。祖母姫、ロンドンへ行く! [ 椹野 道流 ]私は、この本のもとになった連載を読んでいた。昔、ロンドンを旅したことがあったのだが、たぶんその頃の話ではないかなと思った。ハーマジェスティーズシアター(今はヒズマジェスティーズシアター)で「オペラ座の怪人」をやっていて、ロンドンにまだ三越があった頃…この本は、80歳過ぎの祖母とまだ1人前とはいえない社会人の孫の5泊7日のロンドン2人旅の話だ。この孫が著者の若かりし頃。「イギリスに行きたい。お姫さまのような旅がしてみたい。」という祖母の願いを叶えるべく、彼女の息子達は飛行機のファーストクラスを手配し、5つ星ホテルに宿泊予約を入れる。人生最後の大盤振る舞いといったところだが、付き添いとして白羽の矢が立ったのは、イギリスに留学経験のある孫だった。孫は軽い気持ちで引き受けたが、高齢者との海外旅行は大変の連続。飛行機のCAやホテルのバトラーの助けで、なんとか祖母の要求に応える孫が気の毒だった。せっかくのロンドン旅行なのに、周囲には孫とは思われず、秘書かなにかだと勘違いされたまま。とはいえ、プライドが高くめんどくさい祖母の本質に孫が気付いたり、自己評価の低い孫を実は祖母は評価していたり…いい話がたくさん散りばめられている。宿泊先のホテルの従業員達が本当にプロフェッショナルだ。宿泊者の情報は常に共有され、希望は全力で叶えるというAIではできないサービスに心を打たれた。珠玉の思い出話をお裾分けしてもらえて、なんだか幸せな気分にもなった。この本の中のロンドンに行けたらいいのになあ。
2023.11.10
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ドラマも好調だが、22巻はなんともほほえましいエピソード満載だった。きのう何食べた?(22) (モーニング KC) [ よしなが ふみ ]ジルベールの結婚式は、思ったよりもあっさりだったが、シロさんのスピーチが素敵だった。出席していたジルベールの実母に、おうちの肉じゃがの作り方をを聞いて作ってと、しきりに言うジルベールがかわいい。シロさんの元カノのパン屋が移転することになり、朝食を和食にするためにシロさんは試行錯誤。ケンジが休みだからと作った朝食が愛情がこもっていて、感動的だが、シロさんはいつものシロさん。甘くなりすぎないバランスが絶妙で、読後感はとてもよかった。23巻は来年の夏発売らしい。それまで、元気に頑張るとしよう。
2023.10.25
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東野圭吾さんの最新刊を読んだ。あなたが誰かを殺した [ 東野 圭吾 ]閑静な別荘地での殺人。犯人は自首して死刑を望んでいる。ところが、動機もわからないし、辻褄が合わない事実もある。遺族でもある関係者が集まって検証会が催される。警視庁の警部加賀恭一郎もそれに参加することになるのだが…坂口安吾の「不連続殺人事件」をちょっと思い出した。テイスト的には、同じ著者の「白鳥とコウモリ」に似た印象だ。途中までは、面白かった。犯人がなあ…私の苦手なところ…あくまで個人の感想だが、なんだか残念。さて、次は何を読もうかな。やっと、読書の秋っぽくなった事だし、長編をじっくり読みたいと思う今日この頃だ。
2023.09.23
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久しぶりに、東野圭吾作品を読んだ。白鳥とコウモリ [ 東野 圭吾 ]あとから、東野版罪と罰と言われていると知った。なるほど…事件は、弁護士が殺された事件が発端になっている。被害者の娘の違和感、そして被疑者の息子の違和感が過去の殺人事件を掘り起こしていくという構図。視点が切り替わるのだが、謎解きに集中できる程度でしゃべり過ぎない。バランスの良さはさすがにベテラン作家だなあと思った。とても面白く読んだ。522ページもあると、なんとなく達成感もある。やっぱり小説を一気読みすると、気分転換になると再認識した。さて、次は何を読もうかな。
2023.09.15
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今年の本屋大賞で2位だった作品。スパイものというので興味を持った。ラブカは静かに弓を持つ [ 安壇 美緒 ]主人公の橘樹(たちばないつき)は、全日本音楽著作権連盟、通称・全著連の職員。入社面接の際、チェロが弾けると話した事を覚えていた上司に音楽教室への潜入を打診される。期間は2年間、授業の様子を録音し、これから行われるであろう裁判で証言をするまでが任務だ。断われるはずもなく、上司の指示通り、チェロの教室へ通うことになるのだが…主人公がトラウマに悩まされていて、診療内科に通院しているのだが、その原因とチェロが結びついている。自分では二度と触れるつもりもなかったチェロに触れるうち、閉じていた世界が開かれていく。チェロにのめり込んでいくのだが、スパイなのでどう始末をつけるのか想像がつかなかった。バッドエンドかと思いきや読後感のいい小説ではあったので、読んでよかったと思う。「無伴奏チェロ組曲」が聴きたくなった。図書館で借りてこようかな。バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) シックス・エヴォリューションズ [ ヨーヨー・マ ]
2023.09.07
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テレビ朝日で7月にドラマ化されると聞いたので、読んでみた。ノッキンオン・ロックドドア (徳間文庫) [ 青崎有吾 ]ミステリーの短編集だ。探偵は表紙の2人。得意分野が違うので、2人で一人前と本人も言っている。大学の友人に警察官と犯罪創作者(?)がいる。キャラが立っていて、ユーモアのある会話で物語が進むので、ドラマ向きだとは思う。リアリティーはあまり感じられないから、肩のこらない筋立てで楽しめるかもしれないな。主演の松村くんにはちょっと興味があるし。ノッキンオン・ロックドドア2 (徳間文庫) [ 青崎有吾 ]2もあるので、とりあえず読んでみるつもりだ。
2023.07.09
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旅行には、本を持っていく。電子書籍はもちろんだが、紙書籍も1冊は入れておく。今回は、直木賞をとった歴史ミステリー。黒牢城 [ 米澤 穂信 ]私はあまり戦国時代には詳しくない。黒田官兵衛は知っているが、荒木村重と言われてもピンと来ない。一緒に旅行に行った母は歴史好きなので、天正六年11月の状況もよく知っていた。とはいえ、知らなくても楽しめると思う。そう、これはミステリーだから。織田方に息子を人質にとられた黒田官兵衛が、籠城をする荒木村重を説得しにやってくる。説得に失敗すれば、斬られるのが常だが、村重は官兵衛を土牢に入れる。籠城中の城内で、人質が死亡する事件が起きる。城内の不満を収めるため、村重は官兵衛の力を借りることになるのだが・・・・・いわゆる安楽椅子探偵に黒田官兵衛が当たる。村重は、有岡城城主ではあるが、にわか城主ではあるので、家来の統率に苦慮している。問題が起こるたび、気心の知れない城主への不満と相まって城内に広まっていく。官兵衛はなぞ解きに協力してはいるが、何か思惑があるようで・・・・・実は、この本、直木賞受賞時にざっと読んでいた。あまり記憶になかったのだが、ざっと読む本ではなかったと今回つくづく思った。そこここにヒントはあって、ちゃんと読まないと楽しめない。再読の機会があって、よかったと思った。
2023.06.08
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映画は観に行けてないが、原作を読んだ。銀河鉄道の父 (講談社文庫) [ 門井 慶喜 ]宮沢賢治にはあまり詳しくない。周りにファンが多かったせいで、私は逆に興味が持てなくなった。ところが、最近、急に映像や本で取り上げられているものに触れる機会が増えた。この本もそんな一冊だ。読み終わって思ったのは、過保護な父親と我の強い息子だったのだなと。父親の政次郎は学業を続けたかったが、家業を継ぐしかなかった男。質屋は繁盛していたが、人からほめられる商売ではない。だからなのか賢治には商売は無理だと結局は好きにさせている。明治時代には珍しい父親だと思う。兄弟も優秀なので、生前賢治が世間的に評価されなくとも、家族だけはその偉業を理解できたのは幸いだった。賢治の生原稿を空襲から守った弟の話をNHKの番組で観たこともあり、感慨深くもあった。さて、映画を観に行きたいが、まだやっているかな?
2023.05.28
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昨日、予約していた本が届いた。きのう何食べた?(21) (モーニング KC) [ よしなが ふみ ]最新刊の表紙は潮干狩り。そして、帯。とあったので、調べたら、2023年10月に放送されることになったらしい。今から楽しみだ。21巻も面白かった。たまごのピザトースト、カロリーが凄いみたいだが作ってみたいと思った。次巻はいよいよジルベールの結婚式。シロさんに人生最大の試練が課せられるそうだが、さてどうなるのかな?
2023.05.24
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旅行には、必ず本を持って行く。今回は、浅田次郎さんの初ミステリー。長く高い壁 The Great Wall (角川文庫) [ 浅田 次郎 ]ミステリー作家じゃない人のミステリーを読むのがもともと好きだ。始まりは、坂口安吾だった。不連続殺人事件 (角川文庫) [ 坂口 安吾 ]これは映画化もされて、おすすめの1冊。クリスティの影響があるのかなと勝手に想像したりして、楽しめた。話を戻そう。浅田次郎さんの中国の歴史ものが好きなので、このミステリーの舞台も中国と知り、興味を持って、今更ながら読んでみた。時は1938年、場所は長城の張飛嶺(万里の長城)で、探偵役は従軍ペン部隊の探偵作家小柳逸馬。警備をしていた分隊10人全員が死亡するという事件の真相究明を任されたという設定。もともと1000人で守っていた場所に問題児ばかり30人が残され、10人ずつ3分隊での交代制になっていた。ちょうど交代時に死体が発見され、息のあった1人もやがて死亡。匪賊のしわざにしたい人間が多いなか憲兵隊の小田島曹長は矛盾点を正確に示す。小柳は様々な軋轢を解きほぐしてゆくのだが…こういう事もあったかもしれないなというのが正直な感想。昭和13年、まだ日本の軍隊には余裕があっただろう。戦場下で占領された側に起こる悲劇に憤る軍人がいてもおかしくはない。自浄作用があってくれたほうが救われると思うのだ。ミステリーとして見るととてもシンプル。この時代を選んで、血の通った群像劇に仕上げたことで、小説としてのカタルシスは十分味わえた。もっと浅田次郎さんの歴史ミステリーを読んでみたいと思った。
2023.05.12
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やっと読み終わった。たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫) [ 原田 マハ ]最初なんの話だったかなと思って読んでいたが、ゴッホが出てきたあたりで一気に読みやすくなった。そうこの本は、同じ時期にパリにいた林忠正とゴッホの交流を描いた小説だ。因みに二人に交流があったという記録はないらしい。これは小説だからできた物語。ゴッホの弟テオと林の部下シゲ(こちらは完全に創作)がうまく絡んで、ゴッホの報われなかった生前と日本の浮世絵の影響も浮き彫りにしている。印象派とジャポニズム、パリの美術界の変遷を美術商の目から見ることができたのが、この本の収穫だ。私は林忠正を知らなかったが、浮世絵を海外に流出させた事で歴史から葬り去られた人と言えなくもない。彼には興味があるので、もっと調べてみたい。読み終えた今は、たゆたえども沈まず、はとてもいいタイトルだなと思った。
2023.04.30
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原田マハさんを読むのは2冊目。今度はお仕事小説といっていいと思う。本日は、お日柄もよく (徳間文庫) [ 原田マハ ]あとがきにもあったが、印象に残った言葉は私も解説者と同じだった。「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙が止まっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。」この小説では、何回か泣かされたが、心を打つ言葉の力は今さらながら凄いものだと思った。物語は、幼なじみの披露宴で聞いたスピーチが忘れられなくてOLを続けながらスピーチライターに弟子入りすることになった主人公こと葉の成長を描いている。登場人物は、いい人ばかりで、ストレスフリー。後味のいい小説だった。たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫) [ 原田 マハ ]こちらも読もうと思ったのだが、なぜか進まず。同じ作家さんでも得手不得手があるものだなあと実感。とはいえ、購入した本なので頑張って読もうと思う。
2023.04.27
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先日、本屋大賞が発表になった。大賞は、凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」だった。二度目の受賞。前回は、映画にもなった「流浪の月」で、こちらはいちおう読んだ。汝、星のごとく [ 凪良 ゆう ]2位は、安壇美緒さんの「ラブカは静かに弓を持つ」で、私は知らない作家さんだった。現役ではなくなってから、新しい作家さんには疎いなあと実感。ラブカは静かに弓を持つ [ 安壇 美緒 ]3位は、一穂ミチさんの「光のとこにいてね」で、3位までの本で唯一読んでいた。光のとこにいてね [ 一穂 ミチ ]10冊のノミネート作から選ばれるので、自分の推しが大賞をとれるか、気になるところだろう。私はあまり熱心なほうではないので、賞をとったら読もうかなと思う程度だが。このなかでは、「光のとこにいてね」だけ読了しているが、一穂さんは好きなのだがこれは刺さらなかった。とはいえ、2年連続で3位なので今後に期待したい。2位の「ラブカは静かに弓を持つ」は音楽教室のスパイ設定が面白そうなので、是非読んでみたいと思う。それにしても、本の値段は高くなった。村上春樹さんの新作もちょっと手が出ない。街とその不確かな壁 [ 村上 春樹 ]でも、電子ではなく読みたいので、図書館で予約して待つとしよう。
2023.04.18
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旅行に行けないので、旅がテーマの小説を読んでみた。さいはての彼女 (角川文庫) [ 原田 マハ ]原田マハさんの小説は、評判になっていたものを電子で買って読まずじまい。またそんなことになってはと、今回は図書館で借りることにした。本作は、短編小説集。ハーレーダビッドソンに乗って全国を旅する女性が問題を抱えた人たちに新しい風を吹かせて去っていく、そんな印象が強いのは、最終話のせいだろうか。私はバイクには興味がないが、北海道の大地を走ってみたい気になった。一服の清涼剤のような小説だった。原田マハさんの文章は読みやすかったので、買ってある電子書籍も読んでみようと思う。
2023.04.12
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本屋大賞にノミネートされている本作。本当は直木賞をとった「地図と拳」のほうを読みたかったのだが、ちょっと長編すぎて(600ページ越えだ)同じ著者の読みやすそうなほうを選んだ。君のクイズ [ 小川哲 ]とあるクイズ番組で最終問題が出る前に正解を言って、一千万円の賞金を手にした男。その対戦相手だった主人公が、どうしてその正解を言えたのかを探っていく話だ。私は東大王が好きな番組のひとつなので、この問題が出る前に答える瞬間を観たことがある。それについては疑問を持たずに楽しめた私だが、疑念が浮かぶ人も少なからずいたかもしれない。小説のほうでは、全く想像がつかない答えだったので、私でもその答えにたどり着いた経緯を知りたいと思った。クイズプレーヤーの思考というか、暗記が得意なだけではたどり着けないクイズというものがよくわかる内容で、面白く読めた。地図と拳【電子書籍】[ 小川哲 ]さて、「地図と拳」はどこかに旅行に行ったときにでも読みたいと思う。2泊はしないと読み終えられないかもしれないな。
2023.02.28
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天海祐希さん主演でドラマ化と聞いたので、読んでみた。天海さんは宝塚まで舞台を観にいくくらい好きな俳優さんだった。合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 (講談社文庫) [ 柚月 裕子 ]作家の柚月裕子さんと言えば、「孤狼の血」や「盤上の向日葵」など重厚な小説ばかりかと思いきや、こういうライトなものもあったのだなあと意外だった。孤狼の血【電子書籍】[ 柚月裕子 ]孤狼の血 LEVEL2【Blu-ray】 [ 松坂桃李 ]盤上の向日葵 [ 柚月裕子 ]これらは、どちらも映像化されている。さて「合理的にあり得ない」は、広義的にはミステリーなのだと思う。連作小説だが、初回ヒロインがやっと登場して、何者?と思わせる。ヒロインの謎が、現在の事件と絡まって、回を重ねるごとに明かされていく。不幸な境遇の元弁護士のヒロインが東大卒の曲者な助手とバディを組んで、法では裁けない悪者を痛快にやっつける。キャラが立っているので、ドラマ向きだと思う。4月開始、フジテレビ月10の枠。天海祐希と松下洸平のコンビが楽しみだ。
2023.02.16
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2021年本屋大賞で翻訳部門1位だった本作。昨年は、映画も上映されていた。ザリガニの鳴くところ [ ディーリア・オーエンズ ]私は海外ミステリーが大好きなのだが、かわいそうな境遇の子ともが主人公の小説は苦手だ。そのため今まで、この本を読む気にはなれなかった。ところが、昨年、映画を観てきたちゃおりんさんのブログを読んで、やっぱり読んだほうがいいかなと思うようになった。そして、先日、蔦屋書店に行く機会があって、本を読んでいくという娘に付き合って、選んだのが本作だった。本作のヒロインは、両親、兄弟に捨てられて、一人で沼地で暮らしている少女。学校には一日だけ行ったが周囲の対応が受け入れがたくて、それ以後行っていない。それでも、兄の同級生だったという少年と知り合って、文字を教えてもらい、沼地の生物を研究するようになる。その少年は彼女を捨てて、勉強のため町を出て行った。その隙間に入り込んだ男、それがこの作品の被害者となる。ある意味、読者には、犯人はわかっていると思う。ただ、裁判が正常に機能していれば、状況証拠しかなくて被告とされたヒロインは無実になって当然だ。あらゆる差別の中、一人で生きてきた彼女に対して、町の人々は複雑な思いを抱いている。罪悪感を持つものもいたし、逆に彼女に憎しみを持つものもいた。彼女を拒絶した町が、彼女の名声を使って再生していく未来は、とても皮肉なことだ。学校に行かなかった彼女が学者となれたという事実は、あらゆる者にとって希望になった。そういう意味で、弱者にやさしい物語だったと思う。本を読んで、映画を観たくなった。
2023.02.07
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金曜ロードショーで「そして、バトンは渡された」を録画した。どうせならと、電子書籍で買ってあった原作を読んでから観ることにした。そして、バトンは渡された【電子書籍】[ 瀬尾まいこ ]子どもがかわいそうな話は苦手なので、ずっと読まずにいたが、そんなことはなかった。優子は親の事情で名前は何回も変わったが、皆に大事にされて、結婚までたどり着く。血のつながりよりも強い絆がそこにはあって、何歳の子どもでも覚悟があれば育てられるのかもしれないと、今後の親子関係に希望がもてた。思ったよりも、さらっと読めて、後味もよかった。そして、バトンは渡された [ 永野芽郁 ]そして、映画。小学生のみぃたんと高校生の優子の2つの視点で物語は進んでいく。優子の人生は、自分で選んだとは言いがたい。実の父親がブラジルへ行くのについていかなかった事が発端ではあるのだが、それすら作為的に見える。映画では、優子が親たちに与えた影響がより明確になっていた。不思議と優子だけでなく、全ての親の人生に思いを馳せてしまう、そんな映画だった。今年の読書週間は、なんだか瀬尾まいこさんばかり読んでいた気がする。こういう年があってもいいのかもしれないな。
2022.11.16
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久しぶりに瀬尾まいこさんの小説を読んだ。瀬尾まいこさんは本屋大賞をはじめ、いろいろな受賞作がある作家さん。もともと中学校の教師だったこともあり、学校を舞台に書かせると物語に説得力がある。これもそんな1冊だ。あと少し、もう少し (新潮文庫) [ 瀬尾 まいこ ]中学生の駅伝の話だ。駅伝は陸上部の部員だけが走ると思っていたのだが、足が速い生徒をスカウトする形をとる学校もあるらしい。そんな寄せ集めの6人がそれぞれの事情を昇華させて襷をつないでいく。涙なしには読めないが、美術教師なのに陸上部顧問になってしまった上原先生がいい味を出している。こういう経験がその後の人生を豊かにするのかもしれない。6人の悩める中学生に幸あれ。君が夏を走らせる (新潮文庫) [ 瀬尾 まいこ ]と思って読み終えたのだが、人生は甘くない。こちらのスピンオフでは、高校生になった元不良の大田くんのその後が描かれる。彼は中学校の駅伝の後、受験を頑張ったがうまくいかず、不良の巣窟みたいな高校に進学。陸上部に入部したものの、1人だけの部活に限界を感じ、無気力な日常を送っていた。そんな彼に先輩から2歳の娘の面倒をみてほしいと依頼がくるのだが…頑張っている人を必ず見てる人はいるのだなと思えて、2冊とも読後感はよかった。ただいきなり終わる感じなのが気にはなったが、なんでもかんでも書いてくれる小説に慣れてしまったせいかもしれない。本来、こちらが正解なのかも。風が強く吹いている (新潮文庫 新潮文庫) [ 三浦 しをん ]駅伝ということで、この本を思い出した。中学生と大学生、背負っているものもだいぶ違うが、読み比べてみるのも面白いと思う。
2022.11.09
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最新刊を予約していたのだが、やっと届いた。きのう何食べた?(20)【電子書籍】[ よしながふみ ]これだけは、ずっと紙書籍で買っている。料理のページもあるので、作る気があれば、テキスト代わりにもなるし。なにより、紙書籍だと人に貸すことができる。娘がたまに本棚から持っていくので。20巻まできて、時間はマンガのなかでもちゃんと流れているが、安定のシロさんとケンジだった。ジルベールの結婚式が具体化してきてけっこう先なのにササミ&筋トレ生活を余儀なくされシロさんの料理が食べたくなる話とか、盛りだくさんな内容だった。これだけ安心して読めるマンガもない気がする。去年は、映画も観たなあとちょっと懐かしくなった。
2022.10.24
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「ましろのおと」が完結した。ましろのおと(31) フルカラー小冊子付き特装版【電子書籍】[ 羅川真里茂 ]31巻だが、私が読んだのは31巻だけ。因みにアニメは観ていた。TVアニメ「ましろのおと」 第一巻 [ 島崎信長 ]このアニメがとてもよかったので、どう決着をつけるのか見届けたかったしだい・・・・・31巻は二種類あって、小冊子付のほうを読んだら、すっかり満足してしまった。三味線というなじみのない音楽の世界を堪能させてもらった。音のない紙の世界でこれだけ感動させる筆者は本当に凄いと思う。最近は耐性がなくて、完結しないままのマンガが多くなってきたので、なんとなく完結したら読もうかなという感じになってきた。悪しき習慣だが、しばらくはこのままで行こうと思う。
2022.10.22
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映画化されて気になった本だが、やっと読んだ。騙し絵の牙 [ 塩田 武士 ]大泉洋さんを主人公のモデルにして書いた小説だ。主人公の速水は、上司と部下の間で苦労する雑誌の編集長。出版業界の陰りをまざまざと見せられ、なんだか身につまされる内容。最後にどんでん返しがあるのだが、どこから計画していたかはわからない。速水の生い立ちを元同僚が探るのもなんだか唐突な印象。もっとスカッとできそうな成り行きなのに、消化不十分だったのが、残念だ。騙し絵の牙 Blu-ray豪華版(特典DVD付)【Blu-ray】 [ 大泉洋 ]映画はどうだったのか…豪華な俳優陣だから、テレビで放映される事があったら観ようかな。
2022.08.27
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小説の内容をすっかり忘れていたので、映画を観る前に再読した。マリアビートル (角川文庫) [ 伊坂 幸太郎 ]マリアビートルとは、テントウムシのこと。この小説の主人公の名前だ。「ブレット・トレイン」は新幹線のこと。小説でも、ほぼ新幹線の車中の出来事なので、わかりやすいタイトルかもしれない。殺し屋の群像劇なのだが、点が線になっていく謎解きの部分もある。なかでも印象的なのは、王子という中学生。彼はわかりやすい悪だ。殺し屋が可愛く見えるほど。映画だとどうなるのかなと思いながら読んだ。さて、公開は来週。疾走感のある物語なので、映画が楽しみだ。
2022.08.24
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癒しを求めている今日この頃・・・・・写真集でなにかないかなと探していて、見つけたのが、この本だ。世界のさんぽ道 [ WANDERLUST ]もともと道が続いていくという風景が好きだ。思ったより小ぶりの本だったが、持ち歩きにはいいサイズ。人があまり映り込んでいないので、どことなく静謐な雰囲気もあって、外国の小道に迷い込んだような気がしないでもない。いい買い物だった。
2022.05.29
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本屋大賞が発表になった。同志少女よ、敵を撃て [ 逢坂 冬馬 ]評判が良かったので、買おうかどうしようか迷っていた本だ。ハードカバーはお値段がいいので、なかなかハードルが高い。文庫まで待とうかなと思っていたが、やっぱり読まなくちゃと思った。因みに、3位の作品は電子書籍で読んだ。スモールワールズ【電子書籍】[ 一穂ミチ ]ここ数年の傾向だと、「スモールワールズ」が大賞かなと思っていたのだが、外れてしまった。この作品、直木賞は逃したが、吉川英治文学新人賞は受賞できたので、無冠では終わっていない。一穂さんの会話文には地の文がはいらない。流れが止まらず、読みやすいと私は思っている。さて、台風1号の影響で、明日からは雨の予報。今日の晴れを有効利用したいものだな。
2022.04.12
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私は本を読むのがかなり速いと思う。旅行先だと、3冊ぐらいは1日で読んでしまう。そんな私が1ヶ月くらいかかったのが、この本だ。オーストリア滞在記【電子書籍】[ 中谷美紀 ]電子書籍で読んだのだが、原稿用紙700枚越えのようだし、たぶん分厚い本だと思う。女優さんのエッセイなのに、こんなに読むのが大変だとは思わなかった。単純にオーストリアに興味があって買ってみたのだが、とにかく詳細に書いてあるのが読みにくさの原因かなと・・・・・中谷さんはウィーンフィルのビオラ奏者と結婚していて、彼には別れた妻と住む8歳の娘Jがいる。Jが割と頻繁にやってくるし、元妻との関係も良好で、手作りお菓子などをもらっている。夫の実家にも気負わず行ける様子が伺える。コロナで緊急事態宣言中のオーストリア滞在記なので、きっと日常とは言えないと思う。ただそんな休暇ともいえる期間でも、夫婦ともにアクティブで、凡人にはついていけない気がした。体調がいいとも言えないのに、頭が下がる。ドイツ語の勉強、掃除や食事、庭仕事、家の手入れ等々、コロナ禍にもかかわらず、きちんとした生活をしていて、見習わなくてはとも思った。がんばって読み終えたので、ほかの人の感想も聞いてみたいものだな。
2022.03.16
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「アシガール」もついに完結だ。気になって、雑誌の最終回を読んでしまったのだが、ちょっとよくわからなかった。やっぱり、その前の流れがわかっての最終回だということだ。アシガール 16【電子書籍】[ 森本梢子 ]あらすじを語るのは止めておこう。ただこれから1巻から初見で読める人が、私はとてもうらやましい。一気読み間違いなしの面白さなのは、保障できると思う。連載して10年の作品だとあとがきにあった。10年は長いなあ。
2022.02.27
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続編が出たようなので、やっと読む気になった。元彼の遺言状 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [ 新川 帆立 ]面白そうだなと思いつつ、購入してまで買う気になれなかったのだ。結局、電子書籍で買った。この小説の面白さは、ヒロインの性格にあると言っていいと思う。弁護士で守銭奴なのに、いろいろ損をしている彼女。前向きなのにネガティブで支離滅裂。そんな彼女に引き摺られるようにして、いつの間にか読了した感じだ。遺言状はかなりユニークだがミステリーとしてはイマイチな印象だ。続編に期待したい。倒産続きの彼女【電子書籍】[ 新川帆立 ]
2021.11.25
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hontoでセールをやっていたので、4巻まとめ買いをしてみた。 ゆるキャン△ 1巻【電子書籍】[ あfろ ] ゆるキャン△ 4巻【電子書籍】[ あfろ ] 前にテレビ東京で実写化されていて、そちらを観ていた。 旅行番組に飢えていたので、そういう気分を味わえて気に入ったドラマだった。 実写は漫画を忠実に映像化したのだなと、原作を読んでわかった。 ふわっとした中に適度の毒もある女子高生のやり取りが心地よい。 バイトをしてキャンプ道具を揃える様子。 キャンプ飯に一喜一憂する様子。 旅はアクシデントもあるが、全巻なんだかほっこりする。 私自身はキャンプ向きの人間ではないので、漫画を読んで擬似体験くらいがちょうどいいのかもしれないな。
2021.09.22
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先日、直木賞が発表された。この作品は、そのノミネート作品だった。残念ながら、受賞は逃したが。スモールワールズ [ 一穂 ミチ ]6つの短編が収録されている。私が気に入ったのは、「ネオンテトラ」。子どもができないモデルの女性が、虐待されている中学生男子と出会う。交流は同級生の姪を巻き込んで意外な結末を迎え、彼女は幸せな時間を手に入れる。毒があると表現される小説ばかりだが、常識とか正しさとかそういう範疇では満たされない苦境にあれば、その解決法もイレギュラーになるのは仕方がないと思う。もともとBL作家の一穂さんが直木賞にノミネートされてびっくりした。因みにその前に「ピクニック」という短編が日本推理作家協会賞にノミネートされていたし、書店員さんたちの評価が高い本ではあった。小説のなかに仕掛けをするのが得意で、仕事の描写はどこまでもリアルなので、ジャンルを問わずに活躍してほしいものだ。
2021.07.20
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川原泉作品は、全部読んでいると思う。 もちろん紙書籍で読んでいたのだが、電子書籍が安くなっていたので、購入してみた。 メイプル戦記(第1巻) (白泉社文庫) [ 川原泉(漫画家) ] メイプル戦記(第2巻) (白泉社文庫) [ 川原泉(漫画家) ] たぶん30年くらい前の作品だが、トランスジェンダーなど今に通じる題材がてんこ盛りの作品。 女性だけのプロ野球チームが誕生して、文字通り戦い抜く話だ。 漫画とは思えない文字数だが、隅から隅まで読ませてしまうのは川原さんの力量だと思う。 ツラい場面でさえ、どこかしらのほほんとした空気を醸し出しているのは、本当に凄い。 決して画力があるとは言えないが、問答無用の多幸感がそこにはある。 「メイプル戦記」の前日譚ともいえる、作品もある。 甲子園の空に笑え! (白泉社文庫) [ 川原泉(漫画家) ] うーん、いいタイトルだ。 コロナ禍に川原作品をと今更ながら思う。 癒しという言葉があまり必要でなかった時代、まさに癒しの作家だった。 紙書籍はまだ持っているので、読み直してみようかな。 ワタシの川原泉(1) 川原泉傑作集 (花とゆめコミックススペシャル) [ 川原泉 ] 因みに傑作集も出ている。 川原泉さんにはまだまだ頑張ってもらいたいものだ。
2021.06.30
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なんだか最近、目の下のたるみが気になっていた。なにかしたほうがいいかなと思っていたら、こんな本を見つけた。10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし【電子書籍】[ 村木 宏衣 ]頭皮も気になっていたので、一石二鳥と電子書籍を購入。とりあえず、目の下のたるみを直すマッサージをしてみたら、まだ始めて2日だが、だいぶ改善された感じがする。単純にマッサージは気持ちいいし、続けてみようと思った。さて、今日は廃品回収。晴れてよかった。
2021.06.08
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コミカライズが2種類あるようだが、私はこのねこクラゲさんのほうを電子書籍で読んでいる。原作小説2巻のクライマックスにあたる内容らしい。薬屋のひとりごと 8巻【電子書籍】[ 日向夏 ]主人公猫猫(マオマオ)の出自と置かれていた環境がはっきり描かれている。今までは事件の解明に主軸が置かれていたが、やっとすっきりした感じだ。私だけの気持ちで言うと、もうここでいいかなと。もともと続き物は苦手なので、完結してから読むようにしている。ここ数年の悪い習慣ではあるが、それが合理的でもあるので。このシリーズも何年かかるかわからないが、完結してから読むとしよう
2021.05.28
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予約していたコミックが届いた。きのう何食べた?(18) (モーニング KC) [ よしなが ふみ ]すぐに読み終わってしまった。弁護士事務所の所長さんのシロさんの私生活に対する想像がクスリと笑えた。そろそろカミングアウトしても受け入れてもらえそうな気がする。やっぱり年を重ねると一緒にいてくれる人がとても大事だとわかるから。もう18巻だが、1年に1冊ペースなので、また来年まで待つことになる。最近、電子書籍も同日発売なのが悩ましい。配送状況によっては、予約しても発売当日には届かないので、電子書籍のほうが早く読めたりもするのだ。電子書籍の予約は、発売当日、日付が変わると同時くらいにアプリに送られてくるし。とはいえ、何食べに限って言えば、紙書籍のほうがいいかな。丁寧に調理工程が書いてあるので。なんにしろ、19巻が待ち遠しい。
2021.05.23
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このシリーズも3作目。相変わらず月曜断食中のせいか、前の2冊より楽しく読めた。男ふたり夜ふかしごはん (単行) [ 椹野 道流 ]書けなくなって東京から神戸の高校の先輩の家に逃げてきた小説家と古い一軒家で一人暮らしをしていた眼科医の同居生活も3年目。1年間を月ごとを1章にして、なんとなく季節を感じさせるお菓子や料理が美味しそうだ。小説家の作るアイデア料理もあるが、実在の神戸の老舗菓子店のものも出てくる。手作りも男の料理という感じで手がかかっていないのがいい。材料さえあればすくに作れそうなものばかり。食べ物の好みが合って、気の置けない同居生活はなんだかうらやましいくらいうまくいっている。小説家の仕事もここへきてうまくいき始めたようで、時間の経過も感じられた。やっぱり文字から想像するほうが美味しそうだ。文中のステーキは神戸まで行って食べてみたいと思った。前の2冊も読み返してみようかな。男ふたりで12ヶ月ごはん (単行) [ 椹野 道流 ]男ふたりで12ヶ月おやつ (単行) [ 椹野 道流 ]
2021.04.27
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発売を心待ちにしていた新刊を読んだ。宮廷神官物語 十二(12) (角川文庫) [ 榎田 ユウリ ]物語は、11巻から十数年経っている。前巻最後に出てきた子どもが誰の子どもかと思っていたのだが、王姉のだった。まあよく考えれば、それしかないのだが・・・・・優秀とはいえ若い王には後ろ盾が必要で、それが王妃の父親だ。彼は権力を得る前とは変わってしまって、宮廷を牛耳ることに余念がない。鶏冠の大神官の就任についてもなんだかんだと言って、阻止するつもりのようだ。そんななか、彼の息子が誘拐されて、鶏冠たちは窮地に陥る。主人公は、王姉の娘、翠嵐。12歳くらいだが、思慮深く、行動派。時間は過ぎたが、身分の壁はまだまだ根強く残っていて、彼女の交友を阻んでいる。1巻だけの物語なので、よくまとまってはいるが、なんとなく物足りない気もする。そうは言っても、続きが読めて、よかったと思う。これで完全に終わりなのかと思うと、やっぱり寂しい。
2021.03.30
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クリスマスに、アシガールの最新刊を読んだ。アシガール 15 (マーガレットコミックス)「どうなっちゃうの?」という問題山積の14巻から、見事に巻き返して、ハッピーな気分にしてくれた。弟の尊も戦国で揉まれて、一皮むけた感じになったし。とはいえ、戦力不在の城に攻め込まれて、唯はどう戦うのか・・・・・というところで次巻へ続く。16巻が早く読みたいものだな
2020.12.27
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さて、来週金曜日はもう新年・・・・・いろいろやり残しているが、ここまでくると優先順位をつけて、こなしていくしかないなあ。久しぶりに、ロマンス小説を買った。堕天使の娘は冬の庭で [ リサ・クレイパス ]ロマンス小説を読まなくなって久しいのだが、この本は前に読んだ本の娘の話。【中古】 冬空に舞う堕天使と ライムブックス/リサクレイパス【著】,古川奈々子【訳】 【中古】afbこちらもシリーズの中の1冊だが、同じ世界観の中の話をまた読めるのは嬉しい。日本でも好きなシリーズの番外編のような本が出るとわくわくするので、どこの国でも同じなのだなあと思った。本購入して、たくさん積んでいるので、年末年始少しでも減らせるといいのだが。罪の声 [ 塩田 武士 ]こちらなどは、電子書籍で買ったのだが、読んでいる途中でずっと放置している。映画を観たほうが早かったかもしれない。映画 罪の声 オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]年末年始、なにか映画を観に行きたかったが、我慢かな・・・・・・
2020.12.25
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数か月前に買った電子書籍をやっと読んだ。焦眉 警視庁強行犯係・樋口顕【電子書籍】[ 今野敏 ]今野敏さんのシリーズものの警察小説。私は小説では読んだことがなく、内藤剛志さん主演の2時間ドラマを数本観たことがあるのみ。樋口顕は、警部で、係長。映像でも思ったが、組織のなかでの調整役のような役割。今回は、検察、国会議員、刑事部長、キャリア課長などとの軋轢のなかで物語は進んでいく。推理小説としてみるなら、脅迫電話をかけてきたのが犯人と言う単純な事件。それに行きつく前に、被害者が与党候補者を破って国会議員になった秋葉の友人ということで、選挙に不正があったという絵を描いていた東京地検の検事が強引に捜査を妨害してくる。本当なら相当、恐ろしい話だ。忖度なのか、上からの指示なのか・・・・・警察も一枚岩ではない。それでも、樋口が落としどころを見つけて、突破口を開いていく様は、なんだか爽快ではある。それにしても、副総監や検察の上層部に良識があったのでほっとしたのが、正直なところ。一気読み、面白かった。
2020.10.11
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「宮廷神官物語」の最新刊が出た。宮廷神官物語 十一(11) (角川文庫) [ 榎田 ユウリ ]完結巻なのだが、続くということだ嬉しいサプライズだ。最終巻で、天青は宮廷神官になっていた。とはいえ、誰の子供かわからない姫などが出てきて、???となったので、ちゃんと教えてもらいたいと思う。この物語は、天青の成長物語ではあるが、同時に本来なら宮廷神官になれるはずもない鶏冠が自分の資質を周囲に認めさせ国に不可欠の人材だと求められるようになるまでの物語でもある。身分制度自体をなくさずに鶏冠を大神官へ導く道筋を読者に納得させた全11巻だった。12巻の発売日は未定のようだが、とても楽しみだ。
2020.06.17
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いちおう、ゴールデンウイークだったので、漫画を大人買いした。薬屋のひとりごと 1巻【電子書籍】[ 日向夏 ]薬屋のひとりごと 6巻【電子書籍】[ 日向夏 ]小説があって、漫画になったようだが、漫画のほうが2種類あるというややこしさだが・・・・・私はビッグガンガンコミックスのほうの漫画を買った。6巻は3月に出たばかりだ。中華風のミステリーで、主人公は誘拐されて後宮の下働きにされてしまうが、元々は薬屋の弟子。陰謀渦巻く宮廷の事件を図らずも解いていくことになる。6巻で今までの事件が一つにつながって大きな計画のピースだったことがわかるのだが・・・・・うーん、ここで終わるのか小説は読まずに漫画を追いかける予定なので、次巻が待ち遠しい。
2020.05.07
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NHKで「アシガール」の再放送が始まっているが、昨日最新の14巻が発売された。アシガール 14【電子書籍】[ 森本梢子 ]このシリーズは電子書籍で買っているので、すぐに読めた。織田信長がやっと出てきたが、すぐ読み終わってしまった。次巻がもう待ち遠しい・・・・・話は変わるが、楽天スーパーセール中でもあるし、エコバッグを買おうかなと思っている。前回買ったものは、娘に不評だったので、リベンジだ。さて、どれにしようかな?【メール便で送料無料】 エコバッグ LOQI レジカゴ 折りたたみ メール便 ドイツ ナイロン 大きめ おしゃれ 軽量 トート ブランド ファスナー ローキー マザーズバッグ エコバック バック ショッピングバッグ【メール便で送料無料】LOQI ローキーエコバッグ Artist Collection アーティストコレクション 折りたたみ メンズ 大きめ おしゃれ 軽量 トート ブランド マザーズバッグ エコバック バック ショッピングバッグ【メール便で送料無料】 LOQI ローキー Museum Collection ミュージアムコレクション エコバッグ 折りたたみ 軽量 トート レジカゴ マザーズバッグ エコバック バック ショルダーバック トートバック 母の日 ギフト【メール便配送】マリメッコ トートバッグ エコバッグ marimekko 067572 068955 COTTON TOTE BAG ピエニ ウニッコ ラシィマット PIENI UNIKKO RASYMATTO【メール便で送料無料】 マリメッコ Marimekko エコバッグ / バッグ 鞄 かばん レディース トートバッグ エコバッグ スマートバッグ 折りたたみ 丈夫 北欧 雑貨 フィンランド エコトート 正規品 ブランド バック ショッピングバッグ お買い物バッグ 母の日 ギフト
2020.04.25
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