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2006.03.04
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カテゴリ: つぶやき/その他
10年前に書いたエッセイを読み返していたら、同じようなことを感じていた自分がいた。

自分が成長していないのか、世の中、学校が旧態依然としているのか・・・。


1996.9.4 精神的成長のレベル
 人間は誰しも一年に一つずつ歳をとる。子どもから成人になりやがては老いを迎える。社会的には年齢を重ねるごとに社会的責任や信用が増し、給料も上がる仕組みになっている。しかし、精神的な成長は必ずしも肉体的成長には比例しない。年齢的には成人でも精神的には大人になりきれないこともある。そんな人が最近増えてはいないだろうか。 精神的成長のレベル(以降心のレベル)は、目に見えにくい。ペーパーテストをして点数に表すことはできない。面接で見極めようとしても、人が他人の人格を評価するときには、自分が基準になってしまうため、十人十色、千差万別、誰もが納得できる評価を出すことは不可能である。しかし、心のレベルは確実に存在する。
 私は仕事柄、子どものの心理状態について同僚と話をすことがある。私の受け持っていた中に、あまり口をきかない無口な子どもがいた。教師の問いかけには答えはするのだが、私には、どうもそれがその子の本音ではないような気がした。そこで、ある同僚の教師に「Aさんは心の中に家を持っていて、いつもその中に閉じこもっている。教師からの問いかけには、ドアの隙間から顔だけ出して、本音を見せずに語っているような気がする」と話した。しかし、その教師は、「この人は何を話しているのか」という目でこちらを眺めるだけで、期待していた意見は聞けなかった。そのときは、私の言い方がまずかったのかと反省した。今度は同じ話しを、別の教師に話してみた。さして言い方を変えたわけではなかったが、今度はその先生の見方をも交えて、意見を交換することができた。
 これは、ほんの一例に過ぎないが、私は、心のレベルが違うと同じ物事を体験しても、そこから学び取れる事柄の数が違ってくるように思う。Aという一つの事象について、次郎は、その中から三つの教訓を引き出したのに対し、太郎は五つの教訓を感じ取る。それは心のレベルに比例する。ただし、太郎が、次郎の分からなかった残りの二つについて説明したとしても分かってもらうことは難しい。
 私は現在、全盲の生徒に国語を教えている。その生徒は、六ケ月で失明したため、自分の目で何かを見たという記憶が全くない。国語の教科書にはしばしば、風景描写が登場する。「赤い花、黄色い花が一面に咲き乱れる草原」「夜空には満天の星が輝いていた」「彼の顔面は見る見る紅潮し、怒りが込み上げてくるのが分かった」私の知っている限りの言葉を尽くして語りかけても、その情景を理解させることは不可能である。つまり、見た経験のない人に見えるとはどういうことかを知らせることはできないのである。
 これは先に述べた例にも当てはまる。心のレベルが達していないために三つしかみえていない次郎に、五つ見えた太郎が、残りの二つをいくら力説しても見えるようにはならないのである。つまりは、次郎が自己認識し、自身の心のレベルを上げるように努めなければ見えるようにはならないのである。
 他人に対する思いやりの心、障害者や老人に対する福祉、教育、ボランティア…。人と人とのコミニュニケーションに関わることにはすべて、心のレベルが影響する。そんな目で世の中を見渡してみると、日本人の心のレベルは決して高いとは言えない。政治家、医師、宗教家、学校の教師、本来高い心のレベルを持って社会のリーダーとならねばならない人達の中にも、私利私欲を肥やすことに明け暮れ、責任を転嫁し、人の心の痛みに麻痺してしまっているレベルの低い人間が多すぎる。自分の心のレベルはどれほどなのか、私たちそれぞれが、きちんと自分と向き合って、問い直す必要があるのではないだろうか。





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Last updated  2006.03.11 16:35:40
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