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おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘一晩の徹夜でも認知症のリスク増加?’という報告です。
タウ蛋白質の増加はアルツハイマー型認知症のバイオマーカーとして知られている。今回新たな研究によって、たった一晩でも睡眠を取らなければ、健康な若年男性であってもタウ蛋白質の血中濃度が上昇することが分かった。アルツハイマー型認知症患者の脳ではタウ蛋白質の蓄積が見られ、発症する数十年前から蓄積は始まると考えられている。高齢者における過去の研究では、睡眠不足が脳脊髄液中のタウ蛋白質濃度を上昇させる可能性があることや、頭部の外傷が血中タウ蛋白質濃度の上昇につながることが報告されている。
同研究者らは、睡眠不足によって認知症に関連するバイオマーカーであるタウ蛋白質などの血中濃度に変化が起きるのかを調べることを目的に、健康な適正体重の若年男性15人(平均年齢22歳)を対象としたクロスオーバー研究を行った。被験者は規則正しく毎晩7~9時間の睡眠を取っていた。この研究は2期に分けて行われ、いずれにおいても被験者は2日間、睡眠クリニックで食事と運動を厳重に管理され、夕方と翌朝に採血を受けた。第1期では、被験者は2日間とも睡眠を取ることができた。第2期では、被験者は1日目のみ睡眠を取り、2日目は睡眠を取らないこととした。睡眠を取らない夜間は、照明はつけたままにされ、被験者はベッドでゲーム、映画鑑賞、雑談などをして過ごした。
その結果、睡眠を取らなかった日の翌朝には被験者の血中タウ蛋白質濃度は前日の夕方と比べ平均17.2%上昇した。一方、2日間とも睡眠を取れた場合の血中タウ蛋白質濃度は平均1.8%の上昇にとどまった。共同研究者で同大学の別の研究者は、「多くの人は時差ぼけ、徹夜での仕事や勉強、交代制の勤務などによって睡眠不足を経験している。われわれの研究は、若者であっても一晩睡眠を取らないだけで血中タウ蛋白質濃度が上昇することを示した」と指摘。その上で、「脳内における高濃度のタウ蛋白質は健康に良くないが、睡眠不足の状況における血中タウ蛋白質の高濃度が何を意味するのか明らかではないことに留意する必要がある。血中タウ蛋白質の増加は、タウ蛋白質が脳から除去されていることを示している場合もあれば、脳内におけるタウ蛋白質濃度の上昇を反映している場合もある」と述べている。
今回の研究は、若年者への睡眠介入による認知症やアルツハイマー病の発症抑制に対する有効性を検討する上で重要な知見をもたらしうる。しかし小規模研究である点、健康な若年男性のみを対象としている点に研究の限界があり、女性や高齢者では異なる結果になる可能性もあるという。今後は、睡眠と概日リズム、交代勤務などによる長期的な睡眠不足との関係、および他のライフスタイルや遺伝的要因との相互作用を明らかにするためにより大規模な研究の実施が求められる。
以前から睡眠と認知症の関連は言われていましたが、今回もそれがある程度実証された様です。更なる高齢化社会を迎えるにあたり、睡眠の重要性を再認識する必要がありそうですね。
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