雪香楼箚記

秋(2)_柞原






                                      藤原良経
       柞原雫も色や変るらん森の下露秋更けにけり










 柞原は、ははそはら、と読みます。ははそ、は楢や櫟のように落葉する樹木一般を指す言葉で、ははそはらと言えば雑木林のようなところのこと。もちろん、楓とおなじ具合に、とはいきませんが、秋になれば紅葉します。ははそはらの木々の雫までも紅く色づいていることだろう、森の下露にも秋が深まって見えることだ、の意味。紅葉におりた露に季節感を感じるという繊細さが、「色も変るらん」というささやかな機知の句と組みあわされて、大らかでありながら細やかな味いのある歌になっています。……さて、この歌に重ねあわされたもうひとつの意味は、みなさんが考えてみてください。


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