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世の中では「あいつはキャラが立っている」とか、「濃いキャラだ」とか「ユニークな雰囲気」とかいう表現をよく聞く。読んでそのままだけど、要するに見た目や言動が個性的で、基本的には愛着を込めた褒め言葉だと思われる。でも僕はあまりそういう表現は好きではなくて、濃くても濃くなくても、キャラが立ってようが立っていまいが、人間はやってきた実績で評価されるべきだと思っている。思いっきり地味なおじさんやおばさんが、実は凄腕の経営者だったり、ベストセラー作家であったりすれば、それこそ個性的で「凄い人」ということになる。稲盛さんも見た目は普通の元気一杯のお年寄りで(背は高くてオーラは凄いけれど)、だけど実績や実践が桁外れに凄いので手放しで誰もかなわない位の最強の人だと思う。新幹線やホテルのロビーなどで凄い功績を残している有名人を見かけることがあるけれど、見た目はただのおじさん、おばさんである。そう言えばユニークなCMで一世を風靡したサカイ引っ越しセンターの田島社長(先日亡くなられた)も、盛和塾の支部が同じで隣に座られたことがあったけど、僕があげたフリスクに目を白黒させた、ほんと地味な丁寧なおばさんだった。逆にいくら見た目が個性的であっても、これといった(人生の)実績も経験もなく、ちょっと変わった様に見える平々凡々な人であれば、それは全然凄くないフツーの人である。こう考えてしまうと、褒められることに慣れている(自称)「個性的な人」の期待を裏切ってしまって、どうしてもっと感心してくれないのと時には冷たい印象を与えてしまうんじゃないかとちょっと不安である。いや僕はそんな冷たい人ではなくて、見た目や言ってることじゃなくて、実際にやっていること、実績をみて凄い人は凄い、凄くない人は凄くないと思っているだけですよと本当のことを言うと、更にやぶ蛇になりそうだ。自分自身もなるべく地味に目立たぬ様にして、実績でもって他人から評価されたい。また会社も地味な業界の地味な感じだけれども、知る人ぞ知る、立派な業績をあげ、そしていつかは皆にも自然と知られる立派な業績、社会への貢献をしていきたいと思います。
Dec 4, 2013
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欧州チャンピオンズリーグを制したバルセロナのサッカーは、パスを多用することが特徴的だ。短いパスを小刻みに回して、敵が疲れてくるのを見計らってゴールを決める。これに対してイングランドのプレミアリーグではロングボールを出して、フォワードが必死に走り込む、体力勝負のサッカーである。マンチェスターユナイテッドのルーニーなんかは脚力と体格を活かしてゴールを量産する。どちらがサッカースタイルとして優れているかは結局個々の選手の力量にも依るのだけど、バルセロナの哲学を象徴する言葉がある。それは「ボールは汗をかかない」というものだ。選手は走れば汗をかき、疲労が蓄積してくる。それに対してボールをいくら回してもボール自体は疲れることを知らない。つまりいくら働いても「ボールは汗をかかない」のだ。自分で必死に走っても、ボールに走らせても、ゴールを決めるという目的のためにどちらが有効かは一概には言えない。但し、自分は疲れるけれど、ボールは疲れないという違いがある。 つまりどこで自分で走るか、どこでボールに走らせるかをしっかり考えないといけないということだ。これはビジネスにおいては参考になる考え方だ。自分で何もかもやる(アウトソースを活用しない、部下に任せない)、しかもコンピューターなどの効率化を考えずに何でもアナログでやろうとする、顧客のところを行くための移動にエネルギーを使ってしまって、提案準備が不十分になる、何でも自社で作ろうとする(他社品を仕入れない)、こういうのは全部、自軍のゴール前から敵のゴールまでずっと自分でドリブルする様な仕事の仕方である。楽をせずゴールを決めろというのではない。限られたエネルギーをどこで使うべきか、しっかりと考えてから動くこと。動いていることだけで自己満足に陥ってないかをしっかり考えること。こういう視点で仕事をしていきたいと思います。
Jun 4, 2011
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