このところ,「過程をオープンにすること」について書いている.
つまるところ,今流行の「見える化」とか「可視化経営」とかいうものは,プロセスを誰でも見えるようにすれば,「自然に自発的な誰かが集まって良い様に改善されていく」という思想みたいなものだ.
大きな話で言えば,リナックスという基本OSは,ほぼ完全に世界中のボランティアのソフトウェアエンジニアたちが創り上げた非常に優れたソフトだ.僕もよく使っているウィキペディアというネット百科事典も,ボランティアで誰でも書き込み,編集ができる.
トヨタの「かんばんシステム」も,その工程で必要な部品を「あんどん」に明記して,多過ぎず少な過ぎず供給しようというものだ.課題を見せればきちんと対処するという人間の美質を生かしたシステムともいえる.
京セラのアメーバ経営も,誰でも家計の管理ができるなら,小さく区切ったアメーバ単位の採算なら自分たちで創意工夫できるという考えに基づく.売上げを最大に,経費に最小にという経営の原則を,一人一人の社員が実践するために,自分たちがコントロールできる範囲で結果を見えるようにして,知恵を出し合うのだ.鉛筆を節約したからいくら,休み時間に電気を消したからいくらと,小さい金額の積み重ねが自分が属するアメーバの成績に反映され,見えるようになっている.
会社という組織でも,もはや送り手が受け手を選ぶメールという手段でさえ,時代遅れになりそうだ.送り手は(多分名指しはしつつも)ある多人数の組織に向けてメールを送り,受け取ったグループの中から,自分こそはと思う人が返信するというスタイルになるのではないか.あまり意味のないメッセージだと誰からも無視されるし,面白そうな企画なら人が集まってきて自発的にタスクフォースが出来上がる.組織のあり方も,これからどんどん変わっていくに違いない.当社も社内でなるべく情報を共有化すべく,さまざまな工夫を凝らしている.
セミナー などの機会に顧客にぶつけてしまう.僕も今興味のある経営課題について話をしたり,他の講演者も最新の情報,最近得られた実験結果などを発表する.そうすれば,自然と参加者の皆さんと情報交換が始まり,なにか新しいものが生まれると思っている.こういうのって,まずこちらから情報をぶつけないと反応も返ってこないものなのだ.
過程をすべて見せるって勇気がいるけど,これだけ社会が複雑になって顧客のニーズも様々なら,手の内をさらして一緒に考えるっていう姿勢が逆に正解なのかなあと思っています.
やること、やらないこと。 Jan 6, 2011
新聞に冷や冷やしない May 4, 2010
両目で皿を見て食事できる贅沢 Apr 7, 2010 コメント(2)