せんだって日記

せんだって日記

2004.09.16
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 せんだって、お高い名古屋嬢を名古屋撃ちで果敢に攻めたててういろう売りを覚えさせるという夢を見たのでそのことを書こうかと思ったのだが、ちょっと思い出したことがあるのでそのことを書こうと思う。むしろ書きたい。

 ■ ■ ■ ■ ■
 ボクは男子中学のころクリケット部に入っていたんだ。練習が厳しくないし、他の部と比べていやらしい先輩が少ないってウワサだったから。
 春の郡大会に向けて、ボクら一年生もウィケットやボールを拾ったり、あわよくばレギュラーになろうと一生懸命練習してた。
 ボクら一年生にはあこがれのセンパイがいたんだ。郡でも最高のバッツマンで、Vネックのセーターが似合う真っ黒な天パがカッコイイ人で、名前は煌輝ルシファー。付き合いたいってヤツもいたけど、ルシファーセンパイには瑞珠アンヘル主将っていうみんな公認の恋人がいたから、あきらめるしかなかった。
 郡大会ではルシファーセンパイの活躍で決勝まで順調に勝ちあがった。ボクら一年もスタジアムから一生懸命応援した。でもルシファーセンパイの振ったバットがアンヘルセンパイの額に当たって血が出ちゃってチームのリズムがおかしくなり、結局負けちゃったんだ。準優勝さ。
 その日からルシ×アンの仲もおかしくなってた。前は練習中に仲良く話し合ったり一緒に自転車で帰ったりしてたのに、いまはバラバラ。別れたってウワサだった。
 ボクはバス通学だったから、六月のその日も練習後にひとりでバス停まで歩いてたんだ。坂を下る途中で後ろから「おいボーズ」って声が聞こえた。ボクが新歓コンパでスチャダラを歌ったのでこういうあだ名になった。ぶっきらぼうなのに優しいその声はルシファーセンパイだ。

 「ボーズ、バス停まで乗ってくか?」
 ルシファーセンパイと二人乗りなんて最高に嬉しい。断る理由なんかない。ルシファーセンパイの腰にギュってつかまって自転車の二人乗り。風を切り走る坂からは夕焼けに光る川が見えた。
 その日を境に、ボクとルシファーセンパイは一緒に帰るようになった。たまたまアンヘル主将とトイレで一緒になったときに「ボーズ、ルシファーとつきあってんの?」って聞かれて「そそ、そんなこと…。とんでもないです!」ってムキになって否定した。だって本当は付き合いたくてしょうがなかったんだ。
 ルシファーセンパイの後ろに乗って話をしてて、こんどの日曜日にセンパイの家にお古のレッグガードをもらいに行くことになった。お古をもらえるだけで超嬉しいのにセンパイの家にいけるなんて最高の気分だ。
 まだ話の途中だったからルシファーセンパイとバス停の小屋の中で二人きり。センパイの家までの行きかたを教えてもらってた。横顔がとてもステキなんだ。
 急にルシファーセンパイが真面目な顔になってボクを見つめたんでドキってした。
「アンヘルに嫌なこと言われなかったか?」って。

 聞かれてたんだ!
 ボクはもう恥ずかしくって、やおい穴から変な汗が出てきた。
 言葉を出せずにモジモジしてたボクに、ルシファーセンパイは「ボーズ、カワイイな」とにっこり笑って髪の毛をクシャってしてくれた。きっとボクは真っ赤になってたと思う。
 帰りかけて小屋の出口まで出たセンパイがクルって振り返り「つきあっちゃおうか」と囁くと、ほんとにいきなり、KISSしてきた。


 声が出ないほどびっくりしてるボクに最高の笑顔を見せて、ルシファーセンパイは「じゃあ日曜な」って言って帰っていった。
 その日はどうやって帰ったか、何を食べたかなんて覚えちゃいなかった。センパイのふわってした唇の感触やいい匂いがいつまでも残って、ジンジンしてた。
 日曜日、センパイの家のチャイムを押す指が震える。今日はきっと
 ■ ■ ■ ■ ■
えーと、続く。

memorialriver





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最終更新日  2004.09.19 00:59:46
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