せんだって日記

せんだって日記

2004.09.26
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 せんだって、花束を買った。

 こういう場合、アーバンでコ洒落たリッチでボヘミアンなオッサンが贈るべき花束は「バラ一抱え」でなくては適うまい。しかも大事なおチビちゃんの初舞台ときたら色は紫。オレ、速水。
 花屋に入ってお姉ちゃんに「紫のバラを、こう(抱えるジェスチャー)…」と意図を伝えると、紫は無いという。なんと。
 急遽、代案として色チェンジ。真っ赤なバラはアイツの唇、白や黄色は趣味じゃない。なにより真紅の薔薇を一抱えではちょっと急ぎすぎじゃないか。リチャード・ギアでもあるまいし、オレはもっとゆっくり二人の間を近づけたいんだ。無難にかわいらしいピンクにする。
 ピンクの薔薇を花束として説得力がある量になるまで揃えるとなるとけっこう値が張ることが判明。無職のオレが用意できる予算は4000円。店員の姉ちゃんの眼が変わる。具体的には面倒くさいという意志が現われる。こういう空気は苦手だ。早く買って帰りたい。
 おまかせ。
 姉ちゃんはむんずとかすみ草【切なる願い】をつかみ、嵩を稼ぐ用意をする。プロである。
 薔薇に固執してたオレの意図を汲み、なおかつ「かわいらしい感じで」というリクエストをかなえるため、ピンクのバラ【わが心】をセレクト。プロだ。

 ここらで一度バランスをみると、どうにも薔薇の存在が薄い。数は少なくても強い色でバラ感を出しておこうとオレがお願いして足してもらったのがマゼンタ色のヨーク・ランカストーローズ【戦争】。
 バツバツ切って束ねてもらうと、なるほどサマになるものである。さすがプロだ。

 完成した花束。花言葉は【私を射止めて、それがわが心の切なる願い。こんどは戦争だ!!】となった。

 バラ薔薇言って、ええかっこしようと欲を出したばっかりに予算オーバー。
 逡巡したお蔭で時間もオーバー。会場に駆け込み汗をぬぐう。花束抱えて息を整えるオレ、速水。視線が痛い。
 公演はそのコばかり見ててよく覚えていない。印象はnot bad。
 カーテンコールのあと、役者は出入り口で観客を見送る。ついに花束を渡すタイミング。ど緊張してるオレ、速水。
 口には出せない秘めた思い【私を射止めて、それがわが心の切なる願い。こんどは戦争だ!!】を抱えてモジモジするオレ、速水。
 彼女は女友達に囲まれて笑いさんざめいている。人気者なのだ。笑顔がまぶしい。
 渡すタイミングがつかめない。
 そろそろ後片づけ、ということで観客見送りはおしまい、というころにやっと彼女が一人になった。


 「ありがとうございます(にっこり)」
 これでポイントアップ間違いなしだ。
 中学一年の彼女にオレの苦労が伝わったろうか?

flower

↑【私を射止めて、それがわが心の切なる願い。こんどは戦争だ!!】実物です。





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最終更新日  2004.09.27 01:05:40
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