せんだって日記

せんだって日記

2006.01.25
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 せんだって日記としては「見たくない権利」ってなものの欺瞞性というか、救いようの無さみたいなものに懐疑的なのである。

 亀田大毅のタフな試合も見たし、その後の本当に残虐だったシーンも見た。
 見たくない、いたたまれない。
 しかし、眦を決して、私はその顛末を見た。
 勝ち目の無い戦いに挑んだ私だ。
 目を反らすことも、チャンネルを変えることも、負けを意味する勝ち目の無い勝負。
 亀田大毅vs視聴者。
 私の悲壮なまでの覚悟は、亀田次男坊よりも勇気があるといっていい。
 あの残虐なシーンを目の当たりにした全国の視聴者は、亀田次男坊よりも、ハートが強いと言っていい。

 あんなに残虐なシーンは未曽有だ。全国のお茶の間をいたたまれない雰囲気に包んでご満悦な大毅。
 楽しいはずの日曜の午後、数万世帯の団欒を、ひとりの未成年が台無しにしたのだ。
 幸福環境の大量虐殺。テレビの電波が、幸せ家族ジェノサイドを可能にした。

 しかし、亀田三兄弟を見たくないからといってR指定にせよと訴えたり、トラウマだなんだと謝罪と賠償を要求したりするのは、どうも、いただけない。

 確かに我々は、傷を負った。深く消えない心の外傷を、亀田親子に与えられたかも知れない。
 しかし我々がいたたまれない思いをし、血の涙を流して受けたこの傷は、いずれふさがって心の襞として定着するだろう。
 この傷を元に、より深くコクのある人格を築くことができるだろう。
 この先、亀田親子がいかなる無自覚な悪意を持って、社会に害悪を垂れ流そうとも、笑ってやり過ごすことができるだろう。
 今日受けた深手はやがて癒え、手負いのお茶の間はいつか必ず、灰の中から甦る。
 つまり「見たくない権利」を基にした表現規制は、脆弱なお茶の間を作る以外の効果が薄いと、思われるのである。
 大毅は早くチャンピオンに近づいて欲しい。





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最終更新日  2006.02.27 01:59:06
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