せんだって日記

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2008.12.16
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 せんだって、お芝居を観に行きました。
 サンプルという劇団の『伝記』という公演です。

 この劇団の公演を観に行ったのは三度目で、今回がいちばん良かったと思うのです。どうしてかというと、観やすかったのです。つまりポップである。このへん、妻と意見が分かれるところだったのですが、妻の場合は分かりにくくてももっと圧倒的なスケールを感じさせた前々回のほうが好みのようです。つまり、俺のほうがヌルい観かたなんですな。

 今回感心したのは分かりやすさもあったのですが、いやあ軽い軽い、衝動が軽い。

 脚本の衝動が軽い、役者の身体の衝動が軽い、演出の発想が軽い。
 軽い軽い、うらやましいほど軽い。

 衝動が軽いということはつまり自由なのです。
 いかなる観念からも自由でいられる軽い身体を持った役者がいるから、軽い思いつきそのままで繋がっていくお話を書くことができたんだろうし、いかなる約束事からも自由になった新鮮な演出ができたのだろう。

 いや実際はぜんぜん違うのかもしれないけどな。


 「こういう人はこういう話し方をするはず」
 「話の展開が突飛過ぎて観客がついてこれないのではないか」
 「この小道具をこんなふうに見立てたら分かりにくいのではないか」

 なんていう約束事や常識から自由になれる軽さ。
 でも、そこまで自由にやりたい放題してても、結果的にすげえ分かりやすかったわけです。ここがすごい。普通は破綻するって。

 ごっこ遊びのような演出、酒の席の戯言みたいな脚本、悪ふざけ的なじゃれ合い演技。

 これ全部、俺らやるじゃん。
 わかるよ。分かりやすいよ。


 特にお芝居なんて「こうあるべき」みたいな観念を持って観られがちなもの。なぜか観客側が古典的な「べき」像を抱えて期待してしまってるところがありますし、業界にもそういう空気がありますわな。
 芸術をありがたがる心理の底だから、それはしょうがない。伝統を壊せばいいってものじゃない。見世物に大事なことは面白いってことなんす。


 固定観念や「べき」像がダメってことじゃない。



 文法や約束事ってのは「わかりやすくする」ために守られてるものなんだけど、そこを全部無視して、分かりやすくなるはずがないことばかりしているのに、もろもろが「軽い」ことによって結果的に分かりやすくなってしまっていることがすっげえ面白かったのだ。
 ああ、だから面白かったのか、すっきりした。


 軽いって自由。軽さって速度。ああ軽いっていいな。





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最終更新日  2009.01.27 01:21:40
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