さすらいの若旦那の日記。

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2009.09.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ガレージに置いていた水槽を久し振りに覗き込んだ。

みどり亀が1匹。

去年の夏祭りで「亀すくい」をして、我が家の一員となった亀。

冬の間、甲羅に閉じこもり全く動こうともせず、死んだかと思っていた。

やがて春が来て、亀は元気に動き出した。

季節が変わるしばらくの間、そいつは眠っていたのだ。

たまに覗き込めば、いつも石の上で甲羅干しをしていた。

時にはぷかぷかと水面を漂い、のんびり過ごしていた。

家に来た当初は餌もやっていたが、そのうち水槽はガレージの片隅に追いやられた。



やがて世話をすることも億劫になった水槽にはコケがびっしりと付いた。

亀にとってはそれが唯一の食料だったのかもしれない。


私は腰をかがめ、忘れ去られようとした水槽の亀をもう一度覗き込んだ。

そいつは水中をぷかぷか漂っていた。

ただ、いつだったか、以前見たときとは、そいつの様子が明らかに違っていた。

緑色の甲羅の色が褪せ、頭、手足が若干ふやけたような感じがした。

トントントンと水槽を軽く叩いてみた。

冬でもないのに、そいつは目を閉じて眠っていた。

私が叩いた水の波紋に、そいつはゆっくりと揺れていた。

そいつはそのまま、ずっと目を閉じていた。

しばらくの間、水槽の前でしゃがみながら、私はじっとそいつを見つめていた。



汗と共に、ジーンズの上に、涙がこぼれた。















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最終更新日  2009.09.06 07:57:45
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