球根

染織幻想



染まってゆく
深く 篤く
数mmの厚みを
魂の膨らみにさえ
なぞらえて

幾度も幾度も
気が遠くなるほど
繰り返される営みの中
染材は
問いかけ
糸は
応える

かつて確かに
生きていたもの達が
息を吹き返し
今生で再び
新たな命を得る

包み 守り 飾り 慈しみ
いつしか一体となり
まだなお余りある
優しさは

昔馴染んだ
日の温もりか
水の潤いか
土の安らぎか

それとも触れた者にしか見えぬ









――幻か


                              2002年09月09日


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