食品開発チーム2004
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昨日は、沢山の方がお見えになって頂いて、大変恐縮です。現実のお話をしてしまいましたから、何事ぞとお見えになったのでしょうね。でも、何のコメントも頂けませんでした。残念!まあ何か気が付かれたらで結構ですので、教えて下さい。今日は、2番目に多いとされるCVSのベンダー様のご担当者に会って参りました。返品を受けることが条件で、先の商談に移れるそうで、返品不可で有れば、この話は諦めて下さいと言われました。今時未だその様な商習慣が残っているのですね。改めてびっくり致しました。公正取引委員会の方が聞いたら目を丸くされると思います。売れる見込みが有れば、それでもお受けしても何とかなるでしょうが、少しどうでも良くなる話ですね。そのうち取り引きして頂けるところが無くなるでしょうね。残念ですね。さて、閑話休題。今日は、ラーメンに使う脂で背脂(せあぶら)と言う言葉はお聞きになった事が有ると思いますが、さて何でしょう?答えは…。これからお答えいたします。背脂は、皆さんご存じの通り、豚さんの脂身です。でも只の脂身ではありません。豚の背中のお肉(ロースと言います。)についている脂身なので、背脂と称します。ロースのお肉の切り身で、ぷりぷりした脂身が付いていると思いますが、それが背脂です。肉を扱っている業者さんでは、別名A脂と言います。と言うことは、B脂も有ると言う事です。更にC脂も有りますが、C脂は内臓の脂で殆ど繊維質のない、少し臭みのある脂身です。B脂は、A・C以外の皮下脂肪と言った方が良いと思います。先程、ぷりぷりとした脂身と言いましたが、ぷりぷりしているのは繊維質が多い脂身だからなのです。次に繊維質の多い身はB脂です。C脂が一番少ない。ラーメン専門店では、背脂を塊ごと(と言っても細長い。)スープのだし取り用のお鍋で、ぐつぐつ煮込みます。長時間に込むので、ぷりぷりした身もくたくたになり、網ですくえば細かな粒状の背脂になります。繊維質は残っているのですね。スゴイ!食欲を引き立たせる演出ですね。でも、本当に長時間煮込むから出来るのであって、短時間だと、繊維質は強く細かな粒に分かれ難く、脂の香りもすっきり臭みもない上品なモノになってしまいます。長時間に煮込むことにより、脂が適度に酸化をして香りと言うより、食欲をそそる臭みに近い風味になります。これをカップ麺に応用することが可能なのでしょうか。それを行ったのが、豚さんのマーク製品の背脂ラーメンの粒状の背脂入りスープです。(実は数年前にその開発に携わっておりました。)長時間に込む代わりにレトルト殺菌処理を行い、***を使い風味を補いました。(済みません、秘守義務があります。)A脂はハム・ソーセージの原料としても使われていることを、皆さんご存じないかも知れません。風味とぷりぷりした食感で結構応用範囲が広いのです。次回は、カップ麺の続きをお話しいたします。
Aug 10, 2005
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