小市民の一日

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2006年11月27日
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カテゴリ: 雑感

<彼はなぜかくまでに思考停止状態なのか>

 11月25日の読売新聞朝刊4面に以下の記事が出ていました。

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 インタヴューの主はいわずと知れたあのお方です。ハトポッポやジャスコ氏とその香ばしさを遺憾なく発揮され,時代の先端を行く政治屋ですね。

 さて,彼の思考はある時点で急にストップしているように見えますが,それはなぜでしょうか。自分は今までその理由を見出すことができないでおりましたが,この記事を見て遂にその原因を発見しました。

 記事によると,彼は自分を『保守本流』をもって任じているようです。

 通常の意味で保守又は保守主義と言う言葉が使われるとき,それは伝統文化の尊重及びその改変に対する慎重な態度,特定のイデオロギーの拒否,共同体としての国家の重視などを要素として含むもので,記事で彼が指摘するとおり安倍首相の支持者にはこの立場を取る方々が多いものです。

 しかし,彼の中ではそのようなものは『保守本流』とはかけ離れた,『国粋主義』『国家主義』的,『革新』的態度として捉えられており(記事1段目10~14行と2段目赤線部分参照),これを『保守亜流』としています。

 これに対し彼のいう『保守本流』とは,吉田・池田路線つまり,軽武装・経済重視主義であり(記事1段目赤線部分参照),彼はまさに自分はこの立場である,といっているわけです。

 そして,その『保守本流』が『保守亜流』と共に属する『保守』という考えには,伝統を重んじるという主張を含むらしいですが(記事1段目後ろから5行目参照),『保守本流』の場合そこにいう『伝統』とは,『戦後60年に培ってきた軽武装・経済重視主義』であり,これを『保守』することが『保守本流』と『革新』的である『保守亜流』との違いであると考えているようなのです。

 以上を簡単にフローチャートにしてみると以下のように示すことができます。

自分は『保守本流』→『保守本流』の守るべき『伝統』とは,戦後60年間に培ってきた軽武装・経済重視主義→これを変更することは『革新』であり,『保守亜流』である。『保守本流』が取るべき道ではない→したがって,戦後60年の間に培われたものを変えることは許されない or 変えるにしても相当慎重であるべきだ

 ・・・かくして思考停止状態がもたらされ,あの香ばしい発言が繰り出されるわけです。

 私はこのタイプを『思考停止状態 類型A』と名づけました。

 次回は『思考停止状態 類型B』を,井上ひさし氏の言葉を題材に検討してみたいと思います。

※ なお,彼によって『保守亜流』とされる立場は,本質的部分や重要な部分を擁護しつつ進められる漸進的改革を肯定するものであって,思考停止状態を肯定するものではありません。したがって,思考停止状態に陥っている意味でも彼は本来の保守とは程遠い存在といえます。






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最終更新日  2006年11月27日 17時39分45秒
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