買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2019年11月30日
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カテゴリ: 読書
彼の姿がいつもあった場所に目をやるが、どこにも不在感はない。
支援センターの名物だったくせに、いなくなっても誰が困るわけでもなく、その不在が目立つわけでもないから、「死ぬ」という劇的なことになっていても何か月も気づかなかった。
気がつかなかったのは、きっとわたしだけではないだろう。
それが、彼だったのである。

「ゴム手袋のヨハネ」のモデルになった男性が召された。
召された、という言葉がこれほど似合う死人を、わたしは他に知らない
(ブレイディみかこさん「子どもたちの階級闘争」P279)




「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 に引き続いてのブレイディみかこさんで、こっちのほうが本は売れてないかもですが、本領発揮はこっちという気がします。

時間的に先行して書かれた後半部分はブログで発信されたもので、読みやすく興味深いものですが、統一されたメッセージ性は、後で書かれた前半のほうが強く読みごたえもあります。
ブレイディみかこさんが在住しておられるイギリスは、移民の数や程度も、日本とは比較にならないくらい進んでおり、そのこととあわせて貧困による社会の分断がますます広がっていくなかでの、「緊縮財政」がいったいなにをもたらしているのか、いわゆる「レフト」の立場からそして「底辺社会」から見た姿が描かれています。

「明日は我が身」の日本かもしれず、暗澹とした気分になってしまいますが・・・・・。







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Last updated  2019年11月30日 09時08分55秒
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