買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2020年04月13日
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カテゴリ: 読書
その赤ん坊は、わたしが初めて会う人だった。思い出のなかにも想像のなかにもどこにもいない、誰にも似ていない、それは、わたしが初めて会う人だった。赤ん坊は全身に声を響かせ、大きな声で泣いていた。どこにいたの、ここにきたのと声にならない声で呼びかけながら、わたしはわたしの胸のうえで泣きつづけている赤ん坊をみつめていた。
(川上未映子さん「夏物語」P543)




ふむ。
第一部「乳と卵」(進化系)から第二部までには、書かれた年月のとおりの期間が開いていて、夏子(第一部に名前出てたっけ?)もなんとか「作家」みたいになってます。

その夏子が、トラウマからか男性との性交渉がうまくもてなくなっている中で、それでも自分の「子ども」に会いたいとの思いから、「精子提供」による出産に踏み切るかどうかの迷いのあれこれを、「精子提供」によって生まれてきた悩みを抱える逢沢やそのパートナーである善百合子、自身の担当編集者である仙川さんらを交えながら描いてゆきます。

第二部は、「産む」「生まれてくる」ということのそれこそあれやこれやのお話があって、たしかに難しい問題ではあるものの、いささか退屈なところもあるのではないかと思いつつ、そして、「 きみは赤ちゃん 」を書かれたのちの川上さんなので、最後はやっぱりこうなる予想はついた感はあります。

そんで、「 乳と卵 」はやっぱりええなあ、「 ヘヴン 」もええなあ、「 あこがれ 」もええやんか、で、これはどうやねん。550ページちかくあるねんけど・・・・・。







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Last updated  2020年04月13日 08時34分18秒
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