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2004年07月01日
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カテゴリ: 裁判
今日、裁判を見に行ってきた。
有栖川裁判を見る目的で行ったのだが、
弁護士の質問が下手で面白くなかったので、
途中で痴漢裁判に切り替えた。

被告は、20台半ばで会社員。
この事件を機に会社を辞めていた。
GW明けの朝、満員電車の中で16歳の女子高生のスカートの中に手を入れ、現行犯で捕まった。

痴漢自体は4年間近く続けていたという。
ただ、今までは臀部を触っただけでスカートの中に手を入れたのは今回が初めてだという。


入廷した時から少し震え、うつむいていた。

まず、父親が証言台に立った。
弁護人が質問する。
「この事件を聞いた時、どう思いましたか?」

「思いやりのある子だったので、ビックリしました」
と父親は答えた。

弁護人「こうなった原因は何だと思いますか?」
父親「今まで、叱らなかったのが悪かったと思います」

傍聴人席では母親がハンカチで目を押さえる。

弁護人「これからはどうするつもりですか?」
父親「実家に帰って、畑仕事を手伝わせ更生させたいと思います」


たまに実家で農家の手伝いをしているらしい。

この後も質問は続いた。
そこで父親が事件が起こる3ヶ月前、
息子の部屋で痴漢ビデオを発見したとわかった。

弁護人「その時、あなたはどうされましたか?」


父親は息子に何も言わなかったのである。

このようなケースで息子に何か言う父親は少ない気がする。もう大人であるし、いちいち息子の性癖にまで口出しはしないだろう。
それ以前に、この父親は息子を怒った事がないと証言しているのだから、今さら口出ししないできないのだ。

問題は「今まで息子を怒ったことがなかった」ことである。
私の勝手な見方だが、被告は今まで人生で怒られた事がほとんどないと思う。
学校では、おとなしいタイプの子供だっただろうから、まず怒られない。
ある程度強い部活でもやっていれば、怒られる機会もあっただろうが、そういう部活に入っていたようには見えない。

怒られないと、自分が少し間違った道に行こうとしても歯止めが利かないのだ。
強制わいせつで捕まった犯人によく言われるのが、
「真面目で、そんなひとには見えなかった」
この言葉に一種の真理がある。

真面目=小さい頃から怒られる機会がない
→大人になる=今さら誰も怒らない
→間違ったことを始めたとき歯止めが利かない
→取り返しのつかないことになる

という構図が浮かぶ。
怒られることによって、どこが限界点か悟るのだ。
被告には限界点がわからなかったのだと思う。

痴漢ビデオを3本持っていたと証言していたが、
持っているビデオで、人の性癖は分かる。
それが犯罪につながるかは別だが。

そして被告が証言台に立った。
被告は震える声で、時には泣きながら弁護人の質問に答えていた。被告は、反省していてすぐにでも謝りに行きたい、獄中でもずっと謝罪文を書いていた、と言っていた。
私も相当反省しているのかな、と思った。

質問者が弁護人から検察官に代わった。
検察官は白いYシャツを着用し、腕まくりをしている。
見かけ30前後の男性だ。

被告「今まで何百回と手の甲・手のひらで、臀部を触ったことはあるがスカートの中に手を入れたことはない。そこの一線は画してきた」

この発言が検察に火をつけた。

「一線を画するとはどういう意味?
あなた、女性の臀部を触ることは何てことないことだと思っているのですか?」

被告「いえ・・・」


検察官「なぜやったんですか?」

被告「・・・。男性としての誠実さがなかったのだと思います」

検察官「意味が分かりません。そういうことじゃないでしょ。男性の誠実さがなければ、皆やるの?やらないでしょう。なぜやったの?」

被告「・・・」

検察官「軽く見ていたんじゃないの?この位やっても捕まらない。そう思っていたんじゃないですか?」

相当強く出ている。
被告は泣きじゃくっているのに、だ。
私は検察官が落ち着いていて、
弁護人と同じような質問をする裁判ばかり見てきたので、
新鮮だった。

被告「・・・」

検察官「あなたは捕まっても考えを深められていない。こういう所があなたの甘い点なんじゃないですか。」

被告「・・・」

検察官「質問終わります」

泣きじゃくる被告人。
しかし、同情の余地はない。
続けて裁判官が質問する。

裁判官「インターネットに痴漢サイトあるよね?」

被告「知りません」

裁判官「コンピューター関係の仕事しているあなたが知らないわけないでしょ」

被告「そういうものは知りません」

裁判官「ずっと何百回とやってきて、どうせ捕まらないと思ってたんじゃないの?」

被告「・・・。そういう部分もあるかもしれません」

裁判官「あなた、供述書の中で『相手が嫌がっているように思えなかった』といっているけど、満員電車の中で恥ずかしさもある、動揺もしている、そう考えられなかったの?」

被告「・・・」

裁判官「その時は考えられなくても、家に帰った後悪いことしたなとかよぎらないわけ?普通分かるでしょ。」

被告は泣きじゃくっていた。

最後に何かありますか、と言われ
被告は反省の意を述べ、法廷は終了した。

被告は確かに反省しているように思えた。
しかし、検察・裁判官が詰問して成功だと思う。
ここで、これだけ怒れれば2度としないはずだ。
被告人は元々、気の小さい方だと思う。
だが、周りが何も言わないので、
ついつい痴漢を続けていた。
しかし、今回大事になり、ようやく目が覚めたのだ。
もう2度としないだろう。


痴漢をすると、人生が一気に狂う。
痴漢裁判のビデオでも見せたら、一気に痴漢被害は減ると思う。
裁判ビデオは無理にしても、痴漢した人のドキュメンタリーでもテレビでやってみてはどうか。
きっと、痴漢人口は減るはずである。


裁判に興味をもたれた方にオススメの本。
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最終更新日  2004年12月26日 04時29分19秒
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