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賢治が中学に入学した年も、自然災害のために農作物がとれず、農民たちは大変な苦しみを味わった。その次の年も、また洪水。「なんとかして農作物の被害を少なくし、人々が安心して田畑を耕せるようにはできないものか。」賢治は必死で考えた。「そのために一生をささげたい。それにはまず、最新の農業技術を学ぶことだ。」そう思った賢治は、盛岡高等農林学校に入学する。成績は優秀。卒業のときに、教授から、研究室に残って学者の道に進まないかとさそわれる。でも賢治は、それを断る。そして、ちょうど花巻にできたばかりの農学校の先生になる。二十五さいの冬だった。「いねの心が分かる人間になれ。」それが生徒たちへの口ぐせだった。また、こんな言葉を覚えている教え子もいる。「農学校の『農』という字を、じっと見つめてみてください。『農』の字の上半分の『曲』は、大工さんの使う曲尺のことです。そして下の『辰』は、時という意味です。年とか季節という意味もあります。」曲尺というのは、直角に曲がったものさしのことだ。それを使うと、一度に二つの方向の寸法が測れる。だから賢治の言葉は、「その年の気候の特徴を、いろいろな角度から見て、しっかりつかむことが大切です。」という意味になる。また賢治は、春、生徒たちと田植えをしたとき、田んぼの真ん中に、ひまわりの種を一つぶ植えたこともあった。すると、真夏、辺り一面ただ平凡な緑の中に、それが見事に花を開く。「田んぼが、詩に書かれた田んぼのように、かがやいて見えましたよ。」と昔の教え子たちが言う。苦しい農作業の中に、楽しさを見つける。工夫することに、喜びを見つける。そして、未来に希望を持つ。それが、先生としての賢治の理想だった。(「イーハトーヴの夢」 文・畑山博『国語六 下 希望』光村図書)より小6のひなこが学校から帰ると、国語の教科書の朗読を始めます。すこし前までは宮沢賢治の「やまなし」を読んでいたのですが、いまは畑山博さんの「イーハトーヴの夢」。以前、写真家の星野道夫さんや生命誌の中村桂子さんのエッセイを読んでくれてうれしくなったことがあるのですが、賢治さんのこの文もいいですね。(全文を載せられなくてすみません!)きっと、毎年、暑い夏の日なんかにこの曲尺(かねじゃく)の話を思い出すことでしょう。畑山博さんの「イーハトーヴの夢」には1896年(明治29年)に生まれ、1933年(昭和8年)に37歳で帰天した宮沢賢治さんが子どもの頃は石を集め、観察するのが好きで「石こ賢さん」と呼ばれた話や物語を自費出版したり、出版をことわられた話、37歳で亡くなる最期のときのことまで11ページで書かれています。長い朗読でひなこにとっては毎日大変ですが、ぼくにとってはとってもインスピレーションがもらえる時間となっているのでした。今度、ICレコーダーで録音し、ときどき聞けるようにするのもいいかも。(笑)ぼくたちは小6のとき、どんな題材があったのだろう。「やまなし」はあっても畑山博さんのようなメッセージはなかったような気がします。星野道夫さんや中村桂子さん、そして畑山博さんの文に触れた子どもたちの未来にぼくは期待しています。今日は、とある省のヒアリングがあり、里山ねっと・あやべの初期の物語をさせていただきました。畑山博さんの「イーハトーヴの夢」では賢治の教え子のことばがでてきますが、風化する前に、活字となることは大事ですね。また、地域活性化の事例として、ホームページで公開されるようです。11月3日(火)の朝、神戸のFM局「KISS-FM kobe」でオンエアされた「ハートフル フィーリング~ひょうご・こころのネットワーク~」のCDが届きました。普段はCDが届いても聴いたりしませんが、今回はめずらしく再生。ベランダでミニ菜園をされているラジオパーソナリティの浜平恭子さんがうまく引き出してくださっていました。ありがたいことです。リクエストしたゴダイゴの「ガンダーラ」もちゃんと流れていました。パーソナリティの浜平恭子さん、貴重な機会を与えてくださった兵庫県の道平さん、ありがとうございました!●次回の綾部里山交流大学は11月21日~22日、『社会起業家に学べ!』著者でカリスマライター・今一生さんによる「社会起業家」育成講座です。 →詳細※PRビデオ「お地蔵さまと一本檜前」編●半農半Xをお話しする予定(※は非公開) ・11月17日(綾部)=視察研修※・11月18日(綾部)=地域学習会※・11月24日(大分・九重)=「日本一の田舎暮らし」講演会(九重町役場)・12月09日(神戸)= 食料環境セミナー(神戸学生青年センター/午前)・12月12日(名古屋)=DECOスクール グリーン・ジョブって なんだろう?・12月13日(京都)=シンポジウム(同志社大学)・01月15日(京都)=ワークショップ・01月23日(山梨・甲府)=山梨初です! ・01月30日(東京・銀座)=暮らしの安心・安全セミナー・01月31日(滋賀・守山)・02月06日(長野)=長野初です!・02月24日(東京)=講座(NPO法人) など●訪問くださったみなさまへの 今日のお土産(エックス・ミッション系)のことば・・・新たな詩人よ嵐から雲から光から新たな透明なエネルギーを得て人と地球のとるべき形を暗示せよ(宮澤賢治「生徒諸君に寄せる」)何度読んでもいいことばですね。●今日のインスピレーションワード(キーワード、コンセプト、キャッチフレーズ…)・・・A SEED JAPANメディアCSRプロジェクト「一枚の写真が国家を動かす」×「一言のつぶやきが世界を変える」~企業・政府を動かすメディア術セミナー~訪問くださり、尊尊我無です。今日も明日もすてきな1日でありますように。───────────────────────────【ニューコンセプト&スローレボリューション】半農半X研究所 塩見 直紀(京都・綾部) 2009.11.12「X」=mission, calling, lifework, dream, social collaboration...───────────────────────────*塩見直紀ホームページ
2009.11.12
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今日1月15日は地元自治会の恒例行事である 「産土講(うぶすな・こう)」。 昼間(11~14時)、公民館に集まって、 五穀豊穣と地域の発展、家内安全を祈りつつ、 お弁当とお酒で、直会(なおらい)です。産土(うぶすな)講。 いい名前ですね。 産土講の神事は10年に1度まわってくる禰宜の組が担当します。 10年に1度の意味は ぼくが住む鍛治屋町は全部で10組、73戸あり、10年に1度まわってくるのでした。 今年は6組が当番。 2年前は我が4組が禰宜当番だったのであとしばらくは気持ちも楽です。 鍛治屋町の73戸、出席者(1戸1名)を見渡せば、 年齢でいえば、ぼくは若いほう数えると、5番目でした。 若い世代もたくさんいますが、この産土講に出席することは上の世代の役割(仕事)のようです。 ぼくにとっては産土講は今年も「地元学」的な時間です。 紙とペンを持っていき、今日もいろいろと書きとめるのでした。 昨年は雪の産土講でしたが今年はおだやかな日となりました。それにしても今日は15日で1月も早いもので半ばなのですね。 びっくりですが、でも今年はのんびりのような気もしています。 都会はどうなのでしょう。●訪問くださったみなさまへの 今日のお礼(エックス・ミッション系)のことばものごとの美は、それをじっと見つめる人の心の中にある (ヒューム) ●今日のインスピレーションワード(キーワード、コンセプト、キャッチフレーズ…)ソーラーポッド訪問くださり、尊尊我無です。今日も明日もすてきな1日でありますように。───────────────────────────【ニューコンセプト&スローレボリューション】半農半X研究所 塩見 直紀(京都・綾部) 2012.01.15「X(エックス)」=天職、使命、ミッション、天命、天の仕事、志、夢、ライフワーク、テーマ、生きがい、役割・・・───────────────────────────塩見直紀ホームページ
2012.01.15
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2025年3月22日(土)大阪での「循環ってなんやねん?ケンキューショ」のトークイベントに登壇します!詳細は塩見直紀のフェイスブックをご覧ください。https://www.facebook.com/xforshiomi.naoki2025年3月3日 半農半X研究所 塩見直紀
2025.03.03
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2025年5月より、週にワンテーマをAtoZ化し、noteで公開しています。以下はこれまでのバックナンバーです。weekly AtoZ①「塩見直紀の鍵語AtoZ」(2025.5.21)weekly AtoZ②「塩見直紀のおすすめ本AtoZ」(2025.5.28)weekly AtoZ③「塩見直紀のおすすめワークAtoZ」(2025.6.4)weekly AtoZ④「塩見直紀の追いかけているテーマAtoZ」(2025.6.11)weekly AtoZ⑤「AtoZ作品AtoZ」(2025.6.18)weekly AtoZ⑥「塩見直紀の大事にしている視点AtoZ」(2025.6.25)weekly AtoZ⑦「塩見直紀の好きな歌AtoZ」(2025.7.2)weekly AtoZ⑧「エックスフォトのモチーフAtoZ」(2025.7.9)weekly AtoZ⑨「1人1研究所のためのおすすめ本AtoZ」(2025.7.16)→「塩見直紀 note」で検索下さい。お役にたてることもあるかもです。笑ぜひご笑覧ください。「100週連続=100テーマ」を目標にがんばります。2025年7月18日半農半X研究所 塩見直紀
2025.07.18
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