April 7, 2005
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7時も後15分かそこらという時に、突然むくちゃんがいきみ始めた。『しまった、陣痛だ…こんな状態で車に乗せられるだろうか?』むくちゃんの背中を擦りながら、どうすることが最善なのか必死で考えているうちに仔猫の頭が出はじめてしまった。

仔猫は当然仮死状態で産まれてくるのだが、こんな状態では本当に死んでいてもおかしくない。
体を全く動かさず、半分口の開いた血色の悪い仔猫の顔は、誕生の喜びを感じさせるようなものとは程遠かった。それでも蘇生を試みようと起き上がると、めまいと吐き気が一気にした。もう24時間近く寝ていなかったからだ。しかし、痛みのあったむくちゃんは、もっともっと大変だったはず。

本に書いてあった通りティッシュで鼻と口の水をふき取り、それから背中を大きく擦った。…反応は無い。もう一度同じことを繰り返す。鼻の辺りからジュッと音がしたような気がしたが、はっきりしない。もう一度同じことを繰り返すと、今度はちゃんと息をしたのが分かった。『やった!成功だ』

それから30分ほどで、2匹目が産まれはじめた。『今度の子は少し大きいぞ』

その子の処置をしながら1時間ほど経った。むくちゃんは息を荒くして横になっていた。仔猫たちは一所懸命おっぱいを吸っていた。死産の子を含めると、これで3匹だ。大変だったが、とりあえず一通りの出産がすんだと思うと、ふっと意識が遠のくように眠ってしまった。

ところが、その2時間半後、私は枕もとのむくちゃんに異変を感じ目を覚ますこととなる。私が見ると、むくちゃんはかっと目を見開き、ゆっくりと上体をねじるように動かした。こんな表情は見たことが無い。

まさかと思い産箱を覗き込むと、もう一匹産まれようとしていた。2匹目よりもさらに大きな子だ。『これは、産み落とせない』そう思い、急いでむくちゃんを助けた。助けながら仔猫の顔を見ると、不自然に大きな耳が頭部の側面に反り返ったようについていて、スタートレックのミスター・スポックのような変な顔。一見、地球外生物だ。そればかりではない。体がすっかり出てきてから分かったのだが、この子は頭部だけが体の割りに大きな子だったのだ。通りで意外とすんなり出てきたわけだ。でも、これはこれで個性的でいいかもなんて思いながら、気付くとまた眠っていた。。。

しかし、それだけではなかった。またさらにその2時間後、異変に目を覚ますと仔猫が産まれかけていたのだ…同じように蘇生をしたはずだが、正直意識が朦朧としていて覚えていない…







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最終更新日  April 10, 2005 04:56:36 PM
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