2003年01月31日
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仏像の説明が終わると、館内を少しだけ移動して「大宝殿」の南側にある「縁起堂」に入る。堂内には「道成寺もの」の歌舞伎・能の写真や絵画が所狭しと飾られている。天井からは黒い釣鐘が下がっているし、歌舞伎で実際に使われていたハリボテの鐘も置かれていた。正面には安珍と清姫の像まである。床には花柄の絨毯が敷き詰められ、正面の少し右に絵巻物を載せる台がある。

写真や絵画を一通り見終わった頃、住職さんが再登場した。
「この辺が、一番良い席ですよ」
と指差された辺りの絨毯の上に座って「安珍清姫の絵とき説法」を聴く。所要時間は約18分だそうだ。

「道成寺縁起絵巻」を使った説法は1000年以上続いているのだそうで、使われている絵巻物はこれが8代目だそうだ。
絵巻物を架台にセットしながら住職さんがおっしゃるには、
「この寺の主人公はこの絵巻物で、私たち住職は代々それを皆さんにしゃべるために存在している」
のだそうだ。

「安珍・清姫」のストーリーは誰でも知っているのでここで詳しく書くのは省略するが、住職さんは絵巻物を繰りながら、それを紙芝居風に話すのだ。時々、

とか、
「この船頭のずるそうな顔、きっと安珍からしっかり袖の下をもらってるんでしょうね。これを見て、ある男性が『ワシも船頭になりたい』と言ってました。何故かというと、『安珍からは金をもらって、おまけに清姫のヌードまで見れた』からだそうです。所詮男というものはそんなもんでしょうかねぇ」
と、笑いを誘う。

物語はどんどん進んで、最後には道成寺の住職の夢枕に2匹のヘビが出て「往生できない」と訴えるので、盛大な供養をしたところ今度は2人の天女が現れて「おかげで成仏して幸せに暮らしています」という、いかにもお寺に都合の良い結末になっている。

それから400年後、鐘を失った寺は新しい鐘を作ることにした。しかし落慶法要の日、旅の白拍子が見事な舞を披露して少しでいいから鐘を見たいと頼む。白拍子は鐘にとりつき、「おもえば此の鐘うらめしや」と鐘に入ると・・・鐘が落ち・・・そして、鐘が上がってでてきたのは白拍子ではなく、なんと恐ろしい大蛇。白拍子は清姫の怨霊だった。というのが歌舞伎の「道成寺」である。

しかし現在、この鐘は道成寺にはなく、京都の妙満寺にあるのだそうだ。
「鐘で有名な道成寺には鐘がありません。カネは天下の回りものですから。あるのは土産物屋の『つりがね饅頭』ばかり」
なのだそうだ。






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最終更新日  2003年01月31日 12時30分00秒
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