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2012年8月11日から9月16日まで、台北市にて呉増栄・建築・水彩画展が開催された。
呉増栄は1942年生まれ。華圏では著名な建築家であり、1982年に台北市政府(TAIPEI CITY HOLL)の国際コンペに1位入賞し、同建物の設計・監理を坦務した実績がある。1992年の東勢鎮公所の設計を最後に建築家を引退した。その後、水彩画を書き始め今日に至るという、異色の経歴を持つ人物である。
日本の建築家の、伊東豊雄、長谷川逸子、山本理顕と同世代。30歳代から頭角を現し始め、台中市議会(1971)、台北市美術館(1978)、台湾中央図書館(1980)の設計コンペで受賞し、実力をもってその地位を確立し台湾建築界に大きく貢献した。
建築家として20年、その後の水彩画家として20年。ちょうど節目となる年に今回の展示会が催された。
【定象・台北】系列活動展 【完成中的切片】呉増栄水彩画展
新聞掲載







呉増栄の水彩画は、油絵のような質感であるが、これは、何度も重ね塗りをすることによる。下の絵は、1枚の絵ができるプロセスを表している。
1st step
2nd step
3rd step
4th step
5th step
Final
呉の水彩画の最大の特徴は、この幾度となく上塗りされるプロセスにある。その塗り重ねられるプロセスで、彼の思い出や記憶や、感情が折りこめられ、実際の写実にないものがあったり、また配色を変えたり、ポイントの強弱をつけることにより、そのときの感情や注視されているものが表現される。
塗り重ねられたプロセスは写真に納められており、絵が変わり行くプロセスが明確に分かるように記録されている。
作品そのものも胸打ち、感動を与えてくれるものであるが、彼の独創性はプロセスにある。プロセスを知ることにより、また、感動もさらに倍増する。
このような手法で、絵を描く画家は、他に聞いたことがない。
彼の絵を見ている思うのは、愛、である。台湾への愛、台湾の風景への愛、そして身の回りのものについての愛。。。そして、不思議と感動する。



