2010.01.19
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 俺ははっきり言ってプリティーズに「ブルーズ、R&Bを解体して云々」というコンセプトが本当にあったとは思わない。乱暴者が勝手に怒り狂ってブルーズやR&Bを力任せにぶちかましてただけなのだ。出てきた結果は「コンセプト」と合致するだろうが、狙ってねえだろう。せいぜい「思いっきり派手にやろうぜ」って程度の「コンセプト」だ。

pretties_getthepicture.jpg 1stでは元になるものがあって、それをぶち壊して見せたんだけど、この2ndの何が凄いかって、オリジナル曲を増やしつつも1stの勢いを決してスポイルせず、洗練はさせてるんだけど乱暴さも殺していない、と言うところだ。更に、フィル/ディックのコンビで作ったBuzz The Jerk, Get The Pictureが明らかにカヴァー曲より出来がいい、と言うところも素晴らしい。さあ、ビートルズやフー、キンクスを追撃する準備は出来た。

 前述の2曲は本当に格好良くて、前者の荒々しさ、後者のクールさともに甲乙つけ難いのだけど、他に3曲、バンド全員や、テイラー/メイが外部の人間と共作した曲も含まれる。ちょっと興味深いのがWe'll Play Houseで、この曲の共作者として、また、ドラマーとしてジョン・アルダーが参加しているらしいのだ。つまりトゥインクである。俺の持ってるCDの裏ジャケだとAldoって書いてあるから別人の可能性も感じるんだけど・・・真相は?
 そう、このアルバムではヴィヴは既に数曲にしか参加していない。レコーディングの途中で彼は解雇され、アルバムの大半はセッションマンのボビー・グレアムが叩いていると言う(ヴィヴの後任として正式参加したスキップ・アランは不参加と思われる)。ちなみに彼はYou Don't Believe MeとCan't Stand The Painで共作者としてもクレジット。更に前者ではジミー・ペイジも共作&ギターを弾いてる・・・。
 それでもヴィヴは特にYou'll Never Do It BabyとCry To Meで充分に存在感を見せてるんだからたいしたものだけどね。ボビー・グレアムの端正な(いや、素晴らしいプレイしてるけどね!)ドラムと聴き比べてみよう。やさぐれ感は明確だ。

 要するにヴィヴの解雇を挟み、結構混乱した制作体制だったと思われるんだけど、そんな状況と考えればこの完成度は奇跡。一部ではコレこそプリティーズの最高傑作との声もあり、まあ確かにガレージ期としては明らかに完成形だ。

 ただ、もう完成を見てしまったせいなのか、既に次への指針が垣間見れるところが面白い。London Townでは既にサウンドが次作Emotions、そしてS.F. Sorrowに向かおうとしている・・・。そういえばジャケにもサイケの片鱗が・・・?





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Last updated  2010.01.19 00:04:09
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