2012.04.28
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カテゴリ: In Concert!
 ロジャーの横浜公演、予定通りに行ってきたのだった。連休前の金曜だからまったりモードかと思ったら意外に仕事が忙しく(連休明けのための準備をしっかりする必要があった)結構ギリギリまでかかってしまったがなんとか定時5分前に会社を出て、開場時間に間に合うように到着。横浜まで来てセブンイレブンの肉まんで腹ごしらえをする俺は神奈川県民なので横浜が珍しいなどとは一切思わない。

 会場には早く着いたが、結局グッズもあまり魅力的ではなかったのでスルー。席でTwitterでもやりながらゆっくり待つか、と思ったが電波の悪いこと。まあ、それは諦めつつ(幾つかツイートしたけど)開演を待つ。

 19:00を少し回ったところで客殿が落ち、暗いステージにメンバーが登場。少しの間準備をして、ロジャーにスポットが当たり客席に会釈をして、当然のOverture~It's A Boyからスタート。ロジャーは髪が伸びていて、トミーなルックスに。もう加藤茶とは言わせない。

 事前にイタリア(だったかな)公演のブート音源を聴いていたので解っていたがとにかく精度の高い「完コピ」ぶり。特にOvertureのCaptain Walkerのパートのギター。二人のギタリストがレコードのピートのプレイをほぼ完全に再現するのには思わず笑ってしまった。だって二人で同じフレーズ完璧に弾くんだぜ。

 Captain WalkerとIt's A Boyはサイモン・ダウンゼンドが歌うので、ロジャーのヴォーカルは次の1921が最初になる。今回の最大のトピックというのはやっぱりこの曲の「You didn't see it~」からのパートの再現だ。つまり、多分69年以来初じゃないかな、ロジャー(トミー)が「I see it~」と、両親に抗おうとする部分が再現されているんだ。実は俺、昔からずっとコレをちゃんと聴きたかったのでもうここで感動。

 音楽的にはAmazing Journey~Sparksが最初のクライマックスかな。Sparksはザックのドラムが抑え気味だったから、今回のドラマーの忠実な(ティンパニーまで使った)ドラミングには満足。ただSparks本編前のベースソロではベーシスト(本来のベーシストが怪我したため代役だそうだ)にスポット当てて欲しかったなぁ。

 続くトミー受難のパートは、過去のライヴでは様々なアレンジだったりプレイされなかったりした曲も多いのだけど、今回はスタジオ版に添ったアレンジで統一。Cousin Kevinのコーラスの再現は圧巻だった。Acid Queenはサイモンが歌う。Fiddle Aboutはロジャーが精一杯キースの魂を乗り移らせて。結構演技してて楽しかった。

 Pinball Wizardのエンディングのアルペジオをライヴで再現したのも初めてじゃないかな。俺は直前に映画のエルトンヴァージョンを見てたからみんな「I don't know!」って叫ぶかと思ったらそうでもなくて、少し浮いた俺。だがいつもこうやって浮くと俺はスイッチが切り替わって好き勝手騒ぎ出すのだ。

 客がみんなトミーを解ってるな、と思ったのは、普通にヒット曲中心で聴いてるファンならあり得ないところにクライマックスを感じてた感があったところ。Go to The Mirrorがとにかく盛り上がったんだよ。この曲ストーリー上重要曲でしょ。ここが後半の盛り上がりの起点(Pinball Wizardではなく!)ってコトをみんな解ってるのね。なんかソレが嬉しくってさあ。



 MIracle Cureを挟んで問題のSally Simpson。いや、演奏は素晴らしいんだけどさぁ・・・スクリーンのアニメーションが・・・(笑)サリーの顔とか酷いし(笑)映画では可愛らしい少女だったのに、コレは何だ。まあ確かにスターに熱を上げちゃうイタい女子、ってイメージは上手く表現されていたかもな(笑)。もうね、俺はこの曲の最中笑っちゃってどうしようもなかったよ。

 ライヴ初披露のWelcomeは最初同じテンポのブルーズピアノからスタート。このバンドだからもう安心の再現度。コピーで気付くキースのドラミングの的確さにも感心したり。そのキースが再びロジャーに軽く憑依してTommy's Holiday Camp。そしてラストはWe're Not Gonna Take It~See Me Feel Me。ここはもう、Whoのライヴ同様の、いや、もしかしたらお膳立てのでかさ故か同様以上だったかも知れない大合唱で。なんでだろうな。客の人数では勿論Whoの方が圧倒的だったけど、大合唱気分はこっちだったな。エンディングが若干グダグダだったのはご愛敬。ロジャーのマイク回しのミスで終わりきれなかったようだ。

 ちょっとしたMCコーナーを挟んで後半はトミー以外の曲のコーナー。まずはI Can See for Milesからスタートしたのだが、途中でロジャーが構成を大間違い。バンドはどうするかどうするかって感じで演奏を止めずにいたのだが、ビートは維持したまま結局仕切り直し。なんともう一回頭から演奏しなおすという。2回目は若干やけくそ入ったのか、微妙にテンポも上がってワイルドになっちゃって結果オーライ。

 続いてギタリストがリッケンバッカーに持ち替えてThe Kids Are Alright。Whoのヴァージョンではインストになるパートでサビをもう一度歌うというちょっと変わったヴァージョン。次はなんとロジャー自身がギターを弾く(ってーか後半はずっと弾いてるんだけど)Behind Blue Eyes。後半のハードなパートも静かなまま聴かせ、ヴォーカルが終わってから爆発するアレンジ。ちょっと盛り上がりきらないけど、Whoで良くやる曲はあえて別アレンジにしてるのかな、と感じた。ヴォーカルがアカペラになる部分は良かった。

 次はロジャーのソロ曲なのかな?俺は持ってない曲だったんだけど、Days of Lightって言う曲。軽快なカントリー風の曲で、楽しかった。オリジナルヴァージョンが欲しい。曲の前にロジャーのMCをギタリストが微妙に流暢な日本語で翻訳(何かカンニングしながら)するんだけど、どうやら彼のお母さんは日本人らしい。へえ。
 この次は俺がブートで聴いたローマ公演だとサイモンのソロ曲が入るんだけど、今回はWhoのGoing Mobileをサイモンのヴォーカルで。サイモンの歌も結構いいね。動きとかピートそっくりなんだけど。この曲ではロジャーはハープを吹いていて、リズムから何からDrowned(82年ツアーヴァージョン)にそっくりになってたのが面白い。

 Who Are YouもBehind Blue Eyes同様のドラムを抑えたアレンジ。この辺のアレンジには疑問を感じるのも本当だけど、なんか、違うことやろうとしてるんだろうなあ、とは感じる。上手くいってるかは別として。やっぱり、ね。盛り上がりたい曲ですかされると、ね。

 そう言う意味で「あえて」を感じ、成功してるようだったのはMy Generation Blues。このアレンジは76年ツアー以来なんじゃないかな。そして「あえて」2コーラス終了であっさりYoung Man Bluesへ続くのが「流石」と思った。今回のYoung Manは、ブレイクでロジャーがマイク回しをして、マイクを掴むと同時に演奏がストップするというスリリングな演出。格好良い!そしてエンディングのブレイクではなんとWaterの歌詞を。ファンも解ってるから、合間合間に「Yeah!」とか「Water!」とか。当然、ね。
 そしてBaba O'Riley。こればっかりはWhoのオリジナル通りのアレンジで。エンディングは勿論ハープね。

 バンドは上手いし、ロジャーはリラックスしている。世間の評判通り、確かに今回のロジャーは上手い。余裕があるんじゃないかな。その分、音にもWhoほどの緊張感はないから。その代わり安心して、余裕を持って上手に歌える。Whoだとピートがフリーダムすぎてどこに行くか解らないからね。ロジャーは基本的にスクエアな人だから、こういうしっかりしたバンドの方が安心して歌えるのかも知れない。


 ラストはジョンの思い出を語ってからBlue Red and Grayをロジャーのウクレレ弾き語りで(後半からキーボードが入る)。この曲スタジオ版ではピート一人での演奏なんだけど、このツアーでロジャーがあえてそう言う曲を自分で歌った意味は何だろう。単に好きだったのかな。歌いたかったのかな。ジョンの思い出と関係あるのかな。いろいろなこと想いながら演奏はしんみりと、しかし軽快に終わる。

 Whoやロジャーのライヴがこうやってしんみりと終わるのにはやっぱり、ジョンを失って以来彼らには「老い」と「残された者」って言うのが重要なテーマになってしまったからなんだと思う。ストーンズやポールは音楽そのものがテーマだけど、Whoは昔からテーマを設定してプレイするバンドだった。だから大盛り上がりのR&Rショウをこうやって締められても納得がいく。今回のツアー、アンコールはないのだけど、構成が完璧だから必要なかったな。綺麗に終わって気持ちよく帰る。うん、最高だった。凄く良かった。行って良かった。





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Last updated  2012.04.28 10:59:10
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