けいざい日記

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治安不安は少年甘やかしのツケ




【今日の1冊】
[日本の治安は再生できるか]
前田雅英/ちくま新書刊/2003年6月/206頁



日本の犯罪化に対して、「社会の規範」を取り戻して
治安を再生していくべき、と著者は主張する。社会の
規範とは家庭や学校のしつけなどで「犯罪を犯すとひ
どい目にあうぞ」と教えることが大切だと言う。


どうも治安の悪化は実感だけでなく、統計の数値でも
深刻な状況になっているらしい。犯罪率(10万人あ
たり何人が犯罪を起こすか)では戦後間もない混乱期
よりも悪化しているというのは驚きだ。


統計の数値で驚きなのは、少年犯罪は戦後、ずっと
上昇してしまっていることだ。日本の治安が良かった
のは、成人が犯罪を起こさなかったからで、少年たち
の悪ガキ化はずっと進行してきてようだ。

悪ガキ化は著者に言わせると、犯罪を起こしても、保
護観察(平たく言えば無罪放免)の乱発によって、
「あれ、悪いことしても罪にならないじゃん」と少年
に思わせてきてしまったのが大きいと言う。

なんと家庭裁判所に送致された中で、ちゃんと罪とし
て認定されるのは3・8%。万引きなど軽微なものも
多いとしても、少ない。平成12年の少年法改正まで
検察への逆送(刑法で裁くこと)の数値も驚きだ。

なんと、大人がやると死刑か無期刑しかない「強盗致
死」(物を盗んだ上に家人も殺す恐ろしい犯罪)では
25%しか刑事罰の対象になっていなかったという。
そんな凶悪犯罪者の4人に3人は無罪放免になってい
たのだ。改正によって100%裁かれるようになった。
当たり前の話である。


こんなにまで少年を甘やかすことに大きく貢献した
少年法の背景には、「少年の健全育成が第一」という
妄想的教育理念がある。

現在の治安不安は、「悪いことしたらちゃんと罰する」、
そんな当然のことをしてこなかったツケが回ってきた
だけのようだ。


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