けいざい日記

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エリート社会ってホントにくるの?



【今日の1冊】
[機会不平等]
斉藤貴男/文春文庫刊/2000年11月/354頁

【本について】
フツウの人間には上にいく「機会」すら与えない、そ
んな社会への接近に警鐘を鳴らす1冊。ゆとり教育の
正体は「エリート教育」であり、一握りの人間だけが
学力をつけ、そのほか大勢を支配する。

「非才・無才は実直な精神だけ養っておけ」などの
教育課程審議会メンバーの発言にはドキっとさせら
れる。教育を皮切りに、まさに階層社会を政府は目
指していることを著者の徹底的な取材であらわにさ
れている。

教育は唯一に近い階級上昇の機会であったはずだっ
た。それすらも奪い取られようとしている。エリー
ト以外の人生はさらに悲惨なものになりつつある。
今後さらに増えるであろう派遣社員は不安定な雇
用を強いられている。老後の介護のビジネス化し
金持ち以外は見向きもされない。

そうした階級社会の果てに、その選抜は遺伝子の
段階からスタートすると著者は危機感を持つ。生
まれる前からチャンスがない、それこそ究極の
「機会不平等」が完成する。そうした未来を一笑
することは簡単だが、その方向に進みつつある
現実を、認識するくらいしてはどうだろうか。


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