けいざい日記

けいざい日記

敵でも味方でもない「戦友」



今日の1冊
[警察回り(サツまわり)]
本田靖春/新潮文庫刊/1986年9月/397頁
【読んで欲しい人】
・戦後を懐かしみたい人
・知の巨人・深代淳郎の人柄に触れてみたい人
・新聞社に入ったのは失敗だったと思っている
 若手記者

【本について】
上野警察署担当の社会部記者たちの戦後という青春
を、彼らが愛した「婆さん」を軸に描く。

婆さんが経営しているバー素蛾に記者が集まり、た
むろする。記者たちは普段、特ダネ争いでしのぎを
けずる間柄。だが、素蛾に集う記者は何かでつなが
っていた。戦士たちに連帯と安らぎを与えた婆さん
は、戦後の象徴ともいえる。

婆さんは、戦前に台湾から来日し、自分は半分は日
本人だと偽り続け、転々としながら、その類まれな
る社交性によって多くの人から協力を受ける。戦後
復興期の泥臭い人情が通用したからこそ彼女は店を
持てた。そんな婆さんとともに記者たちは戦後とい
う時代を謳歌し駆け抜ける。

そんな時代だったからこそ、記者たちは敵ではなく
「戦友」足り得たのだろう。


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