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朽棄

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2004年01月02日
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 マイヤー島。マ=ドゥラヴァスの様相が一変してから、ほとんどの冒険者達が大陸へと戻っていったため、めっきり人が少なくなってしまった寂しい島。


 最近はコエリスの両手剣使いの聖騎士、sivan’から譲り受けた良補正の+8両手剣「sivan’s sword」と紀沙から借り受けたキングパンプキンベルトのおかげで頗る快調だ。マルス=オーラでも赤字にならずに狩りができる。もっともマルス=オーラの北側が主な狩場なんだが。

 ここしばらくはタープマンからの仕事を数多く請けている。修行のついでに請け負っているだけなのだが、これがなかなかいい稼ぎになる。いつかは万年貧乏騎士の異名から卒業したいなと思いつつ、今日もタープマンに会いに行く。

 この日はレイクリーバー退治の仕事を請け負った。程なく仕事を終え、報酬を受け取りにタープマンの元へと足を運ぶ。
 報酬を受け取りちょっぴり笑顔を浮かべている私にタープマンが声をかける。
 「お前の腕を見込んで頼みがある。」
 やけに改まった口調で話し始めるタープマン。これはただ事ではないなと思いつつ耳を傾ける。
 「デスリティスを退治して欲しい。」

 「わかった。報告を待っていてくれ。」
 私はすぐさまマルス=オーラへと向かう。
 しかし、問題が一つ。リティスは数多くいるのだが、デスリティスがなかなか見つからない。しかもこんな時に限ってデスミュータニォやデスベラトゥアーが群がってくる。防御力に難がある私はこれらの魔物に囲まれるとかなりつらい。マイナーヒーリングでは追いつかなくなるため、やむなくHPリカバーを使用する。
 『赤字にならなければいいが・・・・・・。』そう思いつつ探索することしばし。見つけた。だがよりによって対聖騎士用のオーラを纏うデスリティスだ。HPリカバーを使用しなければならない状況に泣きながらも私は奴に向かっていく・・・・・・。

 無事、デスリティスを退治し、タープマンの元へと戻る。
 「終わったぞ。」
 「おぉ、もう終わったのか。さすがだな。」
 「まぁ、な・・・・・・。」
 「思った以上にHPリカバーを使用してしまった私にはその賞賛の言葉もむなしく聞こえる。
 「では、最高級の報酬をもってそれに応えよう。」
 一転、私の目に期待の色が浮かんだのは否めない。いったい最高級の報酬とはなんなのだろうか。

 差し出されたものを見て私の目は点になる。これほど情けない顔をしたのは久しぶりだ。
 「・・・・・・おい。」
 「どうした?うれしくて言葉もないか?」
 差し出された品は一本の薙刀。
 「私は両手剣使いなんだが・・・・・・。」

 満面の笑顔を浮かべながら答えるタープマン。
 「しかも+5じゃないか・・・・・・。」
 「何をいう。魔物が落とす最高ランクじゃないか!」
 タープマンはさも心外だと言わんばかりに声を荒げる。しかし、私は見た。彼の顔に浮かぶ一筋の汗を。
 「・・・・・・報酬用意してなかったな。」
 「・・・・・・・・・。」
 「・・・・・・・・・。」
 「さて、次の仕事だが。」
 「誤魔化な!!!」

 結局報酬はそのまま、次の仕事を押し付けられた。
 まぁ、こんな日もある。
 今日もタープマンと私との駆け引きが繰り広げられる・・・・・・。





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最終更新日  2004年01月05日 16時20分05秒


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