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2021年12月04日
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カテゴリ: 2021.11 奈良・京都
​​​​​​​​​​​​​​​​​​猿沢池の散策を楽しんだ後は、 興福寺 へ。
猿沢池から石段を上った先にある。


興福寺は、平城遷都が行われた和銅3年(710)に藤原不比等が創建。
聖武天皇や光明皇后らも堂塔を建立し、藤原氏とともに栄えた。
多数の国宝仏を所蔵し、建物の大半も国宝や重要文化財に指定されている。
一方、何度も火災に遭って堂塔を焼失したが、その都度奈良時代の様式で再建されてきたため天平の面影を留めている。


五重塔  と  東金堂




この時期、五重塔は国宝特別公開されていた。
令和4年度から、およそ120年ぶりの大規模修理が行われる。
修理が始まると、当面の間は内陣のみならず外観も観ることができない。
修理期間は10年の予定。

今回、奈良をメインの旅先に選んだのは、この興福寺・五重塔と薬師寺・東塔の特別公開が目的でもあった。





塔本四佛護符 付き。






五重塔 【国宝】
興福寺の創建者である藤原不比等の娘・光明皇后によって天平2年(730)に建立された。
高さ50m。国内に現存する古塔では、京都・東寺の五重塔に次いで高い。
以降、5回の焼失と再建を繰り返し、現在の建物は室町時代再建の6代目である。

5回焼失しているが、年表を見るとその内の3回は「落雷により焼失」している。
明治40年に避雷針が設置されたが、火災だけでなく落雷によっても焼失していたとは・・・貴重な文化財の保護がいかに大変なことか推察できる。




今回、公開されている初層には、「薬師如来坐像」「釈迦如来坐像」「阿弥陀如来坐像」「弥勒如来坐像」がそれぞれ須弥壇四方に安置されている。




内部では、心柱も見ることができた。
これだけの高い五重塔を支えている心柱だけに、太くしっかりしている。






室町時代に再建された現在の五重塔。
間近で見ると、数百年の時を超えて建築に携わった方たちの息づかいが聞こえるようだった。







特別公開期間中は、五重塔の特別御朱印をいただける。




中金堂 【国宝】
興福寺の中心となるお堂。
江戸時代中期に焼失後、本格的な復興は行われなかったが、2018年に再建された。
正面37m、奥行23m、高さ21mあり、木造建築としては屈指の大きさを誇る。
本尊釈迦如来坐像のほか、薬王・薬上菩薩立像(重文)、四天王立像(国宝)を祀る。




南円堂 【重要文化財】

西国三十三所観音霊場の第9番札所である。




南円堂に向かって右側にある 南円堂納経所 でいただいた御朱印。
大型寺院のため何種類かあるが、興福寺全体の御朱印である「令興福力(りょうこうふくりき)」を。
「世界文化遺産」の印が押されている。




南円堂から見た 五重塔 東金堂 中金堂




次は、 東金堂  と  国宝館 へ。
拝観料は、セットで900円。


東金堂 【国宝】
興福寺には本来3つの金堂があり、中金堂の東側に建つ東金堂もそのひとつ。
聖武天皇が奈良時代に建立したことに始まり、現在のお堂は五重塔と同じく室町時代再建の6代目。
本尊の薬師如来坐像(重文)のほか、十二神将立像(国宝)、四天皇立像(国宝)など18体もの国宝仏を安置する。




東金堂は、内部には入れず、外部から拝観する形だった。
ご本尊の薬師如来坐像をはじめ、国宝の仏像の宝庫で見応えがあった。
興福寺に来たら、阿修羅立像と五重塔だけでなく是非この東金堂も拝観したい。




最後は、興福寺で必見の 阿修羅立像 が安置されている 国宝館 へ。



阿修羅立像 は、仏像界のスーパースターともいえる奈良時代の傑作。
表情の異なる3つの顔(正面・右向き・左向き)をじっくり見てきた。
憂いを帯びながらも迷いを脱したかのように見える正面の顔、過去を悔いているかのように唇を嚙んでいる右向きの顔、まだ悟りに至らず迷っているかような表情の左向きの顔。
人間誰しも経験するような顔の表情に、人の一生が凝縮されているように感じた。



興福寺
奈良県奈良市登大路町48
アクセス 近鉄奈良駅から徒歩5分
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最終更新日  2021年12月04日 19時12分07秒
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