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紳助竜介というコンビはたまたま売れたのではない。緻密な研究と戦略がもたらした成功であるということが分かります。
これはおもしろいDVDでした。
私自身、すべてのお笑いコンビや漫才師の裏側を知っているわけではありませんが、少なくともこのコンビはよく考えていた。
いえ、島田紳助という男の頭の良さが彼らの成功の秘密なのでしょう。
紳助は自分の理想とする漫才師から学ぶために、その人の師匠の元に弟子入します。
そしてその先輩漫才師にくっついて、技術を学ぶのです。
ことこまかに。
そしてそれを自分なりの漫才の中に盛り込んでいきます。
そこにある基本は パクリ なのです。
そもそも昔から職人の世界は、 師匠からいかに盗むか という手法で技術が伝わってきているわけです。
教えてもらうのではなく、見て盗め、と。
そこには センス も必要です。
同じものを見ていても感じるものは人それぞれ違う。
才能というのは表面に出るものだけではなく、 必要な情報をいかに察知して取り入れるか 、という点にも大きく存在していると思わずにはいられません。
紳助という男はいつも勝ちに行っていました。
ですから、紳竜が一番になれない舞台には立たなかった。
どういう分野なら勝てるのか、どういうスタイルなら勝てるのか、どの舞台なら勝てるのか。
きちんと勝ちに行く戦略を立てていたと言えます。
なんば花月の舞台に立つ時には、いつも全力投球はしませんでした。
朝のお年寄りが多くいる時には、早々に引き上げたといいます。
自分たちの漫才が分かる世代とは違うからです。
自分たちのターゲットを 20~35歳の男性 と特定していました。
「みんなに」ではなく、セグメント化したマーケットで勝ちに行ったのです。
お笑いというのは、子供からお年寄りまで、みんなに楽しんでいただけるもの、という概念を壊し、限られたセグメントに対しての受けを狙った。
そしてそれは当たった。
漫才ブームにも乗り、一気にスターダムにのし上がった。
でもあるとき、新人ダウンタウンの漫才を見て感じたそうです。
「もう辞めよう」 と。
「こいつらにはかなわない」 と。
勝てない戦いはしない。
これが島田紳助の流儀であり、勝者の戦略なのです。