「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

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3人を刺したくなった時に


【1】「ブラディ・ドールシリーズ」北方謙三著「角川文庫」
 会員制高級クラブ「ブラディ・ドール」の店主にして川中エンタープライズの社長川中良一を主人公にするこのシリーズ(第1作目「さらば、荒野」~)は非常によく人が死にます。
 さすがに主人公と敵役?のキドニーこと宇野弁護士は最終作でも生き残ってますが、藤木、坂井、秋山・・・読者が共鳴する中心人物が次々と刺されて死んでいきます。
 「男なら酒はワイルドターキー101プルーフのストレート。カクテルなどオカマの飲み物」と称する北方謙三。「杉の花粉」も20年前には、主人公に自分を重ねた作者の生き方に憧れ、カマンベールチーズをつまみにターキーをストレートで飲んでいた恥ずかしく哀しい過去があります。
 そんな北方謙三の匂いがギッシリ詰まったこのシリーズ。
 女性を馬鹿にしているという書評もありますが、「こんな奴いねえよ」と主人公を客観視できたとき、人を刺すのも馬鹿馬鹿しくなっている事でしょう。
 「さらば、荒野」「碑名」「 肉迫 」「 秋霜 」「 黒銹 」「 黙約 」「 残照 」「 鳥影(ちょうえい) 」「 聖域 」「 ふたたびの、荒野 」「 男たちの荒野(まち) 」「 されど君は微笑む


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