オークションに出そうと思って、また性懲りもなく、実家の物置からLPレコードを引っ張り出して持ってきた。交響組曲「宇宙戦艦ヤマト」とか、あのELPのキース・エマーソンが音楽監督をした「幻魔大戦」のオリジナルサントラ盤など、アニメに関係するものが多かった。その中に、冨田勲の「A VOYAGE」という冨田勲氏のヒット曲ばかりを集めたオムニバスアルバムがあった。冨田勲氏といえば、シンセサイザー音楽の草分け的存在であり、彼の残した作品は素晴らしいものが多々ある。そういえば最近あまり噂を聞かないなと思っていたが、1932年生まれで、73歳になるのだから仕方がないのかも知れない。 現在取引されているCD等もどちらかというと少なめで、楽天で調べても、アマゾンで調べてみても、なかなかこれはと思うものが出回ってないのは残念なことだ。これだけの大御所なのに扱われ方が余りに寂し過ぎるのだ。 現代は、コンピュータの発達が目覚しく、冨田勲氏が活躍していた頃と比べると、音響機器も長足の進歩がある。これらの機材を使えば、アイデア一発でどんな音造りでも可能な時代になってしまった。楽典なんか知らなくたってセンスのある音楽が簡単に出来てしまうのだ。「果たしてそれはどうなの?」と、疑ってしまうところもあるのだが、それ自体としては悪くはない。だけど、もう少し、古いものにも敬意を払って欲しいかなと思うのである。 ●惑星/火星 ●富田勲/TOMITA ON NHK ●冨田勲/源氏物語幻想交響絵巻