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SweetPain
200404 200410
「痛みの花」
ありったけの痛みで
高らかに 歌って
頬を伝う涙は
きっと
何かを叫びたいから
ただ
ここにいれば
一瞬 許されたような
錯覚
そう
まるで
花が空から降ってくるよな
そんな
気がする
はらはらと
涙 零れて
許されぬと
自分でつけた傷
もっと もっと罰してよ
あなたの心臓の
見えない部分が
深く
えぐれるほどに
ねえ 見える?
赤く 滴るものが
苦しみなさい
風化してゆく痛みで
高らかに 歌って
一瞬の 許し
言葉に出来ないから
血を 流すの
ねえ
歌を 歌って
「ルート73」
泣いてしまえば
それは真実だと言われるの?
東の星には弱虫
その向こうには
悪意が棲んでいる
何回となく
崩壊の鐘を鳴らしながら
あるもの全てを踏み潰してしまう
日常までもが
僕を責めにやってきて
終わるとき
鐘が鳴り
歪んだ
兵隊を引き連れて
終わるとき
踏み潰される
考えなければ
それは許された事にはなるの?
皮肉だよね
そんなところに
答え
があるなんて
僕は 何者?
「ダイナ」
堕ちてゆくものに
選択肢なんて
ありはしない
あなたを発情させた
その存在は
ネジを巻きすぎた
時計のようなもの
潔い?
馬鹿いうんじゃないわ!
破滅するなら 徹底的に破滅したいだけ
そして
徹底的に幸せになるの
ただ
堕ちてく
ただ ただ
堕ちてく
ナニを勘違いしてるの?
選択肢がないまでに
追い詰めた
その先が見たいの
バカみたい
ココ
が発情したいのよ
ナニを勘違いしてるの?
人のものを 盗らないで
「賢人の館」
選ばれたものが集う
七つの扉がある部屋で
僕は 生まれた
夢を見たあとは
幸せを奴隷にして
夢を喰らう
過ぎていく日々
何処にでもある
たわいない話しさ
賢人は言葉を交わす
延々と
言葉は繰り返される
部屋の隅
僕は 耳を塞ぎ
カタカタと何かに震えながら
足で
扉を蹴り飛ばす
声は声であって
虫のように
頭をかき回す
ないから壊れるんじゃない
ありすぎるから壊れるのさ
ねえ どうして 扉は開かないの?
憤慨
諦め
消滅
開くことない
七つの扉がある部屋で
僕は 生まれた
ねえ どうして 扉は開いてくれないの?
選ばれたものが集う
出口なき
賢人の館での日常
何処にでもある ありふれた 話
「Let me be Down」
十分に満たされてる?
そこは
十分に満たされてる?
そうだね
君のパパなら
認めてくれそうだ
真っ赤な広場に
歩けないくらいの飴玉 ぶちまいてさ
笑うんだ
僕はもう
十分にやっただろ?って
楽しくもなんともない笑い
なあ
教えてくれよ
満たされた その先を
雌鳥があまりにも鳴くからさ
うるさくて
やってられないんだ
そうだね
君のママなら
犯してしまったよ
首も 絞めておいたからね
笑えよ
満たされるものが本当にあると思った?
同じだろ
誰だって
同じなんだ
さあ
笑え
「殴打」
ドン
ドン
ドン
誰かの
何かが
強く揺さぶられる音
ねむり足りない 夜を泳いで
ただ
涙だけが頬を伝う
感情さえあれば
涙を流すだなんて
そんな
子供じみたこと
夜が雨音を連れてやってきて
ただ
涙を流させる
ドン
ドン
誰かが
何処かで
強く打たれる音
ドン
流れる
泳ぎきれない夜は嫌い
ここにあるものと同じくらい 嫌いなのよ
ドン
ドン
ドン
・・・
「うたかた。」
ちいさな
すずめの群れ
天窓あおぐ
あたたかな光
愛しい寝息
そっと
そっとね
もう
壊れてはいけないの
羽を重ねて
静かにおねむり
たおやかに
時は過ぎ
もう
戻れなくても
けして
壊してはいけないよ
廻る月
紡がれる物語
うたかたの ゆめ
「街」
夜更けが
ねむるよ
きれいなうたを
織りあげよう
人の足どり
ゆっくりと
ただ
それだけの時
静かに
汚れた街
抱きかかえて
何もない日にも
痩せた猫は
求めているよ
うたを歌おう
おはよう
おやすみ
くちづけをあげる
おはよう
愛しい 街
「さかさ鼠」
アタシをシカトする
雨だれ
穴ぐらには
さかさ鼠が棲んでいる
都合よく履き違えて
吐き気をもよおす
雨だれのニオイ
そいつを喰らって
生きている
プラスをあげれば
マイナスを返す
都合よく嘘ついて
美しい貴方は
ほんに
さかさ鼠とよく似てる
むせ返るよな
穴ぐら
止まらない
雨だれ
アタシをシカトして
ぎいぎいと
貪りつくす
さあ
もういいんだよ
なりたいように おなり
あるがままの 醜き姿
生まれたままの
貴方に
「ぼくのくに」
ごらんよ
これが
掃き溜め
ぼくのいえ
いつだって
下し気味で
生きてくだけで
かっこ悪い
寂しさを
わかちあうとか
なんとかさ
だらだらと
垂れ流して
なにをそんな
満足そうに
タダだから言ってますと
どうして素直に言えないの?
ごらんよ
生きてくだけで
精一杯
所詮
他人は絵空事
余裕ないのが
クズの掃き溜め
ぼくのまち
そいつにたかる
ぼくのくに
うじ虫以下の
ぼく自身
「ラブ・ミー・テンダー」
届かないものを
届かないまま
飾りあげて
人はそれを
愛と呼んだりするのさ
結局は
君の手で
いじくってるだけの
自慰にも似た自傷で
それでも
ないと生きていけない
ただ
空っぽなままで
埋めつくすことない
器がそこにあるだけ
遠くで
微かに
息づく存在を
どこかで感じて
触れられないものを
触れたいと思うから
人はそれを
愛と呼んだりするのさ
言い出したら
キリがないのに
それでも
手放したら
すぐに消えてしまうもので
人は生きてる
教えてくれたら
教えてあげるよ
自慰にも似た自傷
むなしさの所在
見えないなんて
今更なしだよ
聞こえる?
ありったけの
愛をこめて
ねえ
聞こえてる?
くそ食らえ
「パラノイド」
君は呟くんだね
例えば
愛して欲しい
なんて言葉を
欲しいものなら
一つしかないよ
なにはなくとも
満たされれば
それでいいんだろう?
噛み過ぎた奥歯が疼いて
朝を拒んでる
まるで
自分が闇であったかのよに
ねえ
薄笑いさえ浮かべて
朝は来ないんだよ
そこにあるのは
どんどん色褪せる
輝きだけで
歯が砕けるように笑い
愛して欲しいと呟く
全て
なくなればいいんだ
飲み込むこともなくなるさ
ただれていくだけで
乾いてる
当たり前のよに
矛盾した世界の中で
ねえ
気づいてた?
君は
暗闇なんだよ
「白い言葉」
何か素敵な 言葉はないか
皮膚をかきむしって
体液を
垂れ流す
体温より
いいもの
他にある?
飢えた
繋がり乞食に憧れて
さあ
来いよ
失うものなら
とうに
噛み砕いてるさ
真っ白な雪道
しょんべんだらけ
それが
この
傷跡さ
髪を撫で
神がするよに
額に
キスをしよう
どこにも行く場所はない
何か素敵な言葉
見つからない
傷だらけの
真っ白な腕で
貴方を抱く
終わりはどこに見えたっけ?
ねえ
もう
抱くのには飽きたよ
アタシを 抱いて
「この国の祈り」
持ってるものは
それ以上
ないものねだりで
当たり前
お前の顔には
反吐が似合うよ
お金がある人
成功者
醜いツラして
楽しそう
お金のない人
敗北者
だからどうした?
潰してみろよ
ないものねだりは
高台から
ワイン片手に
吼えるんだ
降りてこいよ
どうにもならない
だから
人は
血を流す
この手が腫れあがるほど
言葉にできない
何かを叫ぶ
当たり前の顔して
ないものねだりなんていうなよ
そんなの
ただの要求さ
待ってな
引きずりおろして
反吐かけてやるさ
洗い流しても
消えないほどのね
それが
お前への
祈りだ
聞こえてるか?
愛すべき
平和な者たちよ
「夏の終わり」
狂ってしまった
歯車を舐めて
振り返りたいはずの
後ろを
振り返れずに生きる
高く
飛んでいけるなら
何も
いとわなかった
強さの裏側で
優しく佇む弱さを
どうして僕は 抱きしめてやれずに
歯車に追いやり
砕いてしまって
露を帯びた
夏の終わりにお似合いの
憐憫を飲み込み
空を見上げる
勇気もないまま
またひとつ
何かを失おうとしている
言葉にすらできず
吐き出されるのは
ばらばらに砕け散った
もう
意味を持たない弱さで
高く
飛んでいけるなら
それだけで 良かったはずなのに
思い切り泣きたいのは
どうしてなんだろう?
「きんいろの手」
金色の海の中
しとねに指を伸ばして
笑う笑顔
世界観
古臭い価値観
ふわふわと廻って
小さな指先には
透明が笑う
みな 穏やかで
とても
穏やかで
胸が詰まるほどの涙
届くかな?
手は
届くかな?
凍える手
もう一つの目は
いつ
目を醒ますの?
聞えるよ楽しい音が
ほら
すぐそこに
「夢想の糸」
怖かったのは
愛して欲しいと
差し出された手
私はまだ 愛し方を知らない
垂らされ
伸びる
糸のように
穴蔵から
光が見えれば
そこかしこに散らばる
私の手
そして
あなたの手
夢の世界は夢の中
夢の世界は夢の中
絡まる糸
乞う嘆き
全て
絡み上げ
あなたの顔はそこにあって
喜びの中に涙 こぼれる
夢の世界は夢の中
夢の世界は夢の中
小さく
息をひそめた
夢
「十字路の幼子」
ホラ
くすりゆびの先
遠く
二人は
ここで出会ったの
同じ色の羽が
空から
舞い落ちたわね
幼子が泣く十字路
彼女は微笑む
僕は
望んだままの鏡
この手で割って
その中を逃げながら
君にもう一度
見つけて欲しいと願う
わしづかみの不安は
温度をあげるばかりで
内側を食い潰す
ここにおいで
彼女が手招く
果ての十字路には
羽が一つ舞って
君は 僕を見つけたの?
僕の中に棲む不安を
優しく撫でる
天使で悪魔
ああ
飛ばされる
十字路の中
赤子のように泣いていたのは
僕だったのかもしれない
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